労働審判の手続きを進めてから知ったのですが労働審判はあくまで協議という位置づけのようです。

つまり、次の経緯をたどる「協議」の連続なわけです。

1.紛争勃発(例、解雇)
2.会社との協議
3.会社との協議が決裂
4.裁判所の調停
5.会社との最終協議

⇒決裂したら裁判へ。

労働審判は労働問題の迅速な解決を図り設立された云々・・・、金銭解決が妥当な場合も多いことから云々・・・という正式回答では、やはりものごとの本質を実感できないものですね。

今回と次回の更新で、私の実体験から、紛争勃発から法的処置を講じるまでを説明したいと思います。

さて、労働審判を選らんだ場合、ざっくりいうと上記1から5のように進みます。用語は正式なものではないですが、あくまで当事者同士のお話合いが続くというイメージです。

ここから、次のようなルール(縛り、とでもいいましょうか)が生まれます。

・労働審判前には会社との事前協議が必須である

・金銭解決を目標にした協議となる

・法的な原状回復は事実上は困難

労働審判の申立書なるものも検討していますが、相手方との事前協議の内容を書く欄があることからしても、「相手方と協議」が欠くべからざる必須の要件であることが、実感できました。

ということはです。

もし、紛争が勃発したとき、本来は労働審判を安易に選択せず、自分なりの利害得失を考えて順番に決断する必要があるということです。

例えば、解雇を争う場合、本来は以下の順番で準備するのが妥当なのではないでしょうか。

理由は後日またあらためて述べますが、半年前のなにもわからない自分にアドバイスするとしたら、以下の内容になります。

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1.「復職をあくまで希望する場合」と「金銭解決で済ます場合」をまず決断する。

 1)「復職をあくまで希望する場合」
 次の点を譲るべからざる、不動の信念で決断する必要があります。
 
 ・正義は我にあり、と確信する(実はここが最重要です。)
 ・自分の為だけではなく、今後の悪事を防ぐ為という使命感を持つ
 ・解決期間は裁判だけで最長5年と覚悟しておく
 ・5年間の生活費用、その他の見込みを考えて「やれる」ことを確認する
 ・解雇無効を勝ち取る前と、勝ち取った後で別の戦いだということを確認する
 ・勝訴までの賃金未払い額を事前に計算しておく
 ・ただし、賞与の受け取りはできないことを確認しておく
 ・「復職すべし」という判決はないことを確認しておく
 ・勝訴後に「復職をもとめてなにをなすべきか」を明確にしておく

 2)「金銭解決で済ます場合」
 次の点を確認する必要があります。

 ・法的に勝訴の見込みはあるか
 ・勝ち見込みに応じて、妥当な金額はいくらか
 ・会社には話し合いの余地があるか

2.次に、戦う方法を決める。

◇上記1の1)の場合
間違いなく本訴で訴えるべきです。
この場合、地位確認の本訴に先立って賃金仮払いの仮処分を申し立てることも検討しておくといいでしょう。

但し、十分な経済力がある、身内などの支援者がいて最低限生活費があるなら、迷わず本訴提起。
解決期間は年単位になりますので、期間を少しでもショートカットする為です。

また、弁護士に聞いたところによると、東京地裁は仮払いの審査が厳しい。
よって、地方在住者はともかく、首都圏在住者は、生活余力を考えつつ本訴を提起するのが正攻法だと思われます。

◇上記1の2)の場合
労働審判、場合によっては、その後の本訴へと続く2段階で考えるべきでしょう。

3.戦っている最中に、順次、問題を解決する

裁判は相手があるものです。相手の主張に応じて、常にこちらも防戦準備を怠ってはなりません。

私のこれまでの経験上も、自分での勉強は必要不可欠。実際に勝訴になるような人は、ただ手をこまねいて弁護士にお任せしているような人はいないと思います。

・少なくとも、相手方との紛争経緯は時系列に沿って正確に述べられるようにする
・自己の言動と相手の言動が法的に正当か否かを検討しておく
・自己に不利な事情を明確にし、その点が致命傷にならないように、情状酌量の
 余地がないか、自己弁護できないかを検討する
・法的な問題については、自分でも検討し、特に疑問があれば弁護士に確認し、納得いくまでつきつめる
・裁判の進行その他、手練手管の部分はプロ(弁護士、または裁判の場においては裁判官)の発言を最大限尊重する
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本日は以上です。












担当の弁護士が、相手方(会社側です)の弁護士に連絡を取りました。
労働審判の前に当事者間の交渉が必要だからということでした。

つまり、事前の交渉がないと労働審判までたどり着けないとのことです。
2ターンほど連絡の往復があり、現在、相手方の連絡待ちとなっています。

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◇フェーズ1
当方から伝えたこと。

・解雇無効であると考えていること
・その理由
・労働審判を検討していること
・私が復職を希望していること
・話し合いの余地があるかどうか知りたい

◇フェーズ2
相手方からの連絡。

・復職を前提とした話し合いはできない
・解決金については話し合いの余地がある

◇フェーズ3
当方から伝えたこと。

・解決金として800万程度を考えている

◇フェーズ4
相手方からの連絡。

・その額だと折り合うのは難しいと思われる
・一応、会社に伝える
・検討結果を折り返し連絡する
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上のフェーズ4までが先週末の時点の状況です。
会社は3日程度検討しているはずですが、まだ連絡はありません。

■今後どうするか

解雇はまず問題なく無効になるのではないか。
私はよく考えた結果、そのような認識に至りました。

なぜなら、いろいろ証拠を整理して担当弁護士に送ったものの
解雇の有効性は我々ではなく会社側が証明するルールになっています。

次の状況で解雇(普通解雇)が成立するかというと、しないのではないでしょうか。

・入社3年程度
・これまで懲戒の実績なし
・2011年に欠勤が40日間前後ある

会社が提示した解雇理由通知書は、いろいろ書いてありますが、結局のところ
解雇の有効性を会社が証明しなければならず、相当に難しい(※)。

※難しいと私が考える理由は、一番下に後述。ただの推測ですので。

となると、落としどころは次の2点に絞られる。

1.解雇無効が確定し、復職する

2.解決金により退職する

◇「2」について
これは、現時点でも相手方に応じる用意がありそうです。
会社としても早く、手切れ金でカタをつけたいので交渉に応じる可能性は高い。
問題としては、次の点を考えています。

・相手方は150万程度を妥当な額と考えている
 (退職勧奨時に提示した額が150万です)
・額の変動はあるとしても大幅には変わらないと思われる
 (150万は単に執行役員の権限の限界。増額もありうるが、この額でも多いと思うそうです。)
・10月末解雇が確定して150万(+α)では納得できない

◇「1」について
会社が最も認めたくない、かつ、私が必要と考える「会社と交渉する大前提」です。
「1」が確定しない限り、会社は言いたい放題言うだけですので。
メリット、デメリットは次の通りを考えています。

復職が確定したときのメリット)
解雇がなかったことになることで、次の効果が発生する。
・11月以降の不払い賃金が支払われる(一時金の入手)
・今後、継続して給与が支払われる(経済的安定)
・各種保険、年金の継続がされる

加えて、次のメリットが生まれる。
・外見的な勤続年数が増える(解雇時は2年10ヶ月)
・勤続年数が増えることで就職しやすくなる(すぐやめる人材と思われない)
・離職理由が「解雇」ではなくなる(これは常識的に考えるだけでもメリット)

逆にデメリットは以下の通り。
・また干された状態に逆戻りする可能性もある
・給与は最低額に据え置かれる可能性が高い(賞与は出ない可能性さえある)

メリットにもデメリットにもなるリスク要因が次の事情です。
・解雇無効により会社は大打撃を蒙る可能性がある
 (世間的に。不当解雇した会社ということになりますから。)
・社員が動揺する可能性がある
 (既に社内報で退職が周知されているので。「いるのは、なんで?」となります。)
・規律が保てない可能性大
 (決済した社長、解雇を進言した人事部長はもとより上司もメンツを失います。)
・今後、安易に退職勧奨、クビにできない
 (会社にとって意外と大きな損害となる公算が高い)
 
こうした事情からさらに陰湿な嫌がらせを受ける可能性もありますし、
社内に大混乱を起こしてやる覚悟で戦う根拠にすることもできます。
公的に会社の処置の失敗を認められることになるわけですから。

また、こうしたリスク要因を嫌って、判決確定前の和解が成立するかもしれません。
この場合、当然ながら解決金の額は極めて高くなることになります。

なぜなら当方のもともとの主張は「復職」です。
解決金で退職を認めるにしても、会社の失敗料、思惑料を足さないと納得できません。

この意味で800万は妥当かなと思っています。
労働審判の相場としては、あまり見られない額かもしれませんが。

■※解雇の証明が難しい理由。

時間、費用などコスト面と、証明すること自体が難しいという2つの理由があります。

「コスト面」
・会社がひとつひとつの事実を拾い集めるのに負担がかなりかかる
・しかも、この件に関してはいつもながらの手(※)が使えない

※部下に仕事も責任も押し付ける、いつものやり方です。
 決定権者である人事部長、執行役員が自分で用意しないとならない。
 自分だけが経緯と対応の決定理由を知っているからです。
 私の上司のマネージャも同様です。

「証明の難しさ」
・無能を証明するのは困難
・協調性のなさを証明することも困難
・損害を与えたことも証明できない
・欠勤が問題になるわけですが、この欠勤は無断欠勤ではなく自傷病による欠勤
・会社は診断書の提出を求めていたが出さなかったと主張するかもしれない
・しかし、私は、診断書を出さないとは言っていない(根拠を質問中の状態)
・事実として自傷病は証明されている(10月に取得した診断書)

欠勤が、実は、最大の解雇ポイントなので、この点次第かもしれません。

しかし、180日欠勤とかなら確実かもしれませんが、40日というのも微妙です。
加えて、10月の時点で診断書をとってあるのと、私は診断書の提出を拒んだ事実はなく就業規則上の根拠を教えてくださいと主張しただけです。

この点を会社は、そして、相手方弁護士はどう考えてくるかですね。
相手方弁護士の事務所は外資系ぽいです。
親会社の使っている事務所を紹介してもらったのでしょうね。

外資だろうがここは日本ですから。
日本の法律にのっとって、会社のずさんな対応をどう主張してくるのか見ものです。
ちまたの話題ではプロ野球球団、巨人のオーナーが解任されたそうです。

巨人から解任理由 なるものが発表されました。

5項目あります。

1)正当な手続きを得ない独断の記者会見をした。
  この結果、業務遂行に支障がでた。また社会混乱を引き起こした。

2)読売新聞グループの名誉を毀損した。

3)特定業務(コーチ人事)の業務遂行を困難にした。

4)反省の態度がなく、会社に対して敵対的であり、業務を阻害している。

5)会社に対して不当な要求をした。

これらを見ると、会社が社員(※)をクビにする理由というのは共通しているようです。

※清武氏は取締役ですが、親会社会長の一声で地位を失う立場にいます。
  読売グループは非上場であり、会長の権力が強い為、身分が不安定です。
  そこであえて、今回、平社員である私の解雇と比べてみました。

■会社が社員をクビにする理由

クビにする理由は3つです。

・上司に逆らった

・社内の恥部を世間にさらした

・社内の人間関係が悪くなった

私の場合は

・上司の評価が悪くなった

・社内の人間関係が悪くなった

ですが、内部通報をしているので、社内の恥部を世間にさらした、にも該当するかもしれません。

■今回の解任を詳しく見る

上記の発表された理由1から5を整理して、何をしてはいけないかを整理すると次のようになります。

・内部情報の公開は禁止(上記1、2)
・社内の上下関係を乱すことの禁止(上記1、4、5)
・きっかけ(上記3)

天下の巨人と私の会社の思っていること、感じていることが似ているのは興味深い問題です。

巨人の発表を見て、識者がそれっぽいコメント(※)をしていましたが、「大人のコメント」がうまいからお金をもらって解説できるのだな、と感心しました。

※主に、次のような論点があがっていました。
・コンプライアンスへの誤解
・内部統制の問題
・組織人としての態度
・プロ野球の今後
・清武氏個人への中傷(保身、傲慢、ひどい行為など)

私のように巨人に利害関係が全くなく、プロ野球も興味がなく、読売グループ及び渡辺会長になんらつながりを感じない一市民から見れば、次の点を繰り返しているだけに見えます。

・社内の恥部を世間に公表した(上記1、2、4、5)
・上司に逆らった(上記1、4、5)

上記3は営業上のポーズであると思われます。

なぜかというと、渡辺会長の反論 をみると

・今回の会見について「会社法355条の忠実義務違反」
・コーチ人事や会見だけを問題にしているわけではない
・これまでの総合評価として清武氏はダメ取締役だった

と言っているからです。

渡辺会長がクビの決定をした。

しかし、清武氏の提訴(※)に備えて法的に整理する必要がある。

※会見で弁護士と同席した理由は、解任すれば訴訟も辞さないという意思表明であると、同席した弁護士がどこかのメディアでコメントしていました。
この弁護士は清武氏が読売記者時代からの30年来の付き合いだそうです。

今回、巨人はイメージダウンを避けられません。

そこで、世間のプロ野球ファンが関心を持つ「コーチ人事」をファン(※)向けに解任理由とした。

※つまり、客。

巨人の指摘は正しいのかもしれませんが、上記3のみが理由で解任されることはなかったことでしょう。

■結論
会社員として守るべき信条は3つあると言えます。

1.会社員は上司に逆らうな。

2.逆らうときは、クビを覚悟する。

3.クビを覚悟するときは法的に争う動機付けを持つ。

この3つを胸に、勤務すればよいかと思います。

清武氏の場合も「心は晴れ晴れ」 と言っているので、本人の気持ち次第です。

守るべき家族の為に忍耐するのも会社員。

自己の信条の為に利権を捨てて戦うのも会社員。

ということですね。

もっとも、私が平社員であり、生活上の困難を抱えるのに比べて、彼は取締役です。

裁判に勝てる見込みは低いという指摘もあります。

よっぽど個人的に我慢ならないことがあったのでしょう。

この辺りは人それぞれですが、こういう生き方もまたいいとは思います。

新聞記者として30年間過ごし、取締役として巨人の改革に数年間取り組んだ。

やることをやった後に、どうにも我慢ならないことを世間に告発して、身を引いた。

この人はやりきった気持ちでいっぱいなのではないでしょうか。