広告宣伝費の取り扱い

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1.広告宣伝費を支出したとき

 広告宣伝費の支出は、その内容により、全額が支出した事業年度の損金になるもの、前払い費用または繰延資産として翌事業年度以降に費用配分されるもの、減価償却資産として減価償却されるもの、または交際費として一部が損金不算入となるものなどに区分します。

(1)広告宣伝費として損金算入するもの

 一般消費者である不特定多数の者に対して広告宣伝的効果を意図して支出するカレンダー、手帳、扇子、うちわ、手ぬぐいその他これらに類する物品を贈与するために通常要する費用や次の費用などは広告宣伝費になります。

①製造業者または卸売業者が抽選により一般消費者に対し金品を交付するために要する費用または一般消費者を旅行、観劇等に招待するために要する費用

②製造業者または卸売業者が、金品引換券付販売に伴い、一般消費者に対し金品を交付するために要する費用

③製造業者または卸売業者が、一定の商品等を購入する一般消費者を旅行、観劇等に招待することをあらかじめ広告宣伝し、その購入したものを旅行、観劇等に招待する場合のその招待のために要する費用

④小売業者が商品の購入をしたいっぱんしょうひしゃにたいし、景品を交付するために要する費用

⑤一般の工場見学等に製品の試飲、試食をさせる費用(これらの者に対する通常の茶菓等の接待に要する費用を含む)

⑥得意先等に対する見本品、使用品の供与に通常要する費用

(2)繰延資産となるもの

 開業のための広告宣伝費および他人の物的施設を通じて行う広告宣伝費は繰延資産として、その効果の及ぶ期間に対応して償却します。

 例えば、自動車等に製品名等を記載し、あるいは陳列棚等に製品名、製造者名等を大きく表示した資産を特約名店等に贈与または低額譲渡することによる広告宣伝費です。

①開業時の広告宣伝費

 法人の設立後営業を開始するまでの間に開業準備のために支出した広告宣伝費は、繰延資産として任意償却します。

②広告用資産の贈与

 製品等の広告宣伝のように供する資産を贈与したことにより生ずる費用で、その支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものは繰延資産となり、その資産の耐用年数の70%の年数(最高5年)を償却期間として各期で償却を行います。

(3)固定資産となるもの

 ネオンサイン等の広告宣伝用減価償却資産の購入、建設費は直ちに損金に計上することはできません。その資産の取得に要した費用は、その資産の耐用年数に応じて徐々に償却して損金の額に振り替えます。

 

2.広告宣伝費等の計上時期

(1)毎年一定数量を消費する広告宣伝用印刷物

 告宣伝用印刷物や見本品などの消耗品の費用は、原則としてこれらの資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入し、に使用分は貯蔵品として資産に計上するのが原則ですが、各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ経常的に消費するものであれば、継続適用を要件として取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入することが認められます。

(2)テレビ・ラジオ・新聞広告等

 短期間の看板や広告塔などを設置するために建物の所有者に支払った前払費用は、支払った事業年度の損金に算入することが出来ますが、翌期以降に行われる新聞広告、テレビ広告等の宣伝費は、媒体する広告会社等への支払いのいかんにかかわらず、現実に広告が行われた日を含む事業年度に損金算入する必要がありますので、その費用を支払済みであっても現実に広告を行っていないときは、前払金に振り替えなければなりません。

 

3.広告宣伝用資産の受贈益

 販売業者等が製造業者等から資産を無償または低額で取得したときは、その経済的利益の額を益金とします。ただし、広告宣伝用の看板、ネオンサイン、どん帳のような広告宣伝用資産についてはその取得による経済的利益はないものとして受贈益を計上しません。また、自動車や陳列棚等の広告宣伝用資産に次ついては、その資産の取得価額の3分の2に相当する金額から販売業者等がその取得のために支出した金額を控除した金額とします。ただし、その金額(同一の製造業者等から2以上の資産を取得したときはその合計金額)が30万円以下であるときは、経常的利益の額はないものとします。