※編み物の話ではありません。

近所のアザミの写真をば。




ウチの地区の小さな神社の話です。


ウチはそこそこ田舎で、近くに神社があるのですが、名前が「天満社」といいます。


…どこにでもありそう。


天満社なので御祭神は菅原道真公です。

でもこんな田舎の、田んぼのキワ、川の横になぜいきなり学問の神様…? 昔の村人が教育熱心だったとか…いやいや、こんなただの村で。


無人のお社ですが、たまの例祭には近所の神社を面倒見ている神主さんが来てくれて、村の総代と細々と行事をしています。住民が集まるようなお祭りは一切なし。唯一お正月だけ。


その神主さんから父が聞いたところによると、実はこのお社は、この辺りにあったいくつかの村の、それぞれ祀っていた神様をある時合祀しているらしいです。

火事だか台風だかの災害で、それぞれの祠がこわれたりしたんだったか…うろ覚えですが、そんな事情だったような。

なので、よく見ると菅原道真公以外に神様の名前が書かれてあるとのこと… 私が気がついていないだけでした。


神社庁の管轄に入れてもらうために、村で祀っていた神様を、菅原道真公と一緒に祀って天満社とするのはよくあることなんだとか…。


てなわけで、結局何の神様が祀ってあるのか見てきましたところ


・菅原道真の神

・高龗神(たかおかみのかみ)

・大歳神(おおどしのかみ)

・天乃水分神(あめのみくまりのかみ)


の4柱でした。


さて、ここの地区は、今でこそ良い水路が引かれて農作物も上手に育てられますが、人々が山の斜面に暮らしているような地形ですので、昔は谷川から田んぼを潤すだけの大量の水を引くこともできず大変苦労をしたのだとか。

それを憂いた昔の庄屋の息子さんが、素晴らしく奮闘し、遠くて高い位置にある水源から水を引いてくる水路を作ったということで、今も語り継がれる伝説の英雄になっています…。


そんな土地であるので、…お社のそばの川から「天乃水分神」が祀ってあるのはまあ当然のこととしても、…雨の神様である「高龗神」がここらの集落で祀っていた本命の神様なんじゃないかな?なんて思うのです。

ちなみに大歳神は、Wikipediaさんによると「今年の豊作を願う穀物神」的な面があるらしいです。


ありきたりな名前の天満社ですが、4柱の御祭神メンバーには昔の人の願いが詰まっているように思えてきますね。