
都内23区内に住むわが憂国輪游
同志会の仲間の自宅庭に咲く花。
ネジバナ。ラン科の植物だ。
都市部の公園などでもみられる
が、日本では江戸期からモジズ
リという名で広く日本人に親し
まれた山野草でもある。
だが、継続栽培は非常に難しい
種でもあり、開花したら枯れて
しまうのが殆どで、同一個体の
人為的長期育成は極めて困難で
あるとされている種だ。
サクラと共に花の命が短く、と
ても儚い花の草でもある。
短命ながら、その咲く姿は健気
で愛らしい。
花言葉は「思慕」。万葉集の恋
の歌にも「根都古草(ねつこく
さ)」として詠まれた草の花が
ネジバナだった。
「芝付の 御宇良崎なる 根都古草
逢ひ見ずあらば 吾恋ひめやも」
(巻14・3412番 東歌)
<現代語訳>
「芝付の御宇良崎(みうらさき)に
生える根都古草のように、もし
あなたに逢うことがなかったな
らば、私がこんなに恋焦がれる
ことなどなかったでしょう」
関東の古語方言では「ねっこ」
とは「そば」の意味もある。
ずっとおそばにいたいのに、と
いう古人の恋慕を詠った歌だ。
日本人の精神風土は古来万葉の
頃から人と自然を愛する情感を
大切にする情操に培われていた。
それが日本人だった。歌詠み人
はみな詩人だった。
そして、日本人の心をいにしえ
の時代から日本人は詠っていた。
庭に自然にネジバナが咲いてく
れるというのは、なんとも静か
なる日本の雅を感じさせる。
日本のこころ。今、いずこや。
ネジバナ(wiki)