名作。

桃井かおりの毒婦ぶりも見事な
演技だが、冷徹な岩下志麻の弁
護士ぶりも恐ろしい程の演技。
日本アカデミー賞受賞作品。
保険金殺人事件かあるいは事故
か。
マスコミによって保険金殺人事
件の犯人であると仕立て上げら

れた球磨子(桃井かおり)の弁護
人は裁判途中で辞任してしまっ
た。
次に被告人の国選弁護人に選任
されたのが女性敏腕弁護士の佐
原律子(岩下志麻)だった。
果たして、事件の真相は。
そして、裁判の結果は。
この映画は「人の心の悪」を描
いた松本清張原作の物語だ。
1982年2月に「オール讀物」に
掲載され、9月に映画が公開さ
れている。
私は掲載時に読んだが、かなり
考えさせられる作品だった。
ある意味、『砂の器』(1960)より
もおどろおどろしくも生生しい
「現代的な」暗闇がえぐり出さ
れていた小説だった。
映画作品も公開時に観たが、秀
作だった。監督はクロサワから
「日本一の助監督」といわれた
野村芳太郎。
映画作品のほうが原作とは描写
と描き手主体の視点が異なるが、
秀逸な映画作品に仕上がってい
る。
日本アカデミー賞9部門受賞総
なめの傑作。

41才の岩下志麻さんがとにかく
綺麗。
彼女は法律事務所に通って弁護
士の仕事ぶりを弁護士に同席、
同行で見学させてもらい演技に
採り入れた。また、本当の裁判
も何度か傍聴し、作品演技の参
考にした。そうした役作りをす
る俳優は最近は少ない。彼女は
プロである。