
1980年代物。
日本の石川刃物の製品。
やや緩いハマグリ刃のグライ
ンドのナイフだ。
この後、ホロー神話が席巻し、
日本のナイフは軒並み肉えぐ
りのホローグラインドになっ
てしまった。
最近は逆傾向が見られる。
ホローは廃れ、にわかキャン
プブームにより頑丈なナイフ
が人気が出て、フルタング+
ハマグリ刃=コンベックスグ
ラインドが人気高だ。
ユーザーは猫も杓子もハマグ
リ刃ハマグリ刃を唱えている。
超初心者までもが。チゼルや
セーバー(新語スカンジ含む)
やフラットの効能などは丸無
視して。
ナイフで薪割がキャンプの定
番と勘違いした多くの人たち
によって。
流行り廃りを基準にナイフの
形状が決められる製造スタン
スが主流を占める現代。
80年代後半からそうなってし
まったのが斯界の現実なのだ
が、理由は一過性のブームだ
ろうと何だろうと人気が高い
物が「売れる」からだ。
何とも浅い。
このオールドナイフ、細部ま
でもがとても真面目な作りで、
非常に好感が持てる。
まだ、日本のメーカー全般に
流行等には流されない地に足
の着いたモノヅクリをする心
のあった頃の製品だ。多くの
日本メーカーには製品に良心
が見られた。
ナイフは製品そのものにこそ
メーカーの全てが凝縮されて
いる。製作者の心根もスタン
スも。
このナイフ、ハンドル材は今
は既存在庫以外では新規に流
通が不能な紫檀だろう。
