キャンピングナイフをいくつか
テスト。★は5点満点。

プーコ/カウハバンプーコパヤ
Mout Visa/Laurin Metalli 80CrV2
炭素鋼/フィンランド製


・工作切れ味・・・★★★★★
・フェザー作・・・★★★★★
・切り味・・・豆腐を切るが如し

プーコJ-PペルトネンM95
80CrV2炭素鋼/フィンランド製


・工作切れ味・・・★★★★★
・フェザー作・・・★★★★★
・切り味・・・大根を切るが如し

ファルクニーベンF1
武生VG-10ラミネート/スウェー
デン(製造日本/服部刃物製)


・工作切れ味・・・★★★★★
・フェザー作・・・★★★★
・切り味・・・チーズを切るが如し

BPSブッシュクラフト
1066炭素鋼/スカンジグラインド/
ウクライナ製


・工作切れ味・・・★★★★
・フェザー作・・・★★★★
・切り味・・・ニンジンを切るが如し

ブッシュクラフト.Inc
スカンジ・コンベックス/
愛知製鋼AUS-10/日本(中国製)


・工作切れ味・・・★★★★
・フェザー作・・・★★★
・切り味・・・ジャガイモを切るが如し

ブローニング スタッグドレザー
ハンティング
鋼材不明SUS/アメリカ(中国製)


・工作切れ味・・・★★
・フェザー作・・・★
・切り味・・・ゴボウを切るが如し

切れ味の良いナイフがフェザ
ー作りに適しているかという
とそんな事はない。
刃先からブレード平地にかけ
てのグラインド=ブレード断
面の形状と刃先の断面の兼ね
合いがフェザースティック作
りには大きく作用する。
フェザー作りの時の切れ味と
工作時の切れ味は異なる。
別動作になるので当然切れ味
も別物として現出する。
また、切り味についてはフェ
ザーでの一定方向切りよりも
スライス操作や90度当てでは
ない刃波の斜め角度での押し
や円運動切り等をしないと掴
めない。
さらには日本刀でいうフクラ
部分のベリーの刃の厚みや形
状によってもフクラ部分の切
れ味と切り味も異なる。

テストの結果、工作加工切り
もフェザー作りも圧倒的に良
結果を示したのはフィンラン
ドの炭素鋼ナイフだった。
炭素鋼とステンレスを比べる
のは2ストマシンと4スト車を
比べるようなもので単純比較
はできないのだが、フィンラ
ンドの炭素鋼ナイフの「切る
事」についての良好さは頭抜
けていた。
次にスウェーデンのサバイバ
ルナイフであるファルクニー
ベンF1(日本の服部刃物製)が
切り味においては最良のタッ
チだった。ヌーッと粘るよう
に切れる。これはコントロー
ルがしやすい。
フィンランドナイフはよく切
れるのだが、切れすぎて、か
えってコントロールがセンシ
ティブになる。まるで2スト
レーサーのスロットルレスポ
ンスような感じ。極上に切れ
過ぎるのも考え物だ。
たとえばチーズを切るのには
任意の場所でコンマミリ単位
で止められるが、切れすぎる
刃物で豆腐をコンマミリ単位
のところでブレードを止める
事は難しいだろう。そんな感
じ。
ただし、フィンランドナイフ
=プーコの切れ味は極上、切
り味はスーッと無抵抗で刃先
がどんどん入って行く感じ。

意外だったのが、ブッシュク
ラフト.Incの相馬ナイフがフ
ェザーが案外作りにくかった
事だ。同じコンベックスの刃
先のファルクニーベンF1と比
べても制御性においてF1に軍
配が上がるのが客観的なとこ
ろだ。これはVG-10とAUS-10
の違いなのか、あるいは微細
な刃先から数ミリ奥までのブ
レード断面形状の違いからく
るのかは判別が難しい。
単純にフェザーを作りやすか
ったのはF1のほうだった。
フィンランドのプーコは2本
とももう別格。比較の対象に
ならないくらいに頭抜けてい
る。なお、ペルトネンのほう
は鋼材打ち抜き削り出し熱処
理物だろう。
民間用カウハバンプーコパヤ
Mout Visaのほうも廉価版削り
出しラインだろう。
だが、無茶苦茶切れる。
やはり炭素鋼ナイフでスカン
ジグラインドのナイフが突き
抜けて優秀であるのが判る。

ブッシュクラフト.Incについ
ては、切れ味はさほど良くは
ない。
だが、ブレードデザインやシ
ースなどの造り込みが行き届
いていて、設計度の高さが判
る。
しかし、出荷箱出し段階では
トルクススクリューがハンド
ルとシース両方とも緩んでい
る箇所が何ヶ所もあった。
附属のレンチ2本を使ってユ
ーザー自身が増し締めする必
要があるだろう。
私はすべてのネジを締め込ん
だ。かなり緩んでいる場所も
あったので、この点だけは購
入者は要注意だ。自分のバイ
クを乗る前に点検するように
細かい配慮が使用者に求めら
れる。
総合的にはとても良いナイフ
だ。
刃付けを変更して研ぎ上げた
ら切れ味や切り味も大化けし
そうな気もするが、しばらく
はエッヂアングルは変更せず
に使用して様子を見る事にし
た。



なお、テストに使用した薪は
薪にしてから5年乾燥させた
カチカチに硬い広葉樹の薪だ。
本来のブッシュクラフトのフ
ェザースティックはカラカラ
に乾燥してシーズニングされ
た薪で行うのではなく、森の
そこらの立ち木を切って生木
でフェザーを作るのが基本だ。
また、試したブローニングは
ハンティングナイフなので木
を切る為の物ではない。肉を
切れば別な力を見せるだろう。

特化された刃物は切る対象物
によって得手不得手がある。
柳刃包丁でキャベツの千切り
は柳刃本来の能力を発揮しな
いように。