健康雑誌などでよい歯医医院の条件に「歯みがきの指導をしてくれる」という項目がしばしばあげられています。
しかし、ただ、やみくもに「歯を磨け!」「頑張れ!」と繰り返して、誰にでも同じ内容の歯みがき指導をしている歯科医院も少なくありません。
そもそも、40才代くらいの年齢になれば、歯の本数も状態もその人その人によってまちまちです。それを同じように十把一からげにして、何とかの一つ覚えのようにブラッシング指導をすればよいというのは間違いです。
とりわけ、困ったものだと思うのは歯を強く磨きすぎると、歯に接している肉・・・歯肉(シニク、又はハジシ)・・・を痛めてしまうことです。歯肉を強く磨きすぎることによって歯肉の位置がどんどん下がって、歯の生え際が出てきます。そして、露出した歯の生え際は、もともと肉に覆われているべき部分であったので、更なるブラッシングによって歯がちびる、冷たい飲食物に歯がしみるなどの弊害が出てきます。
そして、1度下がってしまった歯肉を元に戻すことは特殊な手術をする場合を除いて不可能です。
このような状態になるなら、歯磨きなんかいいかげんにやっておいて、いつも歯や歯肉が汚れていて、歯肉が多少の炎症を起こしている方がましだともいえます。
Sのような状態の場合には、正しい歯のみがき方さえ身に着ければ、状態は短時間に改善されるからです。
なかなか難しいとは思いますが、歯科医や衛生士の言葉もとりあえず疑ってみることが必要です。