僕はミュージシャンという仕事で生きています。

 

それは紛れもなく僕の楽曲や演奏に価値を見出してお金を払ってくれる人たちが存在するからに他なりません。

 

もちろんそれだけでなく音楽に纏わるレコード会社やプロモーター、メディア全般、楽器メーカーそして何よりそれを皆さんにお届けする販売店やコンサートホール、ライブハウスの方々など様々な繋がりで支え合って出来ており、今皆大変な時期ですが自分なりに出来る協力はしたいと思います。

 

しかしコロナによってそういう関係が上手く立ち行かなくなった時、何がやれるかは自分自身に掛かっていると思います。

 

政府が無能だとか文句を言うのは誰にでも出来ますが、そもそもそんなに信用していたのでしょうか?・・僕はまぁそんな当てにはしていませんでしたし、平和だからこそこうして何もしなくても何となく過ごせるのは分かっていました。

 

もちろん有事の際はきっとまた同じことを繰り返すだろうという事もある程度覚悟してきました。

 

僕が仕事にしている音楽はもちろんヒットしてナンボっていう考え方があります・・一番重要ともされているかもしれません。

 

ただそれが一番かどうかは人によって違っていいと思います。

 

僕が売れなくても食える音楽という事をメルマガで書いたのは一番拘っている部分が真に自分自身が求めているモノに対する質の高さです。

それはヒットする事とは僕の中ではかなり乖離しています。

 

僕が生まれた時から日本の音楽が大好きで僕もああなりたい!って思ってたら違っていたかもしれませんが、全くそんな事もなく悩みが募る日々を過ごし渡米したのですが、結局は自分の国で活動せざるを得なくなった時に、改めて覚悟したのが今の音楽スタイルです。

 

まぁそんな大げさに考える必要もなかったんですがね・・日本は豊かで平和な国ですから。余程無理な事をしなければ何となく過ごせることは分かっていました。

 

だからこそ音楽には自分の究極までの理想の完成に拘る事も出来たかもしれないので祖国が豊かで安心に暮らせることに感謝しています。

 

僕にとってヒットするという事は「大衆に迎合する」という意味なのでどうしようもないというか、自分らしくありたいが為に音楽という一般ではない職業を選んだのにそこで大衆に受け入れられるように努力する事など考えもつきませんでした。

 

というわけで「スターになるには毒を飲む」とか「魂を売って買い戻す」という事がいわれるのですが、まぁ無理だろうなってことで今このように気楽に過ごしさせて貰ってます。

 

ヒットしていなくて一番苦労するのは「有名でない事」ぐらいなので、僕は別に有名じゃなくてもどんな場所で演奏しても大抵の人がみれば「普通じゃない」という事で興味を持ってくださるし、初めて見た人でもインパクトは大きい方です。

 

それに大衆に迎合したくないという割には演歌でも何でも唄えるので結局一番守りたいものは「目には見えないモノ」なのかもしれません。

 

昨日のライブ配信でも「ライバルはいますか?」という質問があったのですが、ギターを始めた頃は当然憧れた人になりたい一心でしたが、曲を作り始めてからは芸術とは自己との闘いでしかなくよそ見をしている場合ではないという事を思い知ったので、ライバルなどという比較対象はおりません。

 

成長期においてライバルは必要ですが、男50年生きてきて今一番必要なのは自分自身としっかり向き合ってどのような作品を残していけるかという時間であり、誰しも訪れる死ぬまでの時間を精一杯その事に費やさないと後悔すると思っているので、どうかその辺りもご理解ください。

 

まぁ今でこそあまりないですが、昔から一番面白いのは僕の事を知らない有名人が僕が演奏した途端にビックリして動揺しているさまを見る事でした・・意地の悪い話ですがビビるなら最初からオモクソ頑張っとけよって感じです(笑)

 

とにかく死ぬまでに自分が本当にやりたい事を出来る限りやるというのが一番の目的なので、世間の物差しで比べられても分かって盛らないのも承知の上で楽しく過ごして、良い作品、良い演奏を続ける事で皆さんにも楽しんで頂こうと思います👍

Kelly SIMONZ