今回改めて数年前からの日々のSNSにアップしている2分20秒動画(ツイッターの再生可能時間)を見返すとやっぱり多いのがこの曲・・
14歳の時からギターを始めてラウドネスがようやく結構弾けてきた!という時に学校でも話題になりつつあったところに、
「しまっさんこれ弾けんやろ!」
とS君が聴かせてくれたのがこの曲でした。
今まで慣れ親しんできた歪んだギターの音とはかなり違って「ポロポロ(ピロピロではない)」というとても繊細な透き通った音は、最初道やって弾いているのか全く分からない衝撃で、ちょっと弾けていた自分の心が折れる・・どころが火が付きました(笑)
よく聞かれるのは「挫折した事がありますか?」というもの。
いつも言ってますが僕は挫折するような事は最初からやらないのです(笑)
合理主義というか明確な根拠や論理に基づかないと(ある意味科学的)不確かな成功を目指してやるほどアホな事はないと思っているタイプの人間です。
なので「やればできる」というよりは出来る方法を追求するという感じですかね・・
音楽学校で教えている時も「やればできる」などという無責任な言葉は使わず、その人それぞれに見合った解決方法を同じ目線になって考えるというのが僕のレッスンスタイルでした。
あるいみ「憑依法」とでもいいましょうか(笑)
というわけで、イングヴェイは最初一瞬不可能と思いましたがやっぱり「この人が出来るんだから何か方法があるはず」と冷静になり、そこから歴史を辿りだして見つけたのが「メタリックライブ」というアルカトラスのライブビデオでした・・
それをレンタルビデオショップに新品でハイクオリティのVHSテープを持っていき「コピー」してもらうのですが、今考えるとアナログという劣化するメディアだから成り立ったわけですね(笑)
そこからは何度も何度も同じ場所をみては真似して真似の極みまで行きつくところは本人になるぐらいの気持ちで演奏していました。
ただビデオを見ていて一番似てないのが顔と反らない親指だったので、風呂の中では常に鼻を引っ張り上げつつ、親指をそらせようと努力しましたが、結果的には虚しいものとなりました💦
という感じで僕はイングヴェイの歴史を「音」で勉強してきました・・
彼はメディアでは生意気で偉そうな人みたいなイメージにされていて性格もあまりよくないなどといわれがちですがハッキリ言って僕はあれだけ弾ければそのぐらいになっておかしくないと思ってました。
なんでわざわざクソ丁寧に腰低くしてみなさんのお陰ですみたいな態度でギターを鬼のように弾かねばならないのだろう?と子供ながらに思ってましたが、やっぱり大人共は単なる彼の才能に若干嫉妬と羨望があり、少しでも横柄な態度を取ろうものなら今のゴシップメディアの様にすぐに悪意を持って取り上げていたのだろうと考えています。
とはいえ僕は別にイングヴェイと仲良しになりたい!というよりも彼の残してきた作品に刻まれた音の研究に興味があるだけで、かれのようなチリチリパーマやロレックス、フェラーリなどに強いあこがれはありません・・そもそも見た目はあまり似てませんしね(笑)、そのぐらい自覚がありますのでご心配なく。
なにより音楽は「作品」に残された事実が重要であって、僕はファンとしてはアップデイトなイングヴェイも好きですがどちらかというとより研究家志向(思考)なので、歴史に残されたその時の音をどれだけ再現できるかって事に重きを置いています。
その結果今回のようにほぼ毎日ひいては聞き比べているのですが、何より一番の問題はアナログレコーディングとの差です。
これはもう戻る事も出来ませんし(なんせ世の中の通信全てがデジタルですから)実際当時のイングヴェイのレコーディング時のギターの音とレコードに刻まれている音は全然違うと思います。
それにおそらくシュアの57というマイクで収録されていると思うのですが、アナログテープに記録されている57の音とデジタルレコーディングでは全く違うのです・・なのでわざと高域をカットしたりなどしても結局その当時の音像は再現できないでしょう。
最近になってリマスターされたアルカトラスのライブを聴いてよりそれが明確になりました。
マニアとしてはたまりませんが(もちろん買いました(笑))、やっぱりデジタルリマスターされると今の時代の音になるんだなという感じです。
輪郭がはっきりしてクリアになり音の分離も素晴らしいですが、その分アナログ時代の一つの塊のようなサウンドではなくプレイのラフな部分もモロに出ているという感じです・・レコード屋テープで聴いていた時はその部分が綺麗になめされていてより耳障りは良かったと思います。
でもこれで安心したというかやっぱりこういう音だよね!という感じでした、当時ライブを見に行ったイングヴェイの音はレコードとはちがった物凄いハイキーでトレブリーだったので「なんじゃこれ!」と理解できなかったのですが、自分がレコーディングするようになってからそのハイキーな周波数帯域が見事にマイクが拾える周波数帯域(特にシュアは中音域をしっかり拾う)に集約されてあのようなマイルドな感じのトーンになるのだなと思ってました。
というわけで、僕がその時々の音だけを信じる理由としては自分自身が一番わかってるんですが、本人ですら記憶というものは曖昧なのです。
特に様々な環境で様々な方法をとってレコーディングしてきた人間にとってはより曖昧になります。インタビューでも毎回話が変わったりしますし結局信じられるのはその当時のその瞬間に残されている「音」だけになるんです。
なのでその音でプレイしている時彼はどのような景色を見て演奏していたのだろう・・といった非常に抽象的な事だけをイメージしながら音をトレースする、というのが僕のスタイルになります。
まぁ分かってもらえなくても仕方ないですし、皆が分かっていたらそりゃ僕の同世代は皆イングヴェイの様に弾けていたはずですからね。
その様な現実とは程遠く、僕はブルースのペンタトニックスケールの様に皆が当たり前にハーモニックマイナースケールで駆け上がり下がりするとおもってたら、今だパクリのような扱いを受けるのはもはやお笑いとして受け止めておりますし、だからといってそんなに弾ける人もいないしやれるんだからやるしかないと思ってます。
イングヴェイはロックギタープレイヤーの中では最も分かりやすい「ハイテクで速弾きが得意な人」であることはここ数十年トップに君臨し続けているので、自分の作品をプロモーションするためのマーケティング方法としても非常に有効利用できるコンテンツでもあるのです。
というわけでただ好きなだけで36年もやれるはずもなく、しっかりとした研究とその裏付けに基づく結果としてこれからも彼の曲をしっかり弾く事、さらに自分自身の楽曲に磨きをかける事で素晴らしいスタイルを少しでも受け継いでいきたいと考えているのです。
KellySIMONZ
