エレキギターの歴史は約1930年頃から始まったようですが、やはりエレキブームは195~60年代からなのでまだまだ歴史は浅いのです。

 

そんな中、カーペンターズが楽曲にエレキギターでソロを入れただけで物議を醸しだす時代もありました・・それだけエレキギターの歪んだ音は「美しくない」というイメージだったのでしょう。

僕が最も衝撃を受けたイングヴェイは歪んだ音とは思えない程美しく繊細なトーンを聞かせてくれました。

クラシック音楽を取り入れたロックミュージシャンは沢山いますが、彼はまさしくテクニックによるトーンコントロールで「クラシック」を表現できた数少ない一人であり先駆者です。

僕は彼の影響を受け、よりエレキギターのトーンをクラシック音楽に調和できるよう色々と技術面を磨き上げ、オーケストラと一体化出来るような倍音やピッチのコントロール、そしてもっとも問題であるノイズのコントロールを徹底的に訓練してきました。

エレキギターはアンプで音量が決まっているためダイナミクスをつけるのは非常に難しいのですが、それを手元のタッチコントロールで最大限まで聴き手に伝わるよう演奏するのです。

 

しかしクラシック音楽をエレキギターでプレイするという事はすべてがその先駆者である「イングヴェイ」に直結し、オリジナリティを問われることになります・・ロックやポップスというジャンルは得てして技術やそういった音楽面よりもオリジナリティという曖昧な言葉で濁されることが多く、僕も20年間その事には悩まされてきましたし、未だなお風潮は変わっていません。

 

ただ僕がやりたいことを優先しなければ、僕自身がこの世に存在する意味がないといえるほど音楽に人生を賭けてきているのでもはや後戻りも出来ず、音楽活動20年を迎えた今年さらにその欲求を爆発し突き進むことを決めたのです。

 

レボリューショナルネオクラシカルハードロックと銘打って1998年に自主製作したアルバムは日本のネオクラシカルハードロックの新しい可能性を打ち出した作品になりました。

そしてメジャーデビューした1999年、さらに進化をみせるべくヴァラエティ豊かな内容に仕上げた作品も僕のリリースしたアルバムの中では最もヒットした作品です。

そしてすでに廃盤となっていますが、僕のライブでは欠かせない『Now Your Turn』を収録し、ヨーロッパツアーを敢行した思い出深い『王道』ザ・ルール・オブ・ライト。

少し間をおいて2枚だけのベストという事でリリースするにもどうかと思い、こだわりのインスト2曲を配した事でとても重要な作品となったベストアルバム。

2014年、バンドとしてメジャーデビューを果たす事になったこのアルバムは12年ぶりという事でYama-Bをゲストに迎えよりバンドサウンドを強調した今までにないものとなりました。

翌年、立て続けにリリースしたアルバムもよりバンドサウンドを強調し、Yama-Bもすでにメンバーのように溶け込む形で順調にライブなども行うことが出来ました。

一年開けて2017年、予想外の体調不良に見舞われながらプロとしての意地をみせ?約一か月で全ての作曲、アレンジ、レコーディング、ミックスと病み上がりの体で終わらせた思い出深い作品はまさに破滅への序曲でした(笑)

というわけで結局の所僕はどこまでいってもネオクラシカルでしかなく、ブルースやファンク、R&Bなどを唄うのも得意ですがやはりギターに関してはクラシック音楽をエレクトリックギターで表現する事に魅了されつづけているのです。

 

それはなぜか?と言われたらすぐに返答出来ます。

 

エレキギターの基本は「ブルース」です、なのでブルースは当然弾けるようにするべきですが(これまた細かい事を言うとキリがないので割愛)、逆に言えばそれだけ一般的であるといえるわけでこれからの時代そもそも楽器を演奏するという事が娯楽の一つである限り、プロとして生き残っていくためにはやはり普通ではない特殊技能や強力な個性が必要になってくると思います。

 

僕のギタープレイは当然イングヴェイの影響を大きく受けています、だからといって「イングヴェイがやっているから意味がない」という人よりも「ケリーさんがネオクラシカルを続けてくれることが嬉しい」という人を一人でも増やせばいいだけの事なんです。というかすでに多いからこそ20年間も続けている訳で、当たり前の事ですが意味がないなどという人はそんなにいるわけではありません(笑)。

 

世の中に意味がないことなんかないと思います、すべてに何らかの存在意義や意味があり、それをどうとらえるかは人それぞれで良いのではないかと思います。

 

僕はクラシカルな音楽をエレキギターで奏でる事に30年以上の時間を費やしてきました・・だからこそ自信もあり年を追うごとにその悩みは消えてきたのです。

 

もうやるしかない、というレベルからさらに進化し当然の如く僕の使命として突き進んでいこうと思っています。

 

日本という独特な音楽業界や芸能社会がある世界では非常に難しいのですが、それでもなんとかなるだろうという軽い気持ちでやれるのもあらゆることが出来た上であえて「ネオクラシカルをする」即ちネオクラシカのです(笑)

 

ただ問題があるとすれば生のオーケストラとエレキギターをリズム楽器なしでアンサンブルするのは至難の業です・・

 

イングヴェイも結局あれからやっていません・・というかめっちゃ難しいのです。

 

イングヴェイ以外の多くのプレイヤーは基本リズム楽器であるドラムを入れる事が多いです、ドラムという楽器の素晴らしいところはエレキギターの余分なノイズや倍音を打ち消してくれるというエレキギターとドラムは切っても切れない縁なのです(笑)

 

それをなくして演奏するという事は聴覚や指先一つ一つ弦に触れるの神経を極限まで研ぎ澄ませて演奏するという事になります。

 

そこまでなんで追い詰めるの?といわれたらそれが楽しいからとしか言えません。

 

そんなわけで今年僕は必ずやエレクトリックギターの本当の美しい音色というものを一人でも多くの人に聴いて貰えるようさらなる練習に励みたいと思います✨

2019/1/2 KellySIMONZ