クラシックをエレクトリックギターで演奏するという試みは多くの人が行ってきたけど、意外に続かないというかイベントの一つ程度で終わる事が多い。

クラシックは覚えれば弾けるとかもっと自由に弾きたいという人たちも少なくないが、作曲家にとって自分が魂込めて作った曲を死後何年も受け継がれて演奏されるなんてどれほど素晴らしいことだろう・・そしてオレのようにその当時なかった楽器で新しい解釈を加えられるなど考えてもなかったのではないか・・

というのが一般論だろうけど、オレはきっと彼らには先が見えていたというか先の世界から過去に戻ったのかはもちろん今の世の中ではありえない話になるけど、そもそも人間が時間軸をもとに生きているだけであって、ありえない話ではない。でなければ何百年も前にあれほど優れた音楽を残せるはずがないと思う。

その場で演奏するいわゆるインプロヴィゼイジョンはもちろん素晴らしいことだけど、何百年も前から存在するメロディを自分の解釈を取り入れながらも原曲の魅力を引き出すという戦いは時としてインプロを越える壮絶な力を持ってると信じてる。

エレックトリッククラシックギターの世界はまだまだ開拓できる余地が沢山ある。ただそこに必要なのは高度な技術よりも楽器を歌わせる技術と精神性こそ最も重要なのだ。

小さなライブハウスでカラオケをバックに演奏してる映像でしかないけど、オレの中では常にバックにオケが存在していて世界有数のコンサートホールがイメージされているので準備は何時でもOKなのだ(笑)

やはりその場の閃きで素晴らしい演奏をするのもいいけど、幾千年にも渡って受け継がれるメロディを創り上げるという壮大なファンタジーは考えるだけでもワクワクするものである。