ギター弾きなら誰もが憧れる
「自分のシグネイチュアギター」
そう、カスタムモデルである。
オレの好きな人達は皆実力があって自分のモデルをプレイしていた。
そこに大きな憧れと夢も持った。
でも大人になって気づいた。
世の中はビジネスであると・・
オレが思っていた実力というのとまた別の大きな要素が必要だった。
「誰もが知りうる存在」
である事。
残念ながらオレの事なんて知ってる人は殆どいないのが現実。
今でもそう・・もちろんインターネットのお陰で広まっては来た。
でも一般的には全く知名度はないと思う、あったらもっと売れてるだろうし(苦笑)
そういうチャンスまで棒に振って自分の拘りを貫いた事には悔いはない。
数年前某メーカーの方と話した時ギターの売り上げも正直厳しいと聞いた。
まぁ世の中がこれだから当たり前の話だけど・・
そこで「ケリーさん去年一番売れたギターは何かわかりますか?」
ときかれた時、まぁストラトかレスポールですかね?と答えると
「赤のテレキャスなんですよ・・YUIが使ってたんでね」
という答えに全てが隠されているわけです(笑)
世の中資本主義ですからションベン臭い話など必要ないと言う事。
でもオレはそのションベン臭い話を人生の糧としているので全く気になりません。
そんなオレが少しずつ自分のやりたい事、貫き通してきた事を理解してくれて
バックアップしてきてくれたこのカスタムギターたち・・
ファーストアルバムをリリースした時自分のフェンダーカスタムストラトをメンテに出しに行った先が大阪ミナミの小さな楽器店だった・・そこにはインパクトのあるトーンでまくし立てる店長さんがいた・・それがPGMを販売している有原さんだ。
「貴方の腕でこのギターでは持ったないなさ過ぎる」
というのが開口一番のセリフだったので正直自分のギターをボロカスに言われてムカついたのを覚えてる(笑)・・しかし店にあったギターを一本軽く触っただけで同じギターとは思えないほど部屋中に鳴り響いたのだ。
そこで、一気に心を奪われ綿密に相談し出来たのがPGMブルーカスタム 、サイレントスクリームやルールオブライトは殆どこのギターで録音されている・・ストラトとは思えないほどのソリッドでファットなサウンドに仕上がった自慢の一本。
2003年にMIジャパンに特別講師として就任した際に仕事ぶりが評価されて完成したのが、ESPカスタムストラト。これに関してはGCA大阪校の校長が自ら材を選び組んでもらったのでそん所そこいらのモノとは訳が違いますからお見知りおきの程宜しくお願いします(笑)
全く同じ材質でカラーとアッセンブリの色だけ変えてあります。オーダーすれば50万はくだらないと思います・・
そして数年前から大田カツさんに進められていて遂に完成したのがルネサンスK シリーズです。
どうしてもオレのファンにはストラトを弾くケリーのファンが多いので、賛否もあるでしょうがやはりプロとしてやっていく限りはイメージが大切だとオレは思っています。
ただのギター好きならば何も考える事なくフェンダーのストラトで十分なんですが、リッチーからイングヴェイという流れで既に世の中はもう変えれらないほどの認識があるなかで、それは愚かな事だと思っているのです。
オレはそういう部分は誰よりも自分らしくやりたいと思っている方なのです。
とにかくこのご時勢で44万もするギターを購入してくれる人が居るという事実は、大変オレに勇気を与えてくれます。
ずっとまだこれからも人生遠回りするかもしれませんが、自分自身納得いく行き方をしたいので仕方在りません。
応援してくれている人にも申し訳ないとは思いますが、着実に色々と近づいてきている手応えがあります。
実力でねじ伏せるのには時間がかかります・・でもそれが自分の生き方だと思っています。
まだルネサンスシリーズをストラトほど弾きこなせてないのが現実なので、これからもっともっと使ってさらに自分にしか出せない音の新境地を開拓していきたいと思います。
諦めずに努力した人間には絶対に神が味方してくれていると信じています。
少しでも多くの人がそう信じて頑張れるような世の中にればと願っています。
オレはケリーサイモンと言う日本人です、名前など正直どうでもいいのです。
両親は立派な土佐の育ちです・・その事を一番誇りに思っています。
だからこそ少しでも日本の音楽レベルを底上げしたいと思っています、だからこそそういった若者達にも出来るだけ御手本になるようこれからも頑張っていきたいと思います。