2026年4月の読書記録 その1 | ゆるゆるな毎日

ゆるゆるな毎日

水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

4月はなんだか忙しく、細切れ時間をあまり上手に活用できなかったこともあり、

 

映画も観られませんでしたが、読書も進みませんでした。

 

読みたいと買ったままの積本が特に捗らず、

 

図書館の予約本の順番が来たものから読み進めるという、

 

なんとも気ぜわしい読書でした。

 

絵本や漫画も含めて、読了は20冊。

 

それでも良書にも出会え、収穫の多い月でした。

 

 

「神様」のいる家で育ちました ~宗教2世な私たち~ 菊池真理子

 宗教2世の著者の生い立ちや経験のほか、6人の体験を綴ったエッセイコミック。

 

それぞれの宗教名は書いてありませんが、4話のプロテスタント系の一派以外は、

 

独特な用語や教義などから、エホバの証人、真光、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)、

 

幸福の科学、真如苑、創価学会の宗教2世のお話と分かります。

 

薬を使わせてもらえなかったり、学校の行事に参加させてもらえなかったりと、

 

親の信仰の弊害を受けて育ったお話が多いので、読むだけでキツいです。

 

そして今現在も、同じ思いをしているお子さんがかもしれないと思うと、胸が痛くなります。

 

自分で選んだ信仰だったら納得できるでしょうが、

 

親が信仰している宗教に巻き込まれるのでは、子供は逃げ道がなく気の毒です。

 

子供も同じ宗教を信仰しているのならば良いですが、

 

そうでないケースも多いのではないでしょうか。

 

ちなみに、この作品は当初、集英社で連載されていたそうですが、

 

5話が掲載された時、幸福の科学から抗議が入ったそうです。

 

やはり、描かれてはまずいことがあるのでしょうね。

 

集英社側は、その抗議を受けて、

 

毒親や学校や社会で差別された話にできないかと打診してきたそうですが、

 

全く違う切り口になってしまうため、作者が了承できずに連載打ち切り。

 

打ち切り後に文藝春秋社が手を上げ、未掲載分も含めて出版となったそうです。

 

また作者がペン入れをしている時に、元首相襲撃事件が起きたそうです。

 

この本が、もう少し早く世に出ていたら、あの事件はなかったのか。

 

いや、あれは起こるべくして起こったのかもしれませんが、

 

じっと我慢をするだけで発信することもできなかった少し前の時代と違い、

 

当事者が声を上げ、現状を世に訴えることができるようになると良いと思います。

 

この本は、その先鞭をつける作品の一つだと思います。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

 

家怖 丸山ゴンザレス、関西クリーンサービス

 特殊清掃などを請け負う関西クリーンサービスの方々が体験したお話と、

 丸山ゴンザレスさんとの対談が載ったルポルタージュ。 

 

特殊清掃のお話は何冊か読んでいるので、その壮絶さは知っていることも多かったですが、

 

主に人怖や心霊系、生理的にゾッとするお話も多かったです。

 

ただ、丸山ゴンザレスさんが取材したお話かと思っていたら、

 

関西クリーンサービスのお二人がオムニバス的に語っていて、

 

最後の対談にだけゴンザレスさんが登場したので、その点はがっかり。

 

お話自体は面白くもあり怖くもあったので、

 

ゴンザレスさんの名前で釣るようなことをしなければ良いのに…と思いました。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

 

後宮の検屍女官 7 小野はるか

 後宮の検屍女官第7弾。

 大長公主が殺害されてから6日目。

 後宮は冬の嵐に見舞われ、落雷で死者も出てしまった。

 更に虞美人の殿舎では、媛児という女官がかまどで焼死しているのが発見された。

 検屍の知識を持つ間諜を探す孫延明は、媛児が条件に合うのに気づき…。

 

6巻から少し時間が経ってしまったので、少し忘れかけていましたが、

 

大長公主が殺害されたと読み、思い出しました。

 

間諜は誰なのか。

 

延明と桃花コンビの調査と推理が今作も冴えわたります。

 

そして今作もまた、とっても気になる所で終わってしまいました。

 

続きが楽しみです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

 

スープ屋まにまにの小さな奇跡 心ほどけるミルクポトフ 柴野理奈子

 音大生の森野結衣は、自信があったオーディションに落ち、

 バイオリンを止めようかと思い悩む。

 更にお気に入りのバッグチャームまで落としてしまい、気分転換のため、

 ひとつ隣の駅で下車し、大通りから1本入った路地でスープとパンの店まにまにに出会う。

 バイト先のカフェが閉店して職を失った今、贅沢している場合じゃないと思いつつ、

 「祝祭」という意味のジュビリースープを一口飲むと…。

 

まにまにに訪れる客の人生を切り取ったオムニバス作品。

 

4話が収録されていますが、1話に2人のお話が入っており、

 

最初のお話では主人公だった人が後半では脇役に、

 

最初脇役だった人が後半は主役にという形で描かれています。

 

別視点から同時間帯の出来事を見ることができるのは面白く、

 

ちょっと都合がいいなと思う部分はありますが、ほっこりするお話は良かったです。

 

ただ最近、挫折して職も失くした女性が飲食店に辿り着き、美味しいものを食べた後、

 

その店で職を得て、その後は、そのお店を訪れる人のお話に…

 

という流れの作品が多いように思います。

 

私が最近読んだ作品だけでも「バージンパンケーキ国分寺」、

 

「水曜日は<ベイベリー>で 森のカフェでいただきます」、

 

「しっぽ食堂の土鍋ごはん」と3作品もあります。

 

お話の組み立て方にも流行りがあるのでしょうか。

 

お勧め度:★★★★ 4.0

 

 

 

食材と栄養素の話 牧野直子

 栄養素の新常識、食材の効能、最強調理法、冷凍&冷蔵保存術の4章で、

 食材と栄養素について書かれた本。

 

栄養を効率的に吸収するための最強調理法は、やってみようと思うものが沢山ありました。

 

また新型栄養失調や、起床後6時間は代謝が活発になるので脂肪が増えにくく、

 

スイーツはこの時間内に…など、

 

最新の研究で分かった新しい常識が分かり易く載っていたので、勉強になりました。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

 

室町繚乱 義満と世阿弥と吉野の姫君 阿部暁子

 南北朝時代。

 南朝の帝の妹宮の透子は、北朝に寝返った楠木正儀を連れ戻すため、髪を切って男装し、

 椿丸となって乳母の唐乃と共に吉野行宮から京まで辿り着いたものの、

 正儀にツテがありそうな観阿弥の屋敷への案内を頼んだ男に攫われてしまい…。

 

この時代のことは詳しくないので、一っ体どこからどこまでは事実?と思いつつ読みました。

 

それくらい、フィクションが上手に盛り込まれていて、楽しい時代小説でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

旅の絵本 安野光雅

 ページをめくると道を遡る形で風景が変わり、船を降り、

 馬を買って旅をする旅人と共に、旅ができる絵本。

 

久しぶりに観たくなって借りました。

 

日本で初めて作られた文字のない絵だけの絵本です。

 

古き良きヨーロッパのような街並みを旅人と共に進んでいくのですが、

 

人々が生活する様子を眺めているだけで楽しい。

 

農作業をしている人、森の中でプロポーズや決闘をしている人、

 

大きな木桶で沐浴している夫人と、それを覗こうとして塀のはしごを上る男性、

 

数ページに渡って同じ場所にいる人物など、

 

気がつくとクスッと笑ってしまう人々もまぎれています。

 

そして窓辺にヴェートーベンがいたり、ミレーの「落穂ひろい」、

 

ゴッホの「アルルの跳ね橋」などの名画や、

 

「大きなカブ」や「犬と肉」、「赤ずきん」など童話の世界もまぎれています。

 

ページが進むと、塔の尖端の棒で輪投げをしている子供や、

 

高い台座の上に置かれている銅像の馬の手綱を引いている人などのだまし絵もあるし、

 

最初の方で引っ越しをしていた人が、

 

後でまた同じ荷物を運んでいたりと時間経過もあったりして、

 

沢山の発見もできる楽しい絵本でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

 

紀州のドン・ファン殺害「真犯人」の正体 ゴーストライターが見た全真相 吉田隆

 2018年5月24日に急性覚醒剤中毒で死亡した紀州のドン・ファンこと野崎幸助さんを

 殺害した「真犯人」の正体に迫るルポルタージュ。

 

著者は野崎氏が出版された2冊の自伝のゴーストライターをしていた方で、

 

遺体で発見された野崎氏の自宅で同居していたこともある人物です。

 

なので報道には出ていない内輪の話や事情も書かれており、もし犯人がいると仮定した場合、

 

野崎氏の死亡推定時刻からすると、妻やお手伝いの女性が怪しいと言うよりは、

 

自宅からら消えた現金2億円の行方を知る人物か、野崎氏宅に出入りしていて、

 

特殊な家の構造を知っている人物ではないかと思います。

 

そもそも殺人事件なのかも謎。

 

そういうことが見えてくる一冊でした。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0

 

 

 

しおかぜ市一家殺害事件あるいは迷宮牢の殺人

 恰幅の良い男性に故意にぶつかられ転んでしまった女性が

 恥ずかしそうに笑うのを見た餓田は、女性が男性に怒らなかったことに怒り、

 彼女の後をつけて暴行を加えた。

 更に、彼女にぶつかった男性に再び遭遇した餓田は、男性の後もつけ、

 自宅の押し入って制裁を加えることを思いつき…。

 

初めましての作家さん。

 

「しおかぜ市一家殺害事件」と「迷宮牢の殺人」。

 

突然の転調、違和感と本文中の間違い。

 

なので途中で気が付いてしまい、半分以上は消化試合という感じ。

 

「しおかぜ市一家殺害事件」は、悲惨な犯行の様子が詳細すぎて気分が悪くなりました。

 

お勧め度:★★★★☆ 3.5

 

 

 

お菓子の船 上野歩

 6歳の頃、祖父が作ったどら焼きを食べた和子は、

 ランドセルを背負った自分が桜並木を駆け出す自分と海が見えた。

 亡くなった祖父のどら焼きを再現するため、和菓子職人になった和子は、

 以前、どら焼きを食べた時に冷たい湧き水が見えた奥山堂で働くことになった。

 修行の身でありながら、祖父の味を再現するため、手掛かりを探す和子は…。 

 

初めましての作家さん。

 

和子が祖父の足跡を追い、若き日の祖父を知っている人々から話を聞くことで、

 

時代を越えて祖父に近づく様子に、

 

私も一緒に手掛かりを探しているような気持ちになりました。

 

日々の雑事はサクッと省かれていて、

 

ピンポイントで重要なシーンを繋ぐような思い切った書き方と構成も良かったです。

 

古い時代の「お菓子の船」の話を知ることもできて良かったです。

 

お勧め度:★★★★★ 5.0