東京散歩・練馬区立石神井公園ふるさと文化館 その1 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

石神井公園で紅葉狩りをした後、

 

隣接した場所にある石神井公園ふるさと文化館へ行きました。

よく前は通るのですが、一度も行ったことがなく、

 

行こうと思う日に限って休館日の月曜日。

 

一度入ってみたいと思っていたので、計画して行って来ました。

 

ここは以前、プールしかなかった場所だったはず。

 

一体いつ開館したのかも記憶にないのですが、

 

気が付いたら出来ていたという感じでした。

 

 

階段を上がった左手に彫刻がありました。

林宏さんの「やさしさについて」という作品だそうです。

 

「自然からの恵みや先人たちの英知を感謝の気持ちを持って子供たちへ」

 

という思いを込めて作られた像だそうですよ。

 

 

道路からは階段を上がりましたが、こちらが1階。

わがまち練馬情報コーナーというブースで、

 

この建物周辺で見られる鳥や植物、昆虫などが展示されていました。

 

 

練馬区のミニュアもありました。

高層マンションやガスホルダーとか、きちんと作ってあって、

 

じっくり眺めてしまいました。

 

 

一画にはおうどん屋さんがありました。

何故おうどん?

 

開店を待っているらしきご婦人方がいたので、

 

美味しいお店なのかもしれません。

 

 

壁面には石器や土器が展示されていました。

お隣にある池淵遺跡から出土したものかしら?

 

 

石器や土器のお隣は江戸筆などの伝統工芸や最近の商品の紹介。

まぐろの大かま焼きもあればサブレやパウンドケーキなど、

 

バラエティに富んだラインナップでした。

 

左横にはカレー粉やワインなど、実際の商品も並んでいましたが、

 

ガラスで反射してしまって撮れませんでした。

 

 

階段に2階に展示室があると書いてあるのですが、入館料は?

2階で払うのかしら?と思いつつ、キョロキョロ。

 

 

うん? 階段横になにかある。

なんと! 2020年8月31日で閉園した

 

としまえんのオートスクーターが展示してありました。

 

これ、子供の頃に乗った音譜

 

天井からバーで繋がっていて、そこから電力を得ていたので、

 

コース内を自由に走れたんですよね。

 

友達と遊びに行った時は、みんなで競争した思い出もあります。

 

閉園前に一度行きたいと思いつつ、

 

コロナ禍によって予約制ということもあり行けなかったとしまえん。

 

日本最古のメリーゴーランドのカルーセルエルドラドは

 

解体して保管されると聞きましたが、

 

ほかの遊具はどうなったのかと思っていました。

 

海外などへ売却されたものもあるかもしれませんが、

 

こういう小さな遊具は廃棄さたのかも…と思っていたので、

 

ここで再会できて嬉しかったです。

 

 

思わぬ再会で心が躍ったまま2階へ。

階段の正面は交流ライブラリーになっていました。

 

練馬区の歴史や民俗、自然などに関する図書が置いてあって、

 

自由に閲覧できるようです。

 

今度、ここ目当てでゆっくり行ってみたい。

 

 

階段の右手が常設展示室でした。

心配だった入館料は無料。

 

階段を上がる時によく見たら、しっかり書いてありました。

 

 

左手には土器がずらりと並んでいました。

縄文時代の人は湧き水に集い、土器を造り、木を加工する人々が現れ、

 

狩猟生活から農耕の定住生活へと生活様式も変わってリーダーが出現し…

 

という、歴史の初歩が簡単に書いてありました。

 

 

貫井二丁目遺跡と中村橋遺跡から出土した須恵器や土師器。

稲穂を摘み取る穂摘具なども見えますね。

 

 

私がいつも古代のもので目を奪われるのが装飾品。

こちらでもガラス玉や管玉が展示されていましたが、

 

今でも通用するデザインや色味じゃないでしょうか。

 

 

土器の向かいには板碑が展示してありました。

左端のものは長享2年(1488年)の申待板碑で、練馬区の指定文化財。

 

12人の名前が彫られているそうで、

 

室町時代の人たちが民間信仰の庚申待ちをしていたことが分かるそうです。

 

庚申待ちは落語にも出てきますが、そんな昔からある信仰なのですね。

 

 

真ん中の板碑は文和2年(1353年)、

 

右の板碑は永仁4年(1296年)のものだそうですが、

 

こちらは文化財になっていないようです。

 

より古いものなのに、どうしてでしょうね?

 

刻まれているものの違いでしょうか。

 

 

お隣には尾張殿の鷹場の碑が展示されていました。

こちらも練馬区の登録文化財だそうです。

 

 

尾張殿とは徳川御三家の筆頭の尾張徳川家のこと。

この碑は尾張徳川家の鷹場の範囲を示すために41の村に建てられた

 

83本の杭の一つで、練馬区と西東京市との境にあったものだそうです。

 

つまり、この石碑よりも北西は尾張殿がお鷹狩をする場所ですよと、

 

知らしめるためのものだったのですね。

 

それにしても41の村とは。

 

地図を見ると西は羽村市や福生市、北は埼玉県の所沢市や富士見市、

 

南は国立市の一部や府中市の一部までが鷹場になっていました。

 

ブロ友さんがお住まいの朝霞市の一部も範囲に入っていましたよ。

 

時の権力者に連なる一族とは、地位や権力だけでなく、

 

やはり土地を含む財産も想像以上のものだったのですね。

 

 

常設展は入口から奥へ行くに従い、時代が進むような展示になっていました。

土器や板碑のお隣は、いきなり江戸時代。

 

徳川家が江戸へ入府してからは、江戸の人口は増加し続け、

 

その人々の食を支えたのが近郊の村で収穫される野菜でした。

 

東京の各地に、地名の付く江戸野菜も残っていますが、

 

練馬と言えば練馬大根が名産でした。

 

大根そのままだと日持ちしないため、

 

こうして干してたくあん漬けにして保存し、

 

収穫時期でない時も、江戸の街へ販売に行っていたそうです。

 

江戸期はビタミンB1が不足して起こる脚気に罹る人も多かったため、

 

ビタミンB1を多くふくむ小糠で漬けるたくあん漬けは

 

江戸の人々にもてはやされたそうです。

 

 

小さなたくあん漬けの樽も展示されていましたが、こんな巨大な樽も。

これはありませんでしたが、昔、小さい樽などは

 

すぐ近くの石神井図書館の地下にあったように記憶しています。

 

石神井図書館も少し前に建て替えられましたが、

 

こちらに新しい展示室が出来たため、

 

まとめて展示されるようになったのかもしれませんね。

 

 

樽の中は覗くことができるようになっていました。

こうやって洗って干した練馬大根を重ねて漬けていたのでしょうね。

 

そして穴からしっかり顔を出すと、向いの人の顔に顔が出るようになっていました。

 

鏡を使ったある意味顔出しでしたよ。

 

こんな顔出しもあるんだって見ていたら、

 

黄緑色のビブスを着た男性に声を掛けられました。

 

どうやらボランティアガイドの方のようです。

 

分からない事があったら聞いて下さいと仰るので御礼を言い、

 

写真を撮って良いかどうか確認しました。

 

文化財でも撮って良いそうで、その太っ腹さにびっくりしました。

 

 

練馬大根の種を販売していた種屋さんの資料。

種屋さんはそのものずばり、種を採るために野菜を栽培し、

 

良い種子を販売するお店です。

 

下練馬村は北区にあった滝川村に次いで種屋が多かったそうです。

 

練馬は台地であることと、水利を得る川が石神井川と白子川しかなく、

 

稲作に不向きだったために大根の栽培が盛んになったのだとか。

 

そこから派生して、種屋という職業が沢山あったというのも面白いですね。

 

さて、ここから先の展示も面白そう…て思った矢先、

 

件の男性が再び声を掛けてきました。

 

お付き合い程度で相槌を打っていたのがいけなかったのか、話が止まらない。

 

私は展示物はゆっくり見たい方なので、

 

ある程度で切り上げたかったのですが、

 

切り上げても切り上げても、マシンガンのように話しかけてきて困りました。

 

実のある話もあったのですが、展示物を指し示めされ、

 

追い立てられるようにあちこち見たのでドッと疲れました。

 

明日は、その男性を振り切った後のことを書こうと思います。

 

あ~、今思い出しても疲れるわ…。

 

親切心からだとしても、案内も説明もほどほどに。

 

そして迷惑そうにしていたら話掛けないでほしいなぁえー

 

 

今回のおでかけ

★練馬区立石神井公園ふるさと文化館

 住所:東京都練馬区石神井町5-12-16

 電話:03-3996-4060

 開館時間:9:00~18:00

 休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は、その直後の祝日ではない日)

     年末年始(12月29~1月3日)

     臨時休館日

 入館料:常設展は無料、特別展覧会は有料

 駐車場:なし(石神井公園の有料駐車場あり)

 公式ウェブサイト:練馬区立石神井公園ふるさと文化館

 

 

 

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