転勤族あるある・恐怖の物件 その1 | ゆるゆるな毎日

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水曜どうでしょうやマンホール、キリスト看板などの趣味に走りすぎた日々を綴っています。

転勤族の極意・物件選びのコツでも書いたのですが、

 

転居先の物件はなるべく内見に行き、自分の目で見て決めます。

 

しかし日程的に難しい時は

 

間取り図などの情報だけて決めざるを得なかったり、

 

何の相談もなく勝手に物件を決めてしまう…なんて上司もいます。

 

私も一度だけ、上司が勝手に決めてしまった物件に入居しました。

 

条件等、何にも話していないし、変なところだったらどうしよう…

 

と思いつつ、引越し前日に初めて物件を見に行ったら、

 

ちゃんとしたマンションでした。

 

買い物は少し不便でしたが、市街地にも近く、

 

何よりその地域では珍しくモニターフォンとオートロック、

 

敷地内やエントランスにも防犯カメラが付いていて、

 

防犯面もバッチリ。

 

またこの物件は全戸賃貸で、エレベーターが数基あり、

 

左右の部屋で1機のエレベーターを使う変わったマンションでした。

 

つまり、エレベーターを下りると、左右に部屋があって、

 

エレベーターの正面に非常階段があるので、共用廊下はないのです。

 

小さいエレベーターホールがお隣との共用部でした。

 

変わった作りですが、エレベーターが混むこともないし、

 

同じエレベーターを使うお隣さんとだけしか会う事もなく、

 

面倒がなくていいかもなぁ…なんて思いました。

 

ただ、クリーニングしたという割に、やたら汚れている室内にびっくり。

 

窓辺に虫の死骸が沢山落ちていたり、蜘蛛の巣が張っていたので、

 

もしかして長いこと借り手がいなかったのかなという印象でした。

 

 

実際に物件を見てホッとしつつ荷物を搬入し、

 

新居での生活が始まりました。

 

ある日、洗面所の入口の壁紙が剥がれてきているのに気づきました。

 

その部屋の洗面所は一段高くなっていて、

 

ドアの下の段差の壁紙が剥がれてきたのです。

 

一応管理会社に連絡しましたが、補修に来ません。

 

そうこうするうちにかなり剥がれてきたので、

 

ダメ元でボンドで貼ってみることにしました。

 

その時、初めてよく見たのですが、段差の壁(?)に変なシミが…。

 

黒というか濃い茶色というか、変な色で、液体が垂れた様な跡。

 

もしかして、前の人が水漏れとか起こしてた?と心配になり、

 

もう一度管理会社に電話しましたが、「はいはい」と言うばかり。

 

仕方ないので自分で適当にボンドで貼って補修しました。

 

 

その部屋は玄関からリビングまでは真っ直ぐ廊下があって、

 

廊下の途中の右手に洗面所があります。

 

補修するのと前後して、この廊下で変な音がすることに気付きました。

 

ミシッズルルッ…ミシッズルルッ…と、

 

人が足を引きずって歩くような変な音がするのです。

 

家のきしみなのかもしれませんが、なんだか怖い。

 

原因がわからないから怖いのだろうと、

 

音がした瞬間にドアを開けてみましたが、何にもありません。

 

そしてこの音、夜になるとピタッと収まるのです。

 

気になりだすと気になるものです。

 

夫に話してみましたが、「気のせいだろう」と言います。

 

夫はその音を聞いたことがないし、

 

昼間は窓を開けて風を入れているからかなぁ…なんて思いました。

 

 

ところが、これだけでは終わりませんでした。

 

その物件のリビングのドアはこんな感じのすりガラスのドアでした。

これは私が住んだ別の物件のドアです。

 

本当は問題のドアを撮っておけば良かったのですが、

 

気持ち悪くて撮れなくて…。

 

なので似ているドアがある物件の時に撮ってみました。

 

 

で、話を戻すと、足音のような音が頻繁に聞こえるようになりました。

 

今まで気が付かなかっただけなのか分かりませんが、

 

明らかに音に気が付いて以降、聞こえる回数が増えたのです。

 

ただドアはすりガラスなので、本当に人が歩いてきたとしたら

 

すりガラスに影が映るはずです。

 

やはり気のせいなのか、それとも配管か何かの関係で、

 

水が流れると音が鳴るとかかしら…。

 

薄気味悪さと、オカルト的なものだと思いたくない気持ちがあり、

 

何か原因があるはずだと言い聞かせていました。

 

 

ところが!

 

音が頻繁に聞こえるようになっただけでなく、

 

確実にドアの前まで来るのです。

 

そしてドアの前で音が止まると、ドアノブが動くようになりました。

その物件のドアも、下に押して開けるタイプのドアでした。

 

このドアノブが下に下り、

 

ギギーッという音ともにドアが少し開くようになっちゃいました

 

現象がエスカレートしているし、

 

これは明らかに風とか配管とかのせいではないでしょう。

 

ただ、管理会社には言えず、夫にだけ話しましたが、

 

「そんなバカな」と取り合ってくれません。

 

もしかしたら、私がホームシックだったり、

 

転勤生活で心が疲れていると思っていたのかもしれません。

 

というよりも、このドアノブが動いたり、ドアが開く現象も

 

夫がいる時は起きないのです。

 

逆に言うと、夫が宿泊出張でいない時は、

 

夜中でも廊下を歩くような音がしていました。

 

寝室は洗面とトイレを挟んで玄関側にあったので、

 

夫がいない日は、早めに夕食やお風呂を済ませ、

 

必要なものを全部寝室に持ち込んで、

 

朝まで一歩も部屋を出ない引きこもり状態でやり過ごしていました。

 

 

間取りを思い出して書いてみました。

こんな感じの物件…。

 

 

音も日常的で怖いけれど、仕方ないかなと思い始めた頃、

 

エレベーター前の非常ドアを思い切り閉めたような大きな音が!

 

慌てて玄関から出ると、お隣の奥様も出てらして、

 

「今凄い音したよね?」って顔を見合わせ、音がしたことを確認。

 

恐る恐る非常ドアを開けてみましたが、誰もいません。

 

清掃や点検の日でもなく、「何だったのかな」なんて話して

 

その時はそれぞれの部屋へ戻りました。

 

ところが、この音が頻繁にし始めました。

 

やはり決まって昼間で、多い時は1日に3回という日も…。

 

非常ドアは重たく、風でバタバタするようなものではありません。

 

またその非常ドアを使う可能性があるのは

 

うちとお隣さんの2軒だけなので、奥様と話して、

 

内側から鍵をかけてみることにしました。

 

「万が一の時は内鍵を外して避難しようね」なんて言いつつ施錠。

 

これで安心です。

 

またこれで収まれば、ドアの不具合なので、

 

管理会社に直してもらえるはずです。

 

しかし、音は収まりませんでした。

 

内鍵をしても意味がないことが分かったので、

 

万が一の時のために内鍵は外しましたが、怖さは倍増。

 

一体非常ドアの音は何なのか?

 

そして我が家の怪奇現象は何?

 

 

そのすぐ後、お隣さんが引っ越すことになりました。

 

引っ越す前、少しお話したのですが、

 

「お宅は非常ドア以外に、変な音しないよね?」って言われてゾッ。

 

自分の家の現状を話そうかどうしようか一瞬迷っているうちに、

 

お別れの挨拶をされてしまったので、話せませんでした。

 

お隣さんの変な音も気になりましたが、確かめる術はありません。

 

 

そんなことがあってすぐ、うちの給湯器が壊れてしまいました。

 

流石にこれは管理会社も交換してくれることになりましたが、

 

給湯器の在庫がないとかで、しばらくお風呂が使えない状態に。

 

近くに銭湯がなかったので、どうしたら良いかと相談すると、

 

お隣さんの部屋の鍵を貸すので、

 

そこのお風呂を使ってくださいとのこと。

 

退去してから1ヶ月以上経っていたと思うのですが、

 

まだクリーニングも済んでおらず、自分で掃除して下さいということで、

 

軽く掃除をして、3日間、シャワーだけお借りしました。

 

このシャワーを借るために洗面所に入ると、

 

「た…すけ…」と言っているような音がする!

 

しかも音はうちの方からするじゃないの?!

 

しかし、換気扇を回すと消えるので、

 

これは2軒の間を通る配管を抜ける風の音かもしれない。

 

気にしない気にしないと言い聞かせ、お借りする3日間が終了。

 

でもこれが奥様の言っていた変な音だったのかなと思いました。

 

 

さて、相も変わらず変な音がする廊下に、勝手に開くリビングのドア。

 

怖いけれど、上司が決めた物件なので文句も言えず住み続けました。

 

夫がいる時は何故かそういう現象が起こらないので、

 

早く会社から帰ってこないかなと帰りを待ち焦がれるようになりました。

 

そして宿泊出張を何よりも恐れていました。

 

しかし、否応なくやってきた宿泊出張。

 

いつものように寝室に引きこもり、怖いので真っ暗にできず、

 

豆球をつけて就寝。

 

いつの間にか眠っていたみたいですが、胸が苦しい・・・。

 

何かが乗っかっているような圧迫感が…。

 

馬乗りになっているというよりも、

 

胸の上あたりで正座している人がいる感じ…。

 

手で払おうにも、勿論実際に何かが乗っているわけではなく、

 

手に触れるものはありません。

 

しかも金縛りではないのですが、あまり自由に動けない…。

 

そのうち首を絞められるような苦しさも加わり、

 

必死に上体を起こそうともがき、なんとか起き上がると、

 

やはり何にもいません。

 

夫が宿泊出張の日は、この現象まで起きるようになりました。

 

 

結局、これらの怪奇現象は退去するまで続きました。

 

私が一人で里帰りしている時もあり、

 

その間は夫が一人で部屋にいた訳ですが、

 

話していたような怪奇現象は遂に一度も起きなかったそうです。

 

私の気のせいだったのか、ちょっと心が病気だったのか…。

 

そんなことを思いつつ荷造りを終え、

 

夫が職場に最後の挨拶をしに行った日、

 

長年地元に住んでいる方が、

 

「あの部屋、大丈夫だった?」と聞いてきたそうです。

 

夫は私の変な訴えを聞いていたので理由を聞いてみたところ、

 

なんと殺人事件のあった部屋だったとか…

 

夫も軽く「実は…」と私の体験を話したそうで、

 

その方は顔色を変え「だからみんな反対したのに…」

 

と言ったそうです。

 

物件を勝手に決めた上司は、殺人事件の現場だと知りつつ、

 

賃料が安いからという一点で決めたそうで、

 

その事実を知っていた方々は全員反対したそうです。

 

地元民は事件と場所を知っているから長年借り手がいなかったとか。

 

だから初めて部屋に入った日に、

 

クリーニング済みの割りには荒れていると感じたのか…。

 

そして、実際に入居している夫には、

 

退去するまでその事実を言えなかったのだとか。

 

だったら、私が上司に気を使わず、さっさと訴えていれば、

 

数年間、あの気持ち悪い部屋で過ごさなくても良かったということ!?

 

ともかく、地元の方も怪奇現象があった事実を知り、

 

どんな殺人事件だったのかは教えてくれなかったみたいです。

 

「知らない方がいいこともあるよ…」と言われたとか…。

 

ただ、壁紙が剥がれた洗面所のドアの下の染みの話をしたら、

 

「やっぱり血の跡が…」と一言、言ったそうです。

 

古めのマンションなのに、モニターフォンのオートロックで、

 

複数の防犯カメラが付いている防犯面がバッチリだった理由は、

 

そういう事件があったからなんだろうなって分かりました。

 

 

こんな物件に住んで以来、

 

私は不動産屋さんに物件を紹介してもらう時は必ず、

 

「事故物件はやめて下さい」と条件を付けます。

 

最近事故物件サイト等で

 

一般の人でも事故物件を知るようになったため、

 

そういう条件を言う方もいるそうです。

 

なので実際にお会いして内見に向かう途中、

 

「お客様も気になっちゃいましたか?」

 

なんて半笑いで軽く聞かれることがあるので、

 

「私、知らないで殺人事件の起きた部屋に住んでて、

 

色々と変なことが起こったんで…」と切り出して、

 

この物件での恐怖体験をかいつまんで話すと、顔色を変える方、

 

自分の体験や別の方の同じ様な体験を話される方、

 

やたら食いついてくる方など反応は様々ですが、

 

一様に「やはりそういうことってあるんですね」と言われます。

 

何より私は

 

殺人事件の現場と知らずに住んでいて変な体験をしているので、

 

不動産業の長い方からも「ゾッとした」と言われます。

 

そして、まず間違いなく、変な物件は避けて下さいます。

 

また色々な怪奇現象が起こる物件の話など

 

ちょっと怖い話を聞けたりできます(←いいこと?)。

 

って、別に怪談好きでもオカルト好きでもないのですが、

 

こういうのって、経験した者にしか分からない感覚というか、

 

変な仲間意識があるみたいで、

 

本当にちょっと変な盛り上がり方をします

 

 

さて、この物件のおまけの話。

 

実は私が住んでいた真上の階の方が、

 

やはり転勤族で夫の取引先の方だったのですが、

 

その方は大きなニュースにもなった通り魔に遭われて亡くなりました。

 

物件とは全く関係ないことなのかもしれませんが、

 

この物件のことを思い出すと、その方の事件のことも思い出します。


また、このマンションを持っていたオーナー会社が突然倒産し、

 

私達の転勤が決まった直後、

 

このまま賃貸契約をする意思があるかどうか

 

期日までに破産管財人に連絡をせよという通告書が届きました。

 

なんだか色々と不幸続きの物件だったように思います。

 

 

更におまけとしては、

 

このマンションのお隣のお宅が火事になって全焼し、

 

住民の方が亡くなりました。

 

あの、変な音がする非常ドアの真向かいにあるお宅でした。

 

この火事は私達が退去する少し前に起こり、その数週間後、

 

今度はマンションの向かいの住宅が5棟焼ける火事も起きました。

 

どちらも不審火などではなかったそうですが、

 

マンションをL字型に囲んだ位置で火事が起こりました。

 

我が家では、まさか自分の家で殺人事件があったとは思わず、

 

最近立て続けに変なことが起きて怖いねと話していました。

 

 

ちなみに、

 

かの有名な事故物件サイトにも、この物件は載っていません。

 

古くから住む地元の人は知っているけれど、

 

ネット上には出ていない事故物件というものも結構あるのでしょうね。

 

 

 

本こちらもどうぞ本

  転勤族あるある・恐怖の物件 その2

  転勤族あるある・恐怖の物件 その3

  転勤族あるある・恐怖の物件 その4

  転勤族あるある・恐怖の物件 その5
  転勤族の極意・物件選びのコツ