彫金とは?「錺」と「飾り」その関係について! | ジュエリークラフト

ジュエリークラフト

\誰かのために作れる幸せ/

1人でも多くのファンに愛される、自分らしいブランドを目指すアクセサリー作家を応援✨

▶ 30秒でわかるジュエリー制作
▶ つくり手目線で話せる繋がる
▶ 4畳半 個人事業から法人化
▶ ジュエリー講師歴20年

 

「彫金(ちょうきん)」という言葉は、現代において、

ジュエリー制作技法の総称

のように使われています。



しかし、昔ながらの職人さんの間では「彫金」は文字通り、

 

「彫り」を生業としている職人さんのことです。



あらためて「彫金」という言葉を調べてみると、本来は、

 

下記3つの金属工芸技法のひとつになります。



〇彫金(ちょうきん)
貴金属や金属の材料に細かな彫刻を施す金属工芸技法

〇鍛金(たんきん)
金属を熱して叩き出して形を作る金属工芸技法

〇鋳金(ちゅうきん)
作りたい形の「鋳型(いがた)」を作り、溶けた金属を流して鋳造(ちゅうぞう)し、目的となる形を製造する金属工芸技法



金属工芸技法の中でも彫金は長い歴史があり、今から約1500年前、古墳時代の終わり頃から定着してきたと考えられています。

では、なぜ、ジュエリー制作技法の総称のように呼ばれるようになったのか?

諸説あると思いますが、

・錺職人
・飾り職人



の存在が関係していると思われます。




------------------------------
錺とは
------------------------------

まず「錺」とは、神社や寺院・城など、日本風建築に用いられる装飾用の金物や、襖(ふすま)の引手金、お神輿のてっぺんに鎮座する鳳凰像などの金物を指します。

これら錺道具を作る職人さんを、

「錺(かざり)職人」

と呼びます。

装身具というよりは、本来、建築物の装飾品を制作する職人さんが「錺職人」という事になります。




------------------------------
飾りとは
------------------------------

次に「飾り」とは、簪(かんざし)や帯留めなどの装身具や装飾品の事を指し、これらの道具を作る職人を

「飾り(かざり)職人」

と呼びます。

「飾り師」や「飾り屋」とも言われ、時代劇「必殺仕事人」に登場する、「飾り職人の秀」が、代表的な飾り職人のイメージになります。

また、取り扱う素材は多岐にわたり、貴金属や金属のみならず、皮素材や木材なども扱います。

現在の、ジュエリーアクセサリーに最も近い存在になります。



このように、

・彫金職人
・錺職人
・飾り職人



は、本来、異なる仕事を行っていましたが、社会の需要や文化的価値観の移り変わりによって、自由に表現するようになってきたようです。



結果的に、彫金は「ジュエリー制作技法の総称」のように捉えられるようになったと考えます。

また、昔ながらの、彫刻のように装飾を施す専門技法という意味で「彫金」と呼ばれる場合もあります。

いっぽうで、一個造り(1点物や原型)や、貴重石の石留め、彫刻等、1つ1つの作業を行う職人さん、複数の工程を1人でこなす職人さんのことを「錺職人」または「飾り職人」と呼ぶこともあるようです。



彫金、錺、飾り



いずれも、日本独特の趣があって素敵な響きです。

日本の文化や趣を尊重しつつ、自身が目指したい職人像や作家像に合わせて、自由に表現し、周囲からも認知されるよう努力を積み重ねていきましょう。

↓記事の詳細を見てみる(4243文字)
https://jewelry-craft.online/jewelry-craft-knowledge/choukin/metal-carving-techniques-and-kazari/