僕が畑をしているのは、食育の為でもあるのです。
僕は、少なくとも食育とは、高い食べ物や、希少な物、そして健康だけを見たものではないっと思っています。
食育で一番大事なことは、一番食べるものをよく知ることだと思っているので、そういった意味では、今の日本は大荒れなのだと思います。
今の日本では1年を通じて、手に入らない食べ物は無いってぐらい食材が豊富で、食に関しては非常に豊かな国だと言えますが、食育の面では非常に邪魔する存在になっています。
旬が分からないのです。
生産側からすれば、旬を外して多少強引に作る事になっても、価格やニーズの高まる時期にも商品を出したいのは商売からすれば当然ですし、消費者からしても有るに越したことは無いのですから、双方の利害は一致しています。
もちろん、それを使うことは否定しませんし、僕も真冬にもサラダにトマトで色どりされているのは見た目にも良いと思います。
しかし、それに慣れすぎて、旬の食べ物や美味しい時期が分からなくなってしまったら本末転倒じゃないですか。
美味しい時期が分かっていれば、それはそれで結構お得な話なのです。
とある口コミサイトで「この店の鰆の刺身は不味かった」っと8月に書き込みがあったり。
某、直売所で桃が始まる時期に「ぶどうはあるかな」っと言う人が居たり。
先日の牡蠣にしても、こんなものを入れるようになったらしいです。
加熱用っと明示することになったらしいです。
他の直売ではやって無い所もあるので、独自の取り決めでしょうが、牡蠣は生で食べれるイメージの人がいるみたいですね。
もちろん、生で食べれるのもありますが、水質チェックを厳重にしている海域で獲られた岩牡蠣は夏の食べ物ですし、冬の平牡蠣でも、選んだ牡蠣をオゾンや紫外線で2,3日浄化して食べれるようにして物などがあります。
生で食べるために手間やコストをかけているのに、安さを求めた商品にそこまでのケアを求めるのは、ちょっと酷な気がします。
こういうことは知っておくべきことで、それを子どもに教えていく事が食育なのだと思っています。
っと言う、自分も、知らないことはまだまだ多いのです。
7年も野菜を作っていると、その知らないっぷりが余計に露呈しました。
作るまでは、少なくとも、新玉ねぎって収穫したばかりの玉ねぎだと思っていましたし、ニンニクの芽は新芽だと思っていました。
ズッキーニなんて、自分で作って初めて存在を知りましたよ。
それでも、自分で作っていると、かなりの事が分かってきました。
そして、作った野菜を直接調理する人とやり取りすると、またまた発見があります。
この野菜はこれぐらいのが美味しいっとか、こうなっている野菜はこの調理法が良いっとか、多方面からの情報がまた糧になります。
栽培法によって、味が上がったり落ちたり、収量も増えたり減ったりとやってみるとキリがありません。
なので、教える前に、まず知るところから始めています。
そしてついでに、家庭菜園には、規格ってものは無いので、自由に収穫してしまいますが、一応市場の規格は意識しています。
しかし、それを外したものにも美味しい物があるのも事実なのですが、それを子どもたちに教えたところで、将来役に立つかどうかは分からないので迷うところです。
夏野菜にそんな野菜は多いのですが、今の時期は無いので、冬の代表例はこれ。
紫に見えるのは連日の雪や寒さでアントシアニンが出まくっているせいですが、こういったのは出荷ではNGらしいです。
栽培する時期で品種を選べば対応できるのですが、自家消費メインで、出荷するのではないのでたいして気にしません。
これは、寒さから身を守るために糖度を高めたために起こる現象なので、今年の我が家のブロッコリーは最高に甘くて緻密なのです。
これが、市場でNGなのは、物流の都合や、求められる味が甘さでは無いなどの理由があるのでしょうが、これはこれで子ども受けする味なので、なんとなくもったいない気がします。
ちなみに、個人的には、暖かくなって咲き掛けて色が変わり始めたぐらいのが大好きですが、これが物流的にNGなのはよくわかります、消費者に届くころには花束になっていますね(笑)