「いつも来てくれてありがとう」
と言ってくれた店員さん
毎朝通るハローワークの前で
「看護婦さんですか?」
と初めて声をかけてくれた
警備員のおじさん
鼻をほじっていた
大学の管理員さんにだって
挨拶するし
鈴を付けて歩くおばあさんや
おじいさんにだって
挨拶するし
カマキリをみつけたら
必ず立ち止まったりもする
業務スーパーがあるだとか
整骨院ができたとか
そういうものよりも
歪な壁や
とんでもないところにある扉
毎日寂しそうに持ち主を待つ
撤去されそうな自転車たちに
いつだって気付いていたいし
山の交差点に
セブンイレブンが新しくできたとか
そういうものよりも
新しく出来たセブンイレブンの
角の横断歩道でいつも見かける
中国の留学生や
裏に広がる稲穂たちが
綺麗に刈られていて
いつか食卓で会えるかな
なんて
暖かい太陽に話してみたりする
蜂が側にいるから
目を逸らして歩いていると
逸らした先にみたこともない
大きな蜘蛛の巣をみたり
雲を見下ろして
落ち葉を掻き集めて
ヤモリと追いかけっこしたり
植えたバジルの
虫食い穴が
昨日よりも増えていたり
登山バッジを落としても
私はいつだって歩いていたいし
家の階段で
バッタを見つけたりもする
私は
未だ見ぬものを
ずっと
見つめていたい
ワクワク
ワクワク
明日も明後日も
オハヨウと
ワクワク

