七時に目が覚める
夢をみたような感覚だ
十分置きに設定していたアラームを
ひとつ
ふたつと消して
眠る
そして
母の声で目が覚める
ひとつめのアラームは
いつもどこへいくのだろう
豚汁と冷やご飯を温めて
納豆ともずくと共にいただく
レーズンと干し梅
緑茶と三冊の本
財布と筆箱とスケジュール帳を
リュックに詰め込んで家を出る
朝の二十分
わたしにとって
あるいは
とても長い朝だ
「この坂しんどいな」
「もう正月やな」
すれ違いざま
会話を交わす
近所のおじいさんたち
わたしはこの坂を
しんどいとは思わないけれど
もうすぐ正月なのは
わたしもそう思う
アンパンマンの三輪車に乗った
小さな女の子に
「わんわんだ」
と指をさされても
なに食わぬ顔で
目の先にあるものだけを見て
歩くあなた
大丈夫
私が愛想を振りまいておいたから
目に映るもの全て
自発的に嗅ぎはしないけれど
犬は歩いては嗅いで
嗅いでは歩いてを繰り返す
そんなあなたの真似をして
電柱を嗅ごうとしたとき
あなたの足を踏んでしまって
ごめんなさい
どんなに優しくても
実りをとめていなかった
すべてのものを愛おしいと思う
澄んだ空
素直な太陽の光
夢の中のぬくもりが
離れないでいる



