朝
時間がないから
駅まで漕ぐ
自転車のカゴには
こっそり蜘蛛の巣
一緒に連れて
駐輪場
彼はものを冷やすことを諦めた
大切にしていたアイスは
飲み物に
水はすべて
流れてどこかへ
いってしまう
深く青い冷蔵庫で
毎日飲んでいた
飲むヨーグルトや
納豆 めかぶ いわのり
たまご 白ワイン 氷枕も
冷やすことがないと思うと
少し悲しい
ドアを開けっ放しにして
でかけたり
強く閉めたりすることもあったけど
とてもとても
愛してた
夕焼けをみた
皆んな立ち止まって
写真を撮っている姿は
なんだかとてもヤだった
嫌いなものには
嫌いと言えるぶん
好きなものには
愛おしいと思えるこころがある
緑の枕をぎゅっと抱いて
そば殻枕に
顔うずめ
鼻いっぱいに吸い込んで
氷枕にうもれてしまう
枕は三つ
夢は八つ
鉛筆削りの箱を開けた
幼い頃のはなし
いつも素敵な思い出を
ありがとう
シダーウッドの香りに
包まれて
よおし
明日も明後日も
いまを生きようか


