毎晩同じ時間
同じ場所にやってくる
「ヤモ子」
名付け親はわたしと同じ
アズナブールを聴きながら
ヤモ子をみつめる
カフェオレを飲みながら
確か
世界に生きているのは
わたしひとり
なんて思う
目を閉じて
笑っている月がひとつ
振り向くと
海の向こうには
ビルが所狭しと建っている
ビルからすれば
私たちも
ビルのようなものだ
Radioheadを聴きながら
あの人がよく言う
気が付けばうとうと
裸足で土の上
寝そべって
なんていう贅沢
ひとりこっそり
CDカウンターへ
Tシャツ売り場へ
未だ見ぬ音楽が
数え切れない程にあって
わたしは
どれも鳴り止まないで
そう、思う
思いと
ひとり夏フェス
撮った写真は
カレーとバドワイザー 一枚
泣いた
午後二時
むすりとした顔で歩く人
ハイヒールの足音が
「ムスリ、ムスリ」
と聞こえる
お気に入りのスニーカーは
いつの間にか消えた
どこだ?
こんな暑い日には
オレンジ色の
フィルターの中で
暮らしたい
錆びれたハンガーに
ジャケットをかけて
オリーブオイルを
身体中にたっぷりと
カーテンは少し開けて
張り詰めた思いと
張り詰めた糸
とても優しい
糸電話がしたい
八月が終わる


