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Falling Fast

自分の言葉に溢れたい

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口に出したくなる
「パサデナ」
「パサデナ、パサデナ」

自宅から徒歩十分
最寄り駅までの距離を
自転車かっ飛ばしていた
学生の頃の自分に
「あと五分早く起きろ、そして歩け」
と やはり
言いそうになりながら
歩道に突っ込む車を横目に
そして
「歩行者優先」
をモットーに歩く

リュックには
サン=テグジュペリの文庫本

しおりがないときは
持っているもので代用

今日は
濃縮ウコンのサプリの袋を挟んだ

美味しそうに
閉じない本と
急行電車を確と見送り
各駅電車に乗り込むわたし

わたしは
昼間に思案を続ける
昼間飛行 司令官である

二、三駅後
同い年くらいの
軋んだ茶色い髪を纏った彼女は
手にクリームをすり込みながら
乗り込んでくる

ロクシタンのハンドクリームを
小一時間煮詰めたような
こめかみが締められる匂いだ

席はポツリ、ポツリと空いているが
移動するほど面倒でもない

また二、三駅後
間に座ったモヒカンパーマの
サラリーマン

「いい匂い」
なんて思ってるのかしら
私は全く
吐きそうだ

だんだん高くなる建物横目に
この感覚はなんという?

難波駅下車
一人で商店街は勇気というか
殺意を殺して歩く
無駄な能力を要求されるので
一つ、二つと筋をずらしていつも歩く

飲食店をすり抜け

玉ねぎを炒めている匂い
玉ねぎ炒めてるなぁ と思い
「めっちゃ玉ねぎ炒めてる」
と頭に羅列する

口からは
たまねぎの
「たっ」という言葉が漏れる

羅列した言葉が
アメ色のたまねぎに変わる

生きれば生きるほど
人と繋がれば繋がるほど
都会を歩いていると
「なんかみたことある顔」
に出会う

誰だっけな
と考えている時間を
短縮させ 北上する

リードに繋がれた
二匹の犬とすれ違う
前後左右に暴れまわる
そのチワワは
目が血走っている

一人で歩いているときは
いつでもどこでも
誰かがみていると思いながら
かっこつけて歩いてる
なんて思われないように
如何に平然を装い
頭の中では思案を繰り広げる

「なんかみたことある顔」
は未だにそのままで
羅列されたただの薄闇になる

わたしはアーティスト

さて
明日はどこへ向かう
昼間飛行の 司令官さん