今を遡ること数年前、私たちの結婚相談所に、34歳の小柄な女性がご来店されました。

※いつものことですが身バレ防止のためフェイクが入っています

 

 

芸能人で言えば、元モーニング娘。の

矢口真里さんに似た感じ。

 

青春 僕/青春 俺 青春 僕/青春 俺
100円
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大きな胸を強調するピッタリした服装で、

派手でかなりセクシー。

頭の回転も速く、早口でよく喋る方でした。

 

 

 

彼女は椅子に深く腰掛け足を組むと、なかなかにふてぶてしい態度で所長に言い放ちました。

 

「私、今まで彼氏もたくさんいたし、前にはプロポーズされた事もあるんですよね。まあ私がまだ遊びたくて断ったんですけど。」

 


 

小柄な体に似合わず、態度はデカめでした。


「年収は最低700万で一部上場企業勤務でBTSにいそうなイケメンを希望します。チビとデブとハゲは絶対ムリ。長男以外。田舎は無理です。会話が面白くてリードが上手な人。私、結構年下と合うんで、下は20代でもオッケーです!」

 

 

アラサー独身男性の所得年収中央値は、
東京ですら370万。
※アラサー既婚男性の中央値は525万

 

30代を狙うなら、年収が高い人が沢山いる結婚相談所でも、年収400万から探すのが妥当です。

 

 

 

 

年収700万のイケメンは、

もちろん相談所には存在します。

 

しかし、

 

条件の良い30代の男性は

20代の美人を希望する。

妥協してギリ32歳。

 

 

彼女は可愛いけれどすごい美人というわけではなく、年齢はすでに34歳。ハイスペからは検索すらされないし、お見合いを申し込んでも年齢で確実に足切りに引っかかります。

 

 

どう考えても高望み!!

 

 

 

あと、一つだけ言わせてくれ!

 

 

女性が年下OKでも、

 

男子はわりと

年上NG!!

 

 

 

 

当社の所長はやんわりと、彼女の希望がどれだけ難しいか、当てはまる人数がどれくらい少ないか、検索画面を見せて説明しました。

 

 

 

ところが彼女は、

ノンスタイルの井上さんと同じくらいにポジティブでした。

 

「それだけの人に会えるんなら、絶対ワンチャンあるでしょ!」

 

 

 

だーかーらー!ハイスペが100人いても、

34歳では会ってもらうこと自体が難しいって今言ったよね?

 

 

俺の、俺の、俺の話を聞けー!!

2分だけでもいいー!!

 

 

 

所長は頭を押さえましたが、

彼女はもう入会してしまったのです。

 

 

 

30代前半のハイスペイケメンを奪い合う戦場には20代の美人がうようよしているというのに、30半ばでスペック普通の会員様が無謀にも突っ込んでいくのです!


少しでも気を抜いたら即死!

 

 

彼女が死なないように、

こちらも全力で援護射撃するしかない!

 

 

 

 

まず、ハイスペに選ばれるには絶対に手を抜けない、プロフィール写真です。

 

所長が普段勧めるのは、

かなり綺麗に撮ってくれる高め写真館と、

そこそこ綺麗に撮ってくれる安い写真館。

 

そして滅多に使いませんが、本人が跡形も無く消え去り、全く別人の超絶美女が錬成される写真館もありました。

 

 

 

綺麗には撮りたいけれど、別人のように美人になってしまっては、会った時の相手のガッカリ感が半端ない。しかし彼女はもう34歳。ちょっと美人になったくらいの写真では既読スルーで終わりです。

 

所長は色々考えた結果、

メガ盛り・別人コースで行くことにしました。滅多に使わない写真館で、変身の魔法を発動したのです。

 

マハリークマハーリタ、

ヤンバラヤンヤンヤン!

テクニク・テクニカ・

シャランラー!

 

普通の写真で誰とも会えないよりも、詐欺写真でガッカリされる方がまだマシ!

 

それに、写真と同じ服と同じヘアスタイルで行けば、多少のギャップは埋められるはず!あとは彼女自身のコミュ力で勝負だ!!

 

 

 

どんな層に選んでほしいかも考えました。彼女自身は特にハイスペではないため、ハイスペの同年代を狙うのは難しい。


所長はカメラマンに、年上の男性に刺さるように可愛らしさを前面に出してくれ!と伝えました。彼女の低身長も武器にし、大きい椅子を後ろに置いてもらい、彼女の小柄さが際立つ写真を撮ってもらいました。

 

 

 

所長が本気で指示した甲斐があり、素晴らしい詐欺写真が出来上がりました。

 

 


さらに、所長は彼女に秘策を授けました。

 

 

 

当社は4つの連盟に加入しています。

最も所属人数が多いのはIBJ。

 

しかし、人数が多いということはライバルも多いということ。IBJには若い女性が多く、30代ハイスペには20代半ばの女子もバンバン申し込んでくる。

 

  

 

34歳と25才!!

 

 

 

コイキングとギャラドスぐらい戦闘力が違う!!

 

IBJだけを使っていては、彼女のスペックでハイスペと結婚するなど夢のまた夢!!

 


所長は4つのうち、もっとも女性の平均年齢が高い連盟をメインに活動することを指示。月に最低でも50人に申し込みするように命じました。

 

さらに、毎日ログインして新規の人に一番に申し込むように口を酸っぱくして言いました。

 

 

 

 

 

実は相談所には、

 

最初に会った人を運命の人だと認識する

 

という素直すぎる人が、男女共ごくわずかですが存在します。もしそのタイプのハイスペと運良く一番にお見合いできれば、ゲットできる確率は格段に高くなる!

 

 

詐欺写真と所長の作戦は功を奏し、彼女は34歳にしてはかなりのハイスペ達と順調に仮交際に突入。持ち前の猫かぶりのうまさも手伝って、いい感じで交際を進めていました。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、何ということでしょう!

 

彼女は、

 

 

 

 

ものすごく

性格が悪かったのです!!

 

 

 

 

 

相談所のハイスペの中には、真面目で大人しくて恋愛経験が少ない人も結構います。

 

お見合いさえ組めて20代のライバルがいなければ、恋愛経験豊富な彼女が彼らを巨乳とお色気で落とすのは赤子の手を捻るようなものでした。

 

しかし、たくさんのハイスペに会えて調子に乗った彼女の高望みはとどまるところを知りませんでした。年収が高いだけでは飽き足らず、スマートなエスコートまで求め始めたのです。

 

真面目で奥手な男性達が、すらすら話せなかったり、リードが下手だったり、服がださかったりしたらすぐにゲンメツ。

 

 

 

所長が必死で繋いだ赤い糸を

 

 

なんかアイツ

アラフォーのくせに

童貞の匂いが

する

 

と暴言を吐きバッサリとカット。

 

 

(ちなみに、童貞や処女だからといって成婚率が下がるかというと全くそんなことはないです。むしろ華やかな恋愛遍歴がある人の方が苦戦し誰とも付き合ったことがない人の方があっさり成婚したりします。今まで恋愛経験無い人、自信持ってね!)

 

 

 

ハイスペと何人も仮交際して天狗になった彼女は、ある日、とんでもないことをやらかしました。

 

 

 

あろうことか、彼女に夢中になっていた真面目で大人しいハイスペ男性の1人をアウトレットモールに連れて行って、

 

 

自分の服やカバンを散々買わせた挙句その日の晩に交際終了

 

 

 

という、

結婚物語始まって以来の、

歴史に残る鬼畜の所業をやらかしたのです!!

 

 

下衆の極み!人にあらず!地獄の鬼すら反吐吐く所業!来世人に生まれると思うなよ!

 

 

 

 

最初から付き合う気がないなら

そう言えばいいのに、

 

 

 

どうせ振るのだから、その前にたっぷり金を使わせてやれという、その性根の腐りっぷりときたら!!!

 

 

 

 

所長は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の王を除かねばならぬと決意した。

 

 

 

 

それまでは、彼女の婚活がうまくいくように男性へのラインの送り方、デートでの振る舞い方などを一生懸命アドバイスしていた所長ですが、その事件後は彼女が電話をしても事務的な要件以外は一切答えなくなりました。

 

 

所長のアドバイスが無くなったからか、付き合ううちに性格の悪さがバレたのか、それとも天罰が下ったのか。彼女の仮交際はどんどん終了していきました。気がつけば、持ち駒は1人もいなくなっており、35歳の誕生日がやってきてしまったのです。

 

 

 

彼女は焦って色んなハイスペに申し込みましたが、OK返事はゼロ!

 

 

34歳と35歳の間には、越えられない壁がありました。

 

 

 

そもそも、今までは所長が向こうの仲人さんに頭を下げて、会員さんにお見合いを受けてもらえるよう必死でお願いしていたおかげでハイスペとなんとか会えていたのです。

 

 

彼女は動揺を抑えきれず、以前仮交際していた男性を検索しました。 

 

もう童貞臭いけどこの際アイツでいい。

アイツ、私にベタ惚れしてたし、再申し込みすればまた付き合えるだろう。

 

 

 

 

そう思って前に貢がせた例の彼を探すと、

彼はすでに他の人と真剣交際していました。

 

 

アイゴー!!

 

 

二人の root 君はもういない
過ごした route 覚えてもない
今じゃもう 自分でも全て見失い
問いかける 鏡に写る君は誰?

 

 

君の為なら(財布の)

痛みさえ見せずにいれた彼を

 

FAKE LOVEで散財させた彼女に、

戻る場所はありませんでした。

 

 

 

 

自力で会えるのは落としたいとも思えない冴えない人ばかり。

 

 

35でもお見合い自体は組めましたが、

神様も怒っていたのか、酷い男性にばかり当たりました。

 

こちらの学歴をバカにしてくる男性とのお見合いを一生懸命盛り上げたのに割り勘にされたり、サイゼリヤで1時間ずっと自慢話を聞かされたり、セクハラされた挙句に注意したらキレられたり。

 

 

 

この時、はじめて、

彼女は自分のレベルを実感したのです。

 

自分が今まで馬鹿にしてきた男性達は、

 

みんな、今会える男性よりよっぽどステキな人達だった。

 

それなのに、私はそういう人たちを格下扱いしてぞんざいに扱っていたんだ。

 

 

彼女はゴルツィネの手に堕ちたアッシュと同じくらい憔悴しました。

 

 

もう、ハイスペじゃなくていい。

 

普通の人でいいから、結婚したい!

 

 

すっかり反省した彼女は、

泣きながら所長に謝りました。

 

 

所長は無言で、一枚のプロフィールを彼女に差し出しました。

 

 

33歳、

年収800万、

身長183センチ。

 

住んでいる場所は田舎ですが、一流大学出の一部上場企業勤務です。

 

よく見れば顔立ちは悪くありませんが、全体的に垢抜けない雰囲気で、以前の彼女だったら奢ってもらってから即切っていたタイプです。

 

 

でも、冴えない上にクセの強い人ばかりに会い続けていた今の彼女には、彼が王子様に見えました。

 

 

「来月から活動予定の会員様です。とても大人しくてシャイで、女性と目を合わせて話せないタイプです。でも、本当に優しくて誠実な人です。

 

もし、あなたが希望するならお見合いを組みますが。」

 

 

 

彼女は壊れた赤べこのようにブンブン首を振ってうなずきました。

 

 

 

 

お見合いの日、現れた彼は、ひどい猫背でおどおどしており、女性慣れしていない雰囲気を漂わせていました。

 

 

でも、まごまごしながらも彼女を柔らかいソファー側に座らせようとしてくれたり、どもりながら店員さんを呼んで彼女の分までメニューを注文してくれたり、一生懸命に会話を続けようとしてくれたり、彼のピュアで真面目な性格は、すぐに伝わってきました。

 

 

思い返せば、

今まで出会った男性たちもみんな、

 

こんな風に、慣れない中で一生懸命に彼女を楽しませようとしてくれていたのです。

 

それなのに、自分ときたら、そんな優しさや努力にも全く気がつかず、

 

ホストのようにスマートにもてなしてくれ、石油王のように奢ってくれる男性でないと自分に相応しくないと、

 

本気で思っていたのです。

 

 

緊張で手を震わせながらコーヒーを飲む彼を見ながら、彼女は今までの自分が心底恥ずかしくなりました。

 

 

彼の話は上手じゃなかったけれど、彼女はできるだけ笑顔で聞いて、会話が途切れたらどんどんこちらから話題を降りました。最初はどもっていた彼も、彼女がニコニコしているので自信がついたのか、楽しそうに話してくれるようになりました。背筋が伸びて笑顔になると、彼はなかなかのイケメンに見えてきました。そういえば、BTSのRM(ナムジュン)に心なしか似ています。

 

 

 

今まで、

男は女を楽しませて当たり前。

スマートにリードして、スマートにおごるのが当たり前。

 

そう考えていた彼女。

 

 

しかし、ひどい人に当たりまくった今、

 

彼に出会えたことに感謝し、

彼のピュアさに心を癒され、

彼に楽しくこの時間を過ごして欲しいと心から思っていました。

 

 

気がつけば3時間が経っていました!

 

 

 

店員からカップを下げられて、さすがに解散の雰囲気になりました。

 

名残惜しそうに上着を羽織る彼。

 

今までは男からどうやって告白させるか恋愛テクニックばかり駆使していた彼女ですが、その時は素直な気持ちが言葉に出ました。

 

「すごく楽しかった!また会いたいね!

 

彼は真っ赤になって、

 

「は、はい!」

 

と言ってくれました。

 

 

 

 

こうして、2人は仮交際に入りました。

 

 

 

所長は、心を入れ替えた彼女に、

たくさんのアドバイスを送りました。

 

 

 

「彼が活動を始めたら、

当然20代のライバルが大量に現れます。

 

他の女と会う暇を彼に与えてはなりません。毎日1時間でも会いに行きなさい。メールやラインでは仲は深まらないし会えない時間は愛を育てない!とにかく会って彼の予定をどんどん埋めて行きなさい!

 

 

彼みたいに自分に自信がないタイプは、自分が好かれるなんて何かの間違いだと思いがちです。お金を使わせたら、結局それが目当てだったんだと絶対に引いてしまう。

 

海を見ながら缶コーヒーを飲むとか、手作りのお弁当で公園デートとか、お金をかけないデートをしながら、どんな結婚生活を送りたいか、2人で夢のある会話をするように!」

 

 

今までの彼女なら、海辺で缶コーヒーなんて鼻で笑っていたでしょう。しかし、生まれ変わった彼女は所長の指示に従い、彼に極力お金を使わせずに楽しく過ごしてもらえるよう心を砕きました。

 

 

 

もちろん彼も何度かお見合いをしました。

  

しかし、彼は結局、彼女以外の女性とは

1人も仮交際に進みませんでした。

 

 

 

 

2人の間では自然に結婚の話が出、

とんとん拍子に住む場所もきまりました。

 

 

 

そんな感じだったので、

特にプロポーズはありませんでした。

 

 

今までの彼女なら、

 

プロポーズが無いなんてあり得ない!

夜景の見える高級レストランで、

結婚指輪は絶対ブランド物!

 

と言い張っていたでしょう。

 

 

しかし、謙虚になった彼女は、

もうそんな小さなことにこだわってはいませんでした。

 

 

 

これから一生、

彼が私の側にいてくれる。

それだけでもう十分だ。

 

 

彼女は心からそう思っていました。

 

 

 

 

 

ある日、

デートを終えていつものように車で家まで送ってもらった時のことです。

 

家に入ろうとした彼女の腕を、

彼が掴みました。

 

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

 

彼はわたわたしながら、

ガサゴソポケットを探ると、

何かを取り出しました。

 

 

「お、遅くなったけど、

ほんとに今更だけど、

 

 

僕と結婚して下さい!」

 

 

彼の手には、小さなリングケースが。

箱の中には、キラキラ輝く、大きなダイヤモンドがすまして鎮座していました。

 

 

 

 

 

実は、

結婚の話をずっとしてるんだから

今さらプロポーズなんてしなくても、

と思っていた彼。

 

 

 

 

絶対彼女はプロポーズされたいタイプだよ!と所長からこんこんと説得され、

 

こっそりとダイヤを準備していたのです。

 

 

 

 

 

「デザインは好みがあるから指輪を買うのはやめとけって所長に言われて、石だけ買っておいたんだ。一緒に、この石を付ける指輪を選びに行こう。

 

 

ほんとはさっきのレストランで渡す予定だったんだけど、恥ずかしくてなかなかタイミングが分からなくて、今になってごめん!

 

 

えっと、天真爛漫なところとか、僕のことを大好きでいてくれるところとか、褒め上手なところとか、好き嫌いがハッキリしてるところとか、わりと毒舌なところとか、結構めんどくさいしすぐに怒るところとか、そういうのひっくるめて全部好きです!」

 

 

と顔を赤くしながら話す彼。

 

 

彼女は驚いて彼の顔を見れず、ずっとダイヤモンドを見つめていましたが、ダイヤがだんだんグニャグニャに滲んで行くのを見て、自分が泣いていることに気付いたそうです。

 

 

 

出会って8か月で、2人は成婚退会。

 

彼女は入会時のふてぶてしさが信じられないくらい、謙虚でしおらしくなり、

 

彼は入会時に緊張で挙動不審だったのが嘘のように、自信に満ち溢れていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、婚活している方で、

「30過ぎて残っている男にはろくな奴がいない!!」

 

なんて言っている方がいたら。

 

 

 

 

謙虚に自分のレベルを受け止めて、

 

目の前にいる男性が今あなたに会ってくれること自体に感謝できたら、

 

 

 

婚活はすぐに終わるかもしれませんね。

 

 

 


本日もお読みいただき、

ありがとうございました。

 




結婚物語。は5つの連盟に所属しています。


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