「ブスが美人に恋愛相談するな!!」
さて、皆さんは、どちらかと言えば美人でしょうか、それともブス寄りでしょうか。
兵庫県宝殿駅前、結婚物語の仲人Tです。
皆様は、恋愛や婚活で悩んだ時、誰に相談しますか?大体の方が、同性の友人に相談されるのではないでしょうか。
私もそうでした。
中学高校と、ガリ勉で一度も彼氏ができたことが無かった私。もちろん告白もされたことは一度もありません。大学時代、サークルの飲み会で、可愛い同級生のMちゃんに恋愛相談をしていた時のことです。
「男の人にはボディタッチがいいよ!」とか「メールはすぐに返さない!じらすの!」とか、多分そんなアドバイスをしてもらっていた時のことです。
サークル内で最もモテるイケメンの同級生(佐藤健似)が、ビールジョッキを片手に、私たちの間に乱入してきたのです。
「おい!T!
お前、ブスなんだから、
美人に恋愛相談すんな!!」
飲み会は静まり返りました。
佐藤健(勝手に命名)は、何を思ったのか、急に私の前に座り込み、私の手首を掴むと壁ドンしてきたのです。
近い!顔が近い!まつ毛長い!
あと男のくせに超いい匂いする!!
すっごい動揺する私に、
佐藤健は言いました。
「今、ドキドキした?」
何も言えず、
鯉のように口をパクパクする私に、
佐藤健はかぶせてきました。
「何でドキドキしたと思う?
それは、
俺がイケメンだからだ。」
えっ・・・
こいつは何を言っているんだ?
その場にいた全員がそう思ったと思います。
佐藤健は続けました。
「もし俺がブサイクだったら?
壁ドンされてドキドキするか?」
えっ、ブサイクに壁ドンされたら?
ドキドキ、は、多分しない・・・
ていうか、なんかムカつく!
ブサイクが何調子乗ってんねん!ってなる!!
「そうだろう。
お前がやっているのはそれと同じだ!!」
佐藤健は畳み掛けてきました。
「いいか?Mちゃんは美人だ。美人にボディタッチされたら男は嬉しいし、美人がメールを返してくれなくても男は頑張って食らいついていくだろう。美人だから、それはモテるテクニックとして通用するんだ。
しかし!!
お前は!!
ブスだ!!」
ひどい!!オブラートゼロ!
「ブスに触られたらキモい!そして、ブスに焦らされたら、ブスのくせにと苛立ってメールはそこで終了だ!!上目遣い、髪をかきあげる、足を組み替える、恋愛相談を持ちかける、返事がもらえるよう質問が入ったメールを送る、そういうテクニックは、ブスにやられてもウザいだけだ!!
ブスに恋愛テクニックを使う資格などない!!」
ぐはーっ!!
私は、涙目になって言いました。
「じゃ、じゃあ、ブスは、
ブスはどうしたらいいん!?」
佐藤健はきっぱり答えました。
「ブスは中身で勝負だ!!」
「いいか?ブサイクな男でも、金が稼げて話が面白かったらモテるだろう。売れているブサイクな芸人には、必ず可愛い彼女がいる。それと同じように、ブスは、誠実さ、優しさ、料理ができる、褒め上手、聞き上手、床上手、金を貢ぐ、中身で勝負するしかない!
ブスはひたすら、人間性を磨かなければならない!!」
「に、人間性・・・。
わ、分かった。私、頑張って、中身を磨くわ!性格のいい人になる!」
佐藤健は頷いてビールを一口飲むと、
爽やかな笑顔で私の肩を叩きました。
「ちなみに性格のいいブスと、
性格の悪い美人の二択なら、
男が選ぶのは間違いなく
性格の悪い美人だ。」
ええーーーーーー!!
人間性、
意味ない!!
「いや、人間性は大事だ。なぜなら、性格の悪いブスと性格のいいブスなら、性格のいいブスが選ばれるからだ。
しかし!ライバルが美人なら、ブスは何をやっても負け戦だ!!」
ぐはあーっ!!!
救いがない!なさすぎる!
うなだれる私に、
佐藤健は言いました。
「5万だ。」
「5万で、お前をブスでもモテるようにしてやろう。月曜9時30分、5万を持って駅に来い。」
その日の晩、私は風呂場の鏡で自分の顔を見つめました。
そうかー、
私、そんなにブスだったのか・・・。
美人ではないと思ってたけど、そんな、めっちゃブスとまでは思ってなかった。普通だと思ってた。
でも、私がブスブス言われてた時、周りのみんなは、酷いこと言うよね、みたいな感じにはなってたけど、誰一人「Tちゃんはブスじゃないよ!」って言ってくれた人はいなかった。
私、まごうかたなきブスやったんや。
ちょっぴり涙が出ました。
月曜日、当時の私には大金の5万を持って駅に到着すると、佐藤健はすでに駅で待っていました。隣には、別の超絶イケメン(菅田将暉似)が立っていました。
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佐藤健の友人らしきその男性は、ニコニコと話しかけてきてくれました。
「今日はよろしくね!俺も全力で頑張るから!」
えっ、何を?
意味が分からず連れていかれたのは、定休日のヘアサロンでした。佐藤健の友達は、そこの美容師さんだったのです。近所の二千円カットの美容院しか行った事がなかった私は、店のあまりのオシャレさにガクブルしていました。
菅田将暉(勝手に命名)は微笑んで言いました。
「他のスタッフもお客さんも、誰もいないから、リラックスしてね。オシャレな美容院って、入るのに勇気がいるから、休みの日の方が人目が無くていいかなって。」
佐藤健は言いました。
「ブスでもモテる方法が一つだけある。
ただのブスではなく、
いい感じのブスになることだ!!」
いいこと言ってる風やけど
結局ブスはブスなんかい!!
すでにヘアスタイルは決まっていたらしく、私の意見は何一つ聞かずにカットとカラーが始まりました。
今まで髪を一度も染めたことがなかった私は、「1回染めたらずっと染めなアカンから、黒髪がいい」と反抗してみましたが、佐藤健に「は?色黒のくせに髪も黒って、松崎しげるかよ。黙って茶髪にしとけ」と言われ、却下されました。松崎しげるさんすみません。ファンです。
2時間後、鏡の中には、
かなり変身した私がいました。
衝撃でした。
顔自体は全く変わっていないのに、髪の色とヘアスタイルを変えただけで、こんなに変わるのか。
五段階評価の2から、いきなり4になったような気がしました。菅田将暉もかなりドヤ顔をしていました。
さらに菅田将暉に眉を整えてもらい、メイクもしてもらい、絶世の美女とはいかないまでも、そこそこ可愛い女子大生が誕生したのです!!
帰り道、
佐藤健は、大きな紙袋を私にくれました。
「これやるよ。姉貴の服で、もう着ないやつをもらってきたから。お前と背が同じくらいだし。あと、使わない化粧品とかももらってきたから、メイクも練習すれば?」
中にはカラフルなワンピースや体のラインが出るぴったりしたニット、パステルカラーのミニスカなど、いつも安いからとフリーマーケットで服を買っていた自分だったら絶対に選ばない女の子らしい服や、可愛らしいメイク用品がたくさん詰まっていました。
えっ、
なんで私にこんな、
親切にしてくれるん?
わざわざ友達に頼んで休日に美容院を開けてもらったり、お姉さんに服をもらってくれたり、なんでそこまでしてくれるん?
佐藤健を見上げると、目が合いました。
彼は優しく微笑みました。
「お前、すごく真面目だよな。めっちゃ退屈な中国文学の授業でも、いつも一番前で寝ずにノート取ってるし。お前のそういうとこ、マジですごいと思う。」
えっ、私のこと、
授業中に見てたってこと・・・?
も、もしかして、彼は、
私のことが・・・!?
ドキドキして無言になった私に、
佐藤健が言いました。
「彼女が授業サボってて、ノートのコピー欲しいみたいだから、明日忘れずに頼むわ!」
ですよねーーーー!!
何も見返りないのに超絶イケメン様がブスに親切にしてくれませんよね!!
うん分かってた!
そういえば、私さっき5万払いましたよね?でも考えたらヘアカットとカラーで1万ちょいでしたよね?5万払ったらお釣りめっちゃ出ますよね?
残りのお金はどこへ行く感じですか!?
私が何か言う前に、佐藤健は爽やかに反対側のホームへ消えて行きました。
色々言いたいことはあったのですが、
ヘアスタイルとメイクとファッションを変えて2週間後に他の大学の男の子から告白され、人生で初の彼氏ができました。
その彼とはすぐに別れてしまいましたが、その後も、バイト先の先輩からも告白されたり、特に中身が変わったわけでもないのに、急に周りの男性がおごってくれるようになったり、初めてナンパされたりと、人生が大きく変わったのです。
何より、自分が好きになりました。
中学の時から、
なぜ私はモテないの?
とずっと悩んでいた私。
その悩みは、
見た目を変えただけで、
たった1日で、
解決したのです。
生まれつき美人は得よね。
どうせ私は・・・。
と、物心ついた頃からずっと思っていたけれど、自分がちゃんとオシャレをするようになってはじめて、美人がいかに努力しているのか、自分がどれだけサボっていたのか、つくづく思い知りました。
この仕事をやっていると、あの時の私のような女性に出会うことがあります。
髪がボサボサだったり、服が地味で体のラインが隠れるものだったり、メイクを知らなかったり。
そういう方に限って「どうして婚活がうまくいかないのだろう!?私の何がいけないのだろう!?」と、ご自分の性格についてひたすら悩まれていたりします。お見合いをやっと組めても交際につながらず、「会話の盛り上げ方が下手なのかな?ラインのやり方が悪いのかな?」と、ひたすら自分の中身について悩まれているのです。
言わせてもらいますが、
あなたの性格は、まったく悪くありませんから!
性格じゃなくて、
見た目が、
男性にとって、
ピンとこないだけ。
「どうせ男は顔なんでしょ!」
なんて斜に構えないでください。
見た目を頑張っただけで、
男性が優しくなると分かっているなら。
一度素直に、
全力でキレイになってみませんか?
本日もお読みいただき、
ありがとうございました。
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