【幻想物語 第3章 第6話】 | 毎日きびきび

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遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

こんばんわ!


もう完全に小説専門と化したよな、このブログwww


まぁいいか・・・・・



前回はアスカが超良い奴だったんだよなぁ・・・・・・


さて、連休も明け、2人を待ち受けるのは、模擬戦闘試験ですねww


今回はガイアとライナは激突しませんが、次回か次々回あたりで激突しますよぉ♪


あっ、余談ですが、既に4つほど、新たな小説の設定ができてしまいました(汗)

今度、友達に見てもらおうっと☆




幻想物語


第3章 第6話



勝負にならないよ



1年9組、それは1年生の中でもエリートを選りすぐった、特別選抜とも言うべきクラス。

既に凄まじい実力の持ち主であるにも関わらず、2人の生徒には勝ち目がないと自覚していた。

ライナと、ガイアだ。

ガイアの強さは未だ未知数であり、ライナも同じだ。


どちらが9組の、いや、1年生のトップに立つべき存在か。

それを決めるべく、担任が提案した、“模擬戦闘試験”。


案の定、ABブロック双方に割り振られた、ガイアとライナ。

そのブロックに、各15人、総勢30人のエリートたちが割り振られる。


既に戦意を喪失しかかった者、やる気を起こし、執念に燃える者、ガイアへのリターンマッチへと燃える者、といった具合に、様々な者がいた。

入学式の日に話しかけてきた、ヒデトはライナと同じBブロック。

蓮香は、ガイアと同じAブロックだ。


試験が行われるのは、1時限から4時限まで。

1日がかりの授業に、他クラスからあがるのは、異論の声。

だが、「9組だから」と言えば皆が黙る。

それほど、9組は桁違いの実力を持った集団なのだ。

しかし、その9組からも、約2週間後、10人が消える。


誰しもが、消えたくない、生き残りたい、そう思って今まで臨んできた。

そんな努力も、10人分は無駄になる。



「ではこれから、模擬戦闘試験を始めてもらいます。この試験の結果は、クラス編成に大きな影響を及ぼします。くれぐれも、気を引き締めて臨んでください。ちなみに言っておくと、病院送りになっても、学校側は一切の責任を負いません。まず・・・・・初戦は、ガイア・アルファイド対西条蓮香。両者、前へ。」

担任が淡々と話を続け、ガイアと蓮香を見る。


はい、という返事が2つ聞こえ、スタスタと前へ出る。


「では、私がストップをかけるまで続けてもらいます。両者、準備はいいですね?」



「はい。」

「いつでもいいわよ。」

またも2つ返事が聞こえ、その場の空気がピリピリしたものに変わる。


「では・・・・・・・始め!!」


最初に口を開くのは、案の定蓮香だ。

「ガイア君、手加減しないわよ。」

それに対し、ガイアは何の返事もせず、制服のズボンの懐に両手を突っ込んでいる。


それを見た蓮香は、苛立ちの表情をあらわにする。

「ず、随分余裕なのね。」


ガイアは、なおも沈黙を続け、動こうとしない。


「だんまりしてるってことは、やられても文句はないわよねぇ!!」


  ライジング・トゥール

「雷豪渦鎧!!」


蓮香を包み込む形で雷の渦が発生し、鎧のように体を取り巻く。

ランク5の憑依型魔法。

威力は高めの魔法であり、さすが9組といったところだろう。


「はああああぁぁぁぁぁ!!」

ダッと駆け出し、ガイアに迫る。


だが、ガイアは身動き一つしない。

それに加え、懐から手すら出さない。


「その余裕が命取りなのよぉ!!」

走りながら右手に力を加える。


右手を前へ突き出し、雷の一撃をガイアに浴びせようとする。

だが、その拳はガイアに届かず、ガイアの顔面数mmのところで勢いを失った。


「なっ!?」

蓮香がいくら力を加えても、ピクリとも動かない。


次の瞬間、蓮香の腹部に強い衝撃が走り、同時に雷豪渦鎧(ライジング・トゥール)ごと蓮香の体を吹き飛ばし、体育館の壁にめりこませた。

その間、ガイアは微動だにしていない。

指一本動かしていないし、一歩も動いていない。

ましてや、手を懐から出してすらいない。


蓮香は腹部を庇ったままの姿勢で気を失っていた。

口からは血が垂れている。


何が起こったか、全員が理解できずにいた。


「無動作・・・・・・魔法・・・・・。」

ライナがポツリと言うと、周りにいた全員がライナを見る。


「無動作魔法って何だよ!?」

ヒデトが声を荒げて尋ねる。


「無動作魔法ってのは、手や足を動かさず、魔法名すら唱えない魔法の発動方法なんだ。だから、いきなり雷が出たり、炎が出たり、吹っ飛ばされたりする。最も、めっちゃ高いスキルがいるんだけどな。」

ライナは驚きを隠せない表情で語る。


その説明に、聞いていた全員の反応は驚嘆しかない。

だから、蓮香は何もしていなかったガイアに吹っ飛ばされたのだ。


そのとき、咳き込む声が小さく響く。

声の主は蓮香だろう。

意識を取り戻したようだ。


「あん・・・・た・・・・何を・・したの・・・・・?」

スタスタと近づいてくるガイアに、蓮香は消え入りそうな声で尋ねる。

その問いかけに対する返事はなく、氷のように冷たい目で蓮香を見下している。


「何・・・・なの・・・・よ・・・・?」

ぐったりしたまま、目の前に立っているガイアに目線を向ける。


「君、ホントに9組?」

冷酷にそう言うと、眼光をますます鋭くする。

目線は冷たさを増し、それだけで凍らせるのではないかと思うほど、冷たい。


「9組に君みたいなゴミはいらないんだよ。勝負にならないよ。」

そう言い放つガイアの足に風が纏っていることに、最初に気づいたのはライナだった。


「西条!!!逃げろ!!!」

大声で怒鳴り、危険を知らせる。


「えっ、何――」

蓮香は最後のセリフを言うことなく、ガイアの風を纏った蹴りを腹部に思いっきり喰らい、受け身をとる暇すらなく外まで吹っ飛ばされた。

凄まじい轟音が響き、体育館に空いた大穴の姿をより強調する。


西条さん!!

蓮香ちゃん!

蓮香!!

西条ぉぉ!!


全員が総立ちになり、蓮香に駆け寄る。

ライナとアスカもその後に続く。


蓮香は完全に意識を失い、口からは大量の血が溢れ、体は傷にまみれている。


呼びかけにも応じず、意識が戻る気配はない。


「どいて!どきなさい!」

担任が人波をかき分けて進み、蓮香の下へ辿り着く。

容態を確認すると、怪訝そうな顔になる。


胸ポケットから携帯電話を取り出すと、ピッピッピとボタンを連続して押す。


「もしもし?こちらエルタリオ高等学校教員、リンジャーです。生徒が一人、重傷を負っています。私が見る限り肋骨が3本の骨折と腎臓の一つ破裂、腸の損傷などの症状があります。エルタリオ高等学校第1体育館まで至急救急車をお願いします!!」


それから2、3分してから救急車が到着し、蓮香は養護教諭と一緒に病院に搬送された。

大騒ぎになった9組を鎮め、冷静に言う。

「えー、初戦から大事(おおごと)になりましたが、試験は続けます。」


その指示に、全員が驚愕の声をあげる。


「それとガイア君、もう少し加減した攻撃をお願いします。」

冷静に、しかし怒ったようにガイアを睨みつける。


ガイアは短く、はい、とだけ笑顔で言い、ツカツカと観覧席の方まで歩いて行った。



「ガイア。」

ライナは、ガイアに対して後ろ向きのまま、小さくその名を呼ぶ。

「何だい、ライナ君?」


「あそこまでやる必要があったのか?」

それを聞くと、表情こそ分からないが、高らかに笑いだした。

今まで、笑いを見せたことのないガイアからは想像もつかないほど、高らかな笑いであった。


「あっは!何言ってんの?馬鹿だねぇ。負けた人間に、弱い人間に、勝者と同じ道を歩ませるつもりかい?とんだ甘ちゃんだね、ライナ君。負けた人間に選択肢はない、それだけのことだよ。」

そう言い放つと、なおもクスクスと笑っている。


「お前は、俺がぶっ飛ばす・・・・・」

小さくそう言うと、ライナも観覧席にゆっくりと戻った。


「楽しみにしてるよ。西条さんじゃ、勝負にならなかったからね。」

最後にクスッと笑うと、余裕そうにそう言った。


「では次、Bブロック初戦。ライナ・ウェルド対ヒデト・ロキア。両者、前へ。」

担任が崩れた場を立て直し、次の試合をコールする。


はい、短く返事し、スッと立ち上がる。


『これから全勝して、ガイアをぶっ飛ばす。こんなところで負けていられるか!!』
心にそう誓い、ヒデトと向き合った。



「では・・・・・始め!!」



『始め!』そのコールがされた瞬間、ヒデトの体は後方に吹っ飛ばされた。

対抗心を燃やす、ライナの無動作魔法が決まった瞬間の出来事だ。


ヒデトは何が起こったか分からないまま、目をパチクリさせて、ぐったりとしている。


制服の胸部に跡が残っている。

魔法が当たった証拠だろう。

しかし、吹っ飛ばされた距離と、ダメージの関係がおかしい。

それは、実際に攻撃を喰らったヒデトにしか分からないことだった。

ガイアとは違い、手を抜いたのだろう。

担任に、見つからないほど緻密な手抜き。

それは、ガイアとライナにしかできないであろう芸当だ。


吹っ飛ばされる直前に、ヒデトの体が淡白く光ったのは、光属性の魔法だからだろう。

何にせよ、ガイアと同じで、数秒で勝敗を決めた。



第3章  第6話  完





・・・・・・・・・怖っ!!

ガイア君、怖っ!!!!

蓮香大丈夫か!?


いやぁー、自分で書いてて、ガイア君が恐ろしく思えてきた・・・・・




では、あでゅーо(ж>▽<)y ☆



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