【幻想物語 第2章 第2話】 | 毎日きびきび

毎日きびきび

遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

こんばんわ!!


最近小説しか書いてない気がしますが、気のせいですね!!




では、スタートアップアップ





幻想物語


第2章 第2話




7日。

ライナが学校を休んでから早くも1週間が経った。

相変わらず1日中家で時間を潰し、気が向いたら出かける、そういった生活を続けていた。



学校に行かなきゃいけないのはわかっている、だが、学校へ向かおうとすると体が拒絶し、足が動かない。

父親は相変わらず研究室に籠もり、研究を続けている様子だった。


母親も学校へ行くことに関しては何も言わない。

本人が行くというまで待つ様子だ。


何の変哲もない、暇で平和な時間が流れ、過ぎていく。

そして、今日もまた日が暮れ、1日が終わりに向かっている。


「明日は学校、行けるかな・・・・・」部屋の窓から夕焼けに染まった空を見上げ、呟いた。


1週間前の件があって以来、ライナは魔法を一切使っていない。

使えばまたケルベロスが出てくるのではないか、それが心配でならない。


出てくる分には構わない。だが、そのせいで周りに迷惑がかかるのは避けたかった。



「ライナー、ディナー、ご飯よー!降りてきてー」母親の声が家に響く。


階段を降り、リビングに向かう。この作業がやけに長く感じる。

気のせいだと分かっているのだが、ライナ自身、最近時間感覚がおかしくなっているのは感じでいた。


1日があっという間に終わったかと思えば、倍以上の長さに感じる。


5分間トイレに入っていただけで1時間に感じたり、2時間勉強したはずが5分程度にしか感じなかったりもした。


全て、1週間前から始まったことだ。


相談はしない。しても「気のせいだ」と言われて終わるのが関の山だからだ。


こうして夕食を食べていても時間がゆっくり感じる。



「ねぇ・・・・・・母さん・・・・・・父さんは?」口をモゴモゴさせながらライナが尋ねた。


「ん?ハリスのこと?まーだ研究室!もう1週間くらいになるのにねぇ・・・・・」


すると、ディナも会話に入ってきた。


「え?じゃあ晩飯とかは?」


「いらない、ですって。『いつもなら部屋の前に置いとけ!』って言うのに。何か変なのよねぇ・・・」


そう、とだけ返し、黙々と目の前の食事を食べ続ける。


テレビでは連日イルダに関してのニュースばかりをやっている。

だが、そのニュースの内容も母と兄の会話も、全く頭に入らない。


まるで、感覚が一点にのみ集中しているようだった。



「ごちそうさま」

そう言って自分の食器を片づけようとすると、

「えっ、もう?早ぇーな」

と兄が驚いていた。



食器を片づけ、自分の部屋に戻るはずが、その足は自然と父の研究室へと進んでいた。





父の研究室に入るための2つのうちの1つにあたるドアの前に立ち、恐る恐るノックしてみる。


しかし、返事はなかった。


もう一度ノックをしてみたが、やはり返事はなかった。


そっとドアノブに手をかけ、ゆっくりと力を加えてみた。

すると、蝶番が音を立て、開いた。



足音を立てぬようにゆっくり足を踏み入れた。


部屋は明るく、幾つもの机が乱立し、そのほとんどが研究資料と論文で埋まっている。

奥に進むと棚いっぱいの試験管が嫌でも目に入る。


動物の体の一部とおぼしき物体がホルマリンの溶液に浸かっている。


寒気を感じたので足取りを早め、一番奥の、『第3研究室』と書かれたプレートのかかったドアのノブを回す。

ギィっと金属音とともにドアが開き、部屋一面のパソコンが目に入ってきた。


意味不明な言葉がデスクトップに表示され、カリカリと音を立てながら動いている。


「ここにもいないか・・・・・」


一通り『パソコンだらけの部屋』を見て回り、諦めて部屋を出ようとしたライナの目に、1つの机が目に止まった。

明らかに他の机などとは違い、きれいに整頓され、他とは違う、最新式のパソコンが脇に置かれていた。

その机だけは部屋の片隅に置かれ、あたかも周囲の目から隠そうとしているように見えた。


一歩、また一歩と机に近づいた。

そして、机の上に置かれた紙に書かれていたタイトルを見た瞬間、驚愕した。


その紙の一番上に書かれていたタイトル、それは


「人体封印魔法における、媒体に対する、後(のち)の研究データを元にする推論」

であった。


今まで築き上げてきた父親の像がガラガラと音を立てて崩れ落ちた。



自分は研究資料でしかなかった、そう考えたとき、脳裏に浮かんだ父親の笑顔に、激しい憎悪が滲み出てきた。



次の瞬間、閉めておいたドアが開き、誰かが入ってきた。


ドアの開閉音に驚き、振り返るとそこには、父親の姿があった。


父は部屋に入ったことに叱咤することもなく、覚悟を決めたようにふぅ、と大きなため息をついた。



最初に口を開いたのはライナだった。



「これ、どーゆーことだ?」

その声は恐ろしく落ち着いていた。


「見ての通りだ」

父も、ライナと同じくらい落ち着いていた。


「意味わかんねぇよ。なんなんだよ・・・・・」


「すまない。お前が寝ている間に、色々とデータを取らせてもらっていた。」


その台詞を聞いた瞬間、ずっと堪えていたものが一気に爆発した。


「ふざけんじゃねぇ!!俺は父さんのモルモットじゃねぇんだよ!実験動物じゃねぇんだよ!!!母さんに心配かけてまで何やってると思ったら、自分の息子を材料にせっせと論文作りかよ!最低だよ!

学者とか、父親とかいう以前に、人として最低なんだよ!こンの・・・・・・クソ野郎!!!」


息を荒げ、内に秘めていたものを全て洗いざらい吐き出した。


「ライナ、聞いてく――」


「言い訳なんかすんじゃねぇよ!!!」父の言葉を遮って、怒鳴りつけた。


「悪いけどよ・・・・・今はこんな家にいたくねぇ・・・・・こっちから出てってやるよ。」そう怒声をあげ、反対側のドアから飛び出した。



外は雨だった。雨にも関わらず、外套も羽織らずに走り続けた。


そんなライナの頬から、雨とは違う、水が伝った。

拭っても拭っても、湧いてでてくる。


最も信じている親に、裏切られた。

それはライナの心に風穴を開けるには充分すぎるものとなった。


   ツイン・ウイング

「双天飛翔!!!」


ライナの背中に白い羽が2枚生え、ライナの体を宙に浮かす。


もっと、もっと遠くに!あんな奴がいないどこか・・・・遠くに!!



第2章  第2話   完






ふぅ・・・・・・・どーでしょう!?

何か今回はライナ視点での文が多かった気が・・・・・


父親の裏切り――これは一応初期設定時からできあがっていた構想ですが、次々回か次々々回あたりの小説更新でこの理由がわかりますよぉ♪


俺的にはもうちょっと感情移入できる文章と、文に膨らみを持たせる文章作りがしたいのですが、どーも上手くいきません。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。



あっ、小説書く人間としてはあり得ない質問ですが、真面目にコメントしてもらえると有難いのですが・・・・・・・・・・・・プロットって何ですか?





ではо(ж>▽<)y ☆



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