【幻想物語 第1章 第4話】 | 毎日きびきび

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遂に大学生。
気を引き締めていきたいですね。

これまで出会えた全ての人に感謝を。
これから出会っていくであろう全ての人に感謝を。

こんばんわ!!


久々の小説更新でっす!!!





では早速、スタートアップアップ


幻想物語


第1章 第4話




周りの人間にとっても嫌な1日。


そして、その日はライナにとって最悪な日になった。




朝9時、サンアントニア学園、3階、3年4組の教室。


ライナが登校すると、そこにはいつも通りの光景が広がっていた。


笑顔で談笑する男子、鏡と櫛と使って身だしなみを整える女子、静かに読書をする生徒、近く迫ったテストに向けて勉強する生徒。

様々な生徒がいる中、ライナは真っ先にレナの下に向かった。


目的はただ一つ。

先日の出来事を密告したのがレナであることを確かめること、それだけだった。


話しかけてくる男子生徒に挨拶を返し、ただまっすぐに歩みを進める。


自分のところに向かってきているのに気づいたのか、レナはやや怪訝そうな表情を表にする。


レナの机のすぐ前まで来たところで、ライナが口を開いた。

「お前だよな?昨日のこと父さんと母さんに密告したの。」


聞かれることがわかっていたのか、レナは平然としていた。

「・・・・・うん、そぉだよ・・悪い?」


「悪いね。俺に黙ってんなことすんなよな。いくら幼なじみっつっても、はっきり言って迷惑だ。」


「アタシはあんたのことを心配して言ってんだよ?アタシはあんたが暴走すんのを何回も見てるし、巻き込まれそうになった。だから黙っておけない。」


「だからさ、それが迷惑なんだよ。自分の体は自分が一番よくわかってんだから。」


埒があかない言い争いが続き、次にレナが口を開こうとしたときに教室のドアが開き、ライナ達の担任が入ってきた。

「よ~し、全員席着けー。朝のホームルーム、始めんぞー。」


ライナは軽く舌打ちし、レナを睨みつけた後、自分の席に戻っていった。


担任が点呼をとり始め、それが終わるやいなや次の話を始めた。


「え~と、皆に言わなきゃならないことがある。」

その言葉を聞いた瞬間、クラスが一瞬静かになった。


「今まで黙ってて悪かったんだがな・・・・・・実は・・・・・・・・」そこで担任はいったん言葉をきった。


全員が耳を傾けている中、再び担任が口を開いた。






「実は・・・・・・今日は実技テストの日だ・・・・・・」


実技テスト、クラス全員が一瞬その言葉の意味を理解できなかった。

が、いち早く理解した女子達が驚きと不平に満ちた声をあげた。


それに続き、他の男子生徒も声をあげ始める。


「静かにしろー!忘れてた俺も悪かったが、今日のテスト内容はいたって簡単だ。」


そーゆー問題じゃないだろー、といった声もあがったが、担任は無視して話を続ける。


「――授業連絡に関しては以上だ。あっ、今朝学校宛の不審な手紙が届いた。気をつけるように。」



「不審な手紙ってなんですかー?チョー気になるんスけどー。」女子の一人が髪をいじりながら尋ねた。


思い出したような表情をした担任は、再び話し始めた。

「今朝職員玄関の前にな、『今日、お前らの学校を壊しにいく。用があるのは1人だけだが、見せしめにそのクラスまるごとぶっ壊す。覚悟しておけ。     エリノウス市支配教団 イルダ』って書かれた手紙があったんだよなぁ・・・・・まぁイタズラだとは思うが、実在する教団の名前が出てる以上、一応警備を強化してる。何も起こらないとは思うが、全員、気をつけるように。」


そう言って、担任は教室からでていった。



担任の口から『イルダ』の単語がでた瞬間、ライナは思わず叫びそうになった。


まず間違いなく、先日襲ってきた奴が所属している組だろう。

しかも、退散していった奴の名前が「サイス・イルダ」という以上、身内の仕返し、というわけだろう。

イルダという教団は、市の警察からも恐れられる犯罪集団で、幾つもの禁術に手を染め、莫大な財源と人員を保有する、このファントムでも最大規模をほこる教団である。




『そんな連中がわざわざ予告状まで出してきている。まず間違いなく襲撃される・・・・・

 しかも、奴らのヤリ口から考えて、俺には手を出さず、周りの人間――クラスメイト達――を傷つけるだろうな・・・・・・一体どうすりゃいい!?立ち向かうか?っつっても、学校で暴れたら、友達みんなドン引きするよな・・・もし立ち向かっても、相手はあのイルダだぞ!?勝てるわけねぇだろ!』


ブツブツと独り言を唱えるライナの肩を、レナが叩いてきた。


「んだよ?」荒々しく尋ねる。


「どーすんの?アンタのせいでもあるんだかんね。警備員の人達、全員病院送りになるよ・・・・・」


レナの言動のせいで苛立ち、焦り、怯え始めていた。


逃げることも考えたが、その時点でクラスメイト達や担任から不審に思われる。

逃げることはできない。



「っせーな!なんとかするよ!!」思わず怒声をあげていた。その声にクラス全員が静まりかえり、ライナ達のほうを凝視した。その凝視する目は、昨日、父親が見せてきた目に酷似していた。


ガタンと大きな音を立てて立ち上がり、ライナは教室を飛び出した。


途中、担任に呼びとめられたが、その声はライナの耳には入らなかった。



屋上のドアを勢いよく開け、荒い息をしながら膝をついた。


「なんなんだよ!皆して俺のこと見やがって!!!なんともないはずの視線がなんでこんなに痛いんだよ!!!もしイルダ来たら・・・・・・・どーすりゃいいんだよ!!!!!!!」




一人、屋上に座りこんでライナの耳に、鼓膜を突き破るような爆発音が響いた。


その瞬間、背筋を通る、何か冷たいものが走ったような気がした。





第1章 第4話   完




どーでしたか?自分的には頑張って書いたと思うんですが・・・・・


さてさて、市を裏から支配するような巨大教団に目をつけられたライナ!!


急転直下の第5話!!乞うご期待!!





ではо(ж>▽<)y ☆


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