脊髄損傷の方の排便管理で思い悩むことが多いです。
特に失便についてです。
久しぶりに昔に読んだ文献を読み直し、ネット上に新たに良い資料がないか検索しました。
結果的には、昔と変わらず、ネットで見れるのは最下部の3つでしょうか。
介助での排便と自立での排便では大きく考え方が変わるのですが、今回は自立排便を目指すのケースです。
私は職種がOTのため、越権行為とならぬよう気をつけなければなりません。
下記文献にもありますが、脊髄損傷者の直腸障害は
「便の排出困難」
という認識に立つことが最重要であると考えています。
簡単に言うと、直腸にたまった便が肛門から出てこない、ということです。
よって、不必要に下剤をつかって排出するということは、脊髄損傷分野においては、失便をまねくだけです。
下剤の効果としては、便秘にならないということでしょう。
下剤が不必要であるということではありません。
腸には便を排出するための反射があり、逆に便が出ないような構造的なメカニズムもあります。
知っておきたい反射は下記の文献をご参照ください。
下剤のコントロールができてなお、繰り返して失便する場合は下記でしょうか。
①食事:脂肪やアルコール、繊維質など
②不必要な直腸の刺激:直腸刺激によるぜん動運動と、泥状便により反射が刺激される
③胃結腸反射
④その他
私の師である玉垣先生のお考え抜粋
http://www.kaigo-web.info/kouza/maeuke/no2/
25ページからが排便についての情報
別府重度障害者センター
http://www.rehab.go.jp/beppu/book/pdf/livinghome_no11.pdf
最後に・・・
排便管理は簡単ではありませんが、脊髄損傷分野での正確な情報を専門職だけではなく、当事者も理解してもらい、専門職と議論しながらより良い方向性を見つけていくしかありません