私の所属する施設ではマットレスがウレタン系からエアマットへ動ける人まで適応してきました。
それはケープのネクサスRを大量購入して褥瘡対策委員会が推奨してきたからです。
ネクサスR自体は非常に優れた製品だと私も知っています。
薄さだけではなく、ベッドアップ時の体圧分散、ムレ対応、携帯性など非常に素晴らしいです。
ただ、脊髄損傷すべての人に適応かというとそんな話ではありませんよね。
それが、動ける完全対麻痺の人やC6やC7の褥瘡のない若年層までネクサスRが導入されてしまいました。
ウレタン系マットレスで褥瘡が生じなかったのに、よりリスクの低い高品質のマットレスが出ると、それに褥瘡対策委員は飛びついてしまうのです。
エアマットとなることで、ネクサスRが高圧モードがあったとしても、上肢の反力が骨盤まで伝わらずに動きにくくなって、力任せとなってしまっています。
リハビリ科としてセラピストが力がないのが原因で、脊髄損傷の当事者の方々に迷惑がかかってしまっています。
本当に残念な話ですね。
褥瘡対策はとても大切ですが、過剰配慮により当事者が動けなくなって自立支援ができなくては元も子もありません。
当事者の尊厳に関わる重大事ですが、組織の一員としての力不足を感じるばかりです。
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