褥瘡からの感染症 | 頚髄損傷.comのブログ

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頚髄損傷、脊髄損傷の方々やご家族さん、ご友人が役に立つ情報をお伝えします。

最近、褥瘡からの感染症というケースが多いのを感じます。





良くあるのが、



①60歳以上



②生活不活発で臥床生活



③褥瘡の管理が不十分(支援者の褥瘡への対応、クッションの圧管理、マットレス、排泄物の処理を含む)



④栄養状態が不十分(低タンパク質)



以上4つに該当するとかなりの頻度で褥瘡となります。




褥瘡を甘く見てはいけません。



褥瘡は皮膚の表層からだけでなく、内部組織が壊死して、後から表層に現れることもあります。



褥瘡をしっかりと治療しないと、そこから感染し、骨まで壊疽してしまうということがあるのです。



典型的なパターンは坐骨の褥瘡から大腿骨の壊死です。



大腿骨の壊死が起こると、座位のバランスを保持することが用意ではなく、車いすの座クッションや背もたれなどに何らかの修正が必要になることが多いです。



修正をしないと、左右ある坐骨への荷重が不均衡になり、どちらかの坐骨に多くの荷重となることで、さらに褥瘡を悪化してしまいます。




若いうちは除圧もせず、栄養管理のことも気にせずに、人間の自然治癒能力によって褥瘡はできないことが多いのですが、年と共に衰えていきますので、皆さまもどうかしっかりとした対応を取ってください。




褥瘡が悪化した場合の多くは手術やデブリが必要で、1か月の完全臥床が必要となってしまったり、精神心理機能にまで悪影響があります。



最悪、敗血症で死に至ります。




褥瘡の対応はさほど難しくなく、予防が可能です。




褥瘡となってしまったら、初期対応が重要なので、支援者での対応が困難な場合には、早めに専門の形成外科を受診しましょう。





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