障害の理解について | 頚髄損傷.comのブログ

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頚髄損傷、脊髄損傷の方々やご家族さん、ご友人が役に立つ情報をお伝えします。

頚髄損傷のリハビリをしていました。



右手が完全麻痺となって半年以上が経過する方です。左手は弱いですが動きはあります。



その方と話をしているときに、



「おれの右手はもう動かんのか?」



と真剣な顔で質問されました。



私は「二度と動きません」と伝えました。



実はその方とは以前にもこんなやりとりをしています。



別に認知症でも高次脳機能障害の方でもありません。



その方も、いつかふと動くと信じているわけではないのですが、どうしても質問したくなるのでしょう。



電動車いすには乗りたくない、バランサーはできるだけ使いたくない、装具も使いたくない等々、その方は葛藤を繰り返しながら、現実と向き合ったり、距離を置いたりしているようです、



入院期間がどんどん短縮して、あえて遠回りしたり、時期を待つだけのゆとりが医療保険制度にはなくなってしまいました。



結局はその方を「やる気がない」、「心理的に不安定だ」などと烙印し、専門的な支援を受けないままに地元の医療機関や施設や自宅に帰っていきます。



こんな医療制度に一石を投じたいと思っていますが、私も理想と現実で苦しんでいます。



私は独りよがりなのではないか?



私にもゆとり、時間が必要そうです。



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