痙縮に対するボトックスについて | 頚髄損傷.comのブログ

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あるC5の四肢麻痺の方が上腕2頭筋の緊張が亢進し,肘の伸展制限が生じそうな気配があったので,ボトックス注射をしました。


予防的ボトックス治療です。


私としては緊張が亢進してきたら早めにボトックスで治療を行い,肘の伸展制限を生じず,筋が抜けが状態で身体を再構築していくリハビリが必要であると考えています。


医師も同様の意見であるたえめ,早期のボトックス治療となったのです。


さて,1か月以上した結果です。


まず,緊張は低下して肘の関節は完全伸展を容易にとることが可能となり,効果覿面でした。


動きは車いすを駆動するストロークが大きくなり,効率的な動きになってきました。


しかし,緊張が低下したことで肘の屈曲筋力が3分の1低下しました。


さて,この結果をどのように捉えますでしょうか?


患者からは差し引きゼロと感じています。


セラピストとしては,現状では成功です。


なぜかというと,ボトックスの効果は3ヵ月経過すると低減してきます。


きっと,筋力は徐々に回復してきます。


一方,肘の伸展に関しては,腕の動きが分かるようになったので,きっと伸展制限とはならないはずです。


目的は肘の屈筋の緊張が肩甲帯周囲筋や頚部に伝わり,緊張に支配された動きを抑制して,文節的(イチローのような美しくしなやかな動き)な動きで,今後の機能や能力的な予後を高めることだからです。


固くなってからでは遅い!


怪しいなぁと思った時には予防的治療を開始するといいのではないでしょうか。



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