以前にもシャワーキャリー(車輪がついているのはチェアではなくキャリーです)での排便と入浴については記載しましたが、重要なので再度、記載します。
自分で排便ができないと、病院や施設では本人も介護者も一見、楽で安全に見えるベッド上での臥位排便を行います。
私はベッド上排便に絶対的な反対ではないのですが、基本的にはシャワーキャリーでの排便を目指した方が望ましいと考えています。
まず、介護者がベッド上で実施する理由は以下のとおりである
①安全である
排便時に生じる瞬間的な低血圧にも対応が可能。転倒転落の危険性がない。
②安楽である
寝ているから疲れない
③経済的である
特に機器を必要としない
④効率的である
病院や施設では同時進行的に複数の方の対応に追われるため、ベッドで寝ていて待っていられて安全が確保されているので、待ち時間が少なく効率的な介護が可能である
①~④を提示されるとなぜシャワーキャリーでの排便を私が提示するか理解できないかもしれませんね。
それでも私はシャワーキャリーでの排便とその流れでの入浴をすすめます。
ただし、いくつかの条件があります。
①シャワーキャリー
座位の不安定性や座位の耐久性、起立性低血圧、座位時の肩の痛み、首の痛み、肩甲骨周囲筋の痛みなど、臥位ではあまり生じない課題が座位では生じることがあります。
しかし、ほとんどの問題は福祉用具と工夫とリハビリの知識と技術で解決が可能です。というか、実際に解決できました。
まず、シャワーキャリーは松永製作所で自分の体に合わせてオーダーできます。
価格は12~13万円で介護保険でも自立支援法(現在は総合福祉法)でも助成が受けられて比較的安価に購入することが可能です。
シャワーキャリーの作成にはある程度の知識と経験が必要です。
そのポイントをお伝えします。
Ⅰ.座面に傾きをつけて、頭が楽な位置にする。もちろん、背もたれの角度調整も必要。
Ⅱ.背もたれの高さを楽な高さまで調整する
Ⅲ.肘が乗るような肘掛の高さに調整する
Ⅳ.座面(タテとヨコ)の大きさを自分のお尻の大きさに合わせる
Ⅴ.足置きの高さを大腿部の後ろの高さに合うように合わせる
Ⅰ~Ⅴを調整できれば相応に満足できて、十分に対応が可能です。
これに体を前方に倒せることができる台を設置します。
松永製作所には、オーダーでシャワーキャリーが作成できるということをオープンにしていないので、HPに記載されていないので、参考に矢崎化工業のフロントレストキャリーを参考にのせておきます。
http://www.kaigo-web.info/kouza/maeuke/no6/maeuke.pdf
このようにしておけば、本人も介護者も楽に排便が可能です。
②環境面でトイレの入り口やトイレ内が狭く、介助スペースが確保できない
この場合はシャワーキャリーでの排便は不可能です。
私の経験では2畳程度の広さが必要です。
③看護師が座位排便の意味や意義を理解していない。
これでは不可能です。
ある看護師から言われたのですが、看護手順書といって看護師さんの手引書という有名な本には頚損者は座位排便をしてはいけないと記載してあるということでした。
私は事実ではないので本は参考程度にして、現場の真実を知ってほしいと話し合いましたが、変わりませんでした。
④本人が何らかの理由で拒否
やはり、臥位排便に慣れてしまうと、わざわざシャワーキャリーに乗りたくないようです。
シャワーキャリーの利点は
①座ることや前傾姿勢をとることができるので、便が出やすくなること。つまり、失禁が少なくなる。
②便がでやすくなるので、薬を減らせる
③トイレというプライバシーが守られた環境で排泄ができる。つまり尊厳の保持
④摘便で便をかきだす必要がないので、肛門周囲の皮膚が損傷しない
臥位排便とシャワーキャリーでの排便の利点と欠点を知り、選択したいものです。
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