京都大学山中教授のiPSもあって,頚損・脊損の再生医療が注目を集めています。
釘を刺すようで申し訳ないのです,iPSがメディアに出始めてから、再生医療(名指しではあえて言いません)が夢の医療であるかのごとく飛びついてしまう当事者の方が多数います。
正直,iPSを含めた再生医療に関して,頚損・脊損の方への実用的な回復はまだ未知数です。
ラットやサルなどの治験は進んでいますが、論文を読むとそのまま人に適用というわけにはいかないと思います。これは、私だけではなく多くのセラピストは同様の意見を持っています。
脊損モデルのラットと人間を同一視しないでください。
小話を1つ。
ある再生医療に携わる医者は,痙縮を見て「動いた」と素人のようなことを言っています。そして、「リハビリをがんばれば、もっと動くようになる」と無責任なことを言います。
頚損になって運動機能や感覚機能はほとんどの人が一定レベルは自然に改善するのですが,その自然回復をさも自分の再生医療の成果のごとくに,「良くなっている」と安易に言ってしまう医者がいるのです。
もちろん、このようなネガティブな話がすべてではありません。私が知っているのがごく一部かもしれません。ただ、再生医療を行っている複数がそのレベルということをお知り下さい。
再生医療を行う医師は再生医療の世界では専門家かもしれませんが,頚損・脊損の方の本当の身体機能の評価の方法を知らないのが実態です。残念ながら,障がい当事者の方も再生医療とリハビリに関して十分に知識がないので,そのような医師に惑わされてしまいます。
これを再生医療を行っている医師が見たら激怒するかもしれませんが,最前線の治療をしているという自負があれば,様々な意見を冷静かつ客観的に取り入れて,リハビリの分野の専門職の視点も取り入れて検討すべきです。
頚損・脊損のiPS医療は慶応大学の岡野教授が中心となるので,そのようなことにはならないとは思いますが,慶応グループには日常的に頚損・脊損の方に関わっている専門職に意見を求め,いつか,本当の意味で再生医療が頚損・脊損の方の機能改善に役立つ日がくることを心より願っています。
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