頚損・脊損の方の車椅子の作成 part3 クッション編 | 頚髄損傷.comのブログ

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頚損・脊損の方のクッションについてです。



クッションというと臀部の除圧がメインテーマになるかと思いますが、圧管理は奥が深いですよ。



単純に、除圧だけを考えたらロホクッションのハイタイプという結論です。



そんな簡単ではありませんよね。



近年は私も勉強不足のため、正直に体験したことがない物がありますので、あしからず。



では、クッションを選ぶときの視点です。



①坐骨、尾骨の圧管理


②座位の安定性


③姿勢


④移乗動作



①圧管理は触っただけでは分かりにくいものです。やはり、圧センサーで評価するのが、妥当です。ただ、圧センサーは高額なので、リハビリ施設でも購入していないこともあるでしょう。


私の所属先にはありますが、測定が複数人必要であり、測定自体に手がかかるので、除圧が不十分で褥瘡ができやすそうな方のみ評価していません。


大切にしているのは、クッションがどの程度の除圧能力があるかというよりも、頚損の方がそのクッションでどの程度の除圧能力があるかです。


除圧がきちんと可能であれあば、座位での褥瘡のリスクは低いと考えられますので、クッションの除圧能力よりも、座位の安定性や移乗の安定性を重視しにいきます。


さて、その圧ですが、いくつになればいいかという数値は個人差が本当に大きいので提示するのは容易ではありませんが、誤解を恐れずに個人的な見解を述べるのであれば、きちんと臀部と大腿部に圧が分散しているという条件下では、最大圧が50mmHG程度になれば良好と考えます。


そうすれば、どんな方でも除圧動作をすることで、40mmHG以下まで圧を軽減させることが可能なので、褥瘡はかなりの割合でできないだろうと予測できます。



続いて②座位の安定性。そもそもクッションの圧管理には空気圧、ジェル、ウレタンが主流です。それらを組み合わせたものもありますし、坐骨部があいているものもあります。


以前は空気圧のクッションは圧分散には適してましたが、空気の移動する場所など改善があり、安定性は高くなっています。


もっとも安定しているのは、坐骨・尾骨が空いているクッションです。


③姿勢

 ジェイクッションではアンカーサポートといって、坐骨が前に移動しないような構造です。座っているとどんどん前にずれていくという方にお勧めです。


④移乗動作

頚損の方でタテ乗り移乗動作がギリギリという方は、臀部を前方に移動するときにクッションが邪魔をすることがあります。



では、私は・・・


使い分けという提案をします。



仕事をしていたり、デートしたり、集中して勉強したいときに何分毎に除圧をしないといけないと言われても、うっとうしいでしょう。



そのようなときは、動かない状態でもっとも除圧能力が高いクッションを選択するのです。



あとは、個人の好き好きといったところでしょう。



ちなみに価格はほとんど変わりませんよ。これはクッションの助成額が5万円であり、これに合わせているからと考えれらますね。


クッションは、ロホ、ジェイ、バリライト、カンツァーなどの種類がありますので、車いす業者、セラピストとよく相談の上で決めて下さいね。


あと、クッションがいいものを購入しても、それが自分の褥瘡のリスクを低めることを示さないことに注意してください。


褥瘡のリスク管理はシーティングといって、車いす全体で考えるものです。


本当に残念なのですが、高機能のクッションに乗っているのに、大腿部が浮いている、大腿部に足りないほどのクッションなど、そもそもクッションの前に・・・・と言いたい場合が多々あるのです。


また、高機能のクッションに乗れば、褥瘡ができないということはありませんよ。


除圧をどのようにするのかも重要ですよ。これは、長くなりましたので、また今度にしましょうか・・・


他にも様々な情報があります。


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