サバンナマラソンのご報告3(レース本番1〜2ステージ)
そんなこんなで、いよいよレース本番です。
(スタート前の日本人参加者15名の集合写真)
(動物と遭遇した時の注意事項をレンジャーさんがレクチャーしてくれる)
▪️初日(37km)
体調は問題ないか?
リュック擦れ、靴擦れなど、どこか痛くないか?
装備や行動食は問題無いか?
高度順応は出来ているか?
などを確認しながら歩を進めていきます。
(迷子にならないよう地面に白い矢印がある)
(チェックポイントで食べたスイカは世界一美味しかった)
初日の目玉ポイントは、ライオンキングに出てくる『プライドロック』のモチーフになった岩。
(実際のプライドロック)
ここの上で、次の王となる子(シンバ)を王国の民にお披露目している映像が思い浮かびました^ ^
私の最大の弱点は、【膝の五寸釘痛】です。これが出たら完全にアウトなので、これに最大限の注意を払いながら走ります。
さすがに全て歩くと制限時間にゴール出来ないかもしれないので、平地と登りは歩き、下りだけ走ることにします。これだと大して負担が増えません。
初日(38km)の結果、感想
・足に豆が3つできた。潰してテーピングで対応。
・左の小指がつぶれ気味。これ以上潰れるとリタイヤとなるレベルなので、さらにテーピングをしっかりと巻いて保護する。
・1800メートルと高地なので、すぐに心拍が上がる。体を鳴らす必要がある。
・サバンナのイメージは平地だったが、結構アップダウンがある。ほぼトレラン。
・足は疲れたが、【膝の五寸釘痛】はない。歩いたり走ったりだといけるかも?!
・全然動物が出てこない
・夕方は結構冷える。シャワーが水なので寒い。
・トイレは思ってたよりきれい
・背中が少し痛いが、内臓は元気。ご飯が美味しく食べれる。
・テントは、50人部屋
(メディカルテント)
とにかく初日でリタイヤするわけにはいかないので、体にダメージが来ないよう気をつけながら小針さんと喋りながら歩いたり、走ったりを繰り返す。
思ったより、体にダメージはなく、翌日も元気に走れそうだ。
▪️2日目(43km)
初日は終わってみたら、かなり余裕があったので、それよりペースを上げてみることにする。
左の小指がかなり痛いので、潰れないよう慎重に歩く。左傾斜だと靴に当たって乗り潰れて痛い。なので右傾斜の場所を選んで歩くことにする。そうするとほぼ痛みは無い。
シマウマ、キリン、ガゼルなどがちょこちょこ出てきた。
走り終えた直後はかなり膝が痛い。ただ五寸釘痛ではなく、単純に膝の使いすぎで炎症を起こしていると思われる。
テントから食事に行くだけでも膝が痛くてロボットのような動きになる。こんなので明日走れるのかと言う不安に襲われる。
完全に暗くなるのが夜7時位。その頃にはベッドに横になってストレッチし、8時にはみんな寝てしまう。
朝起きたら、膝が治ってますようにと祈りながら眠りにつく。
つづく
サバンナマラソンのご報告2(リタイアの要因を潰す)
まずは3kgの重さのリュックを背負って走ってみました。たった3kgでもめちゃくちゃ重い!全然走るペースが変わります。心拍も非常に上がってしまいます。
実際のレースでは、10kg越えなのでたった3kgの重さで音をあげていては話になりません。
そこで本番の重さの10kgで走ってみました。全く、全然、さっぱり走れません。
これで40km以上を走れる気が本当にしません。
この時点でもう残り約2ヶ月です。
ここはもう素直に現実を受け入れて、いかに完走するかに作戦を切り替えることにします。要は全部走るのを諦め、歩くことにするのです。
そして7月に入り、10kg近いリュックを背負って、長距離を歩くトレーニングを始めました。
約40キロを4回ほど敢行しましたが、疲れはするものの、痛みは全く出ませんでした。
走らなければ、10kgのリュックを背負って歩いても、あの【膝の五寸釘痛】は出ないのです!(1日だけなら)
後は、フルマラソン以上の距離で、アップダウンがある山道を、10kgのリュックを背負って歩くことを、5日間続けることができるかと言うところです。
本当は2 〜3日連続で歩いてみるトレーニングをしてみたいところでした。
ですが、猛暑の中1日40kmを8時間も歩くとさすがにやる気が薄れて2日連続で実施する事はできませんでした。
ただ、40kmのロングトレーニングを
重ねるごとに疲労度が少なくなってきたので、何とかなるんじゃないかと、少し手ごたえを感じていました。
さて、私の弱点である、三角小指&膝の五寸釘痛の他に、リタイヤの原因となるのを挙げてみます。
1)熱中症
2)食事が食べられなくなることによるエネルギー不足
3)足にマメができて痛みで走れなくなる
4)食事や水に当たって、腹痛
5)睡眠不足
が考えられます。
それぞれの対策は、
1)熱中症
電解質を適正な濃度で取るしかありません。地守スペシャル改にて対応。
→多少分量の設定ミスはありましたが、結果的には大正解でした。
2)食事が食べられなくなることによるエネルギー不足
日中の行動食は、1)と同じく地守スペシャル改にて対応。
朝食も地守スペシャルを採用。水を入れるだけで、簡単に栄養満点で、しかもおいしい食事が作れる。
夕食は、疲れていても美味しく食べれるのが大事なので、焼きそばとアルファのご飯を交互に食べることにする。
→これも大正解でした。とても快適に食事をすることができました。
(朝食)
(夕食)
3)足にマメができて痛みで走れなくなる
マメの処置をするセットを用意。
→やはりマメが初日に3つできました。すぐに自分でつぶして適切な処理をしたため、大きな問題にはならなかったです。
4)食事や水に当たって、腹痛
整腸剤を複数準備。手ピカジェルで手を清潔にする。
→意外と清潔な環境だったので手ピカジェルは1度も使わずに捨てました。整腸剤も1度も使わず。
5)睡眠不足
普段あまり寝られない事はないが、念のためいびき対策のため耳栓を持っていくことにする。
→大正解でした。50人位の野戦病院のようなテントだったので、なかったら寝づらかったかも。
装備に関しては以前書いたので割愛しますが、10キロから8キロまで減量することができたので、相当効果がありました。
ウェアリングもほぼ完璧でした。
赤道直下の強い紫外線を予想し、腕カバーとタイツを着用し、帽子も大きなツバで、後ろと横は布で覆われているものを使用。強烈な日光から頭部全部をカバーしました。
おかげで、出ている顔だけ日焼け止めを塗ればよかったです。ちなみに唇は結構重要ですぐにガサガサになります。日焼け止めのリップが必須です。
サバンナマラソンのご報告1
そもそもこの230キロを5日間で走るサバンナマラソンに出る前に、実は2016年にサハラ砂漠を7日間で250キロを走るというサハラマラソンなるものにチャレンジしました。
しかしながら3日目であえなくリタイヤとなりました。
リタイヤの原因は足の痛みです。私の足は内反小趾で長時間走ると、小指が潰れてしまいます。俗に言う三角小指と言うやつです。
さらに、何より大事な靴を自宅に忘れると言う大失敗があって、急遽現地で靴を調達しました。やはりこれが足に合わなくて、さらに小指を潰す形になりました。
片方の小指が完全に潰れ、そちらをかばっていたら、もう一方の膝が故障し、本当に歩けなくなってしまいました。
こうして、私のサハラマラソンは、たったの3日でリタイヤとなったのでした。
それから8年、私の頭の隅には、ずっとサハラマラソンのリタイヤがありました。
そんな時に、サバンナマラソンのチャレンジの話が舞い込んできたわけです。
「やる!」
即答でした。
という訳で、今回のサバンナマラソンは、8年前のリタイヤのリベンジなのです。
その為には、この【三角小指】問題をどうクリアするかが最大の課題でした。
しかも今回は、230キロと20キロほど短いものの、7日間ではなく5日間なので、実は1日に走る距離はサハラマラソンよりも長いのです。脚にかかる負担はより大きいです。
あと年齢的にも前回は46歳でしたが、8年経って54歳となっています。昔ほどの無理はできないかもしれません。
なので、しっかりした準備が必要です。
まずは【三角小指】からです。別名寝指とも言い、指がまっすぐではなく横になってしまっています。これを何とか直せないものかといろいろ治療院や病院に行ったりしましたが、外科手術を勧められたりテーピングしたり、インソールを作ってみたりしてみましたが、そう簡単には治りません。
そうこうしている間にどんどん時間がなくなってきます。そこでもうこういうものだと諦めて以下の対処をすることにしました。
テーピング
簡単には潰れないようにしっかりテーピングを施します。伸縮性のあるキネシオテープではなく、普通のテーピングテープの方が潰れにくかったです。
靴下
5本指ソックスを選択し、それぞれの指が重ならないようにする。
さらに蒸れて皮膚が弱くならないように、和紙でできたソックスを使用。これがいつも足をサラサラに保ってくれて非常に快適でした。
シューズ
5本指ソックスの難点は、指先が広がって、普通の靴には入らなくなってしまうことです。そこでアルトラと言う靴先のあたりが非常に広く作られた靴を選択しました。これで靴に当たって痛くなるリスクがかなり減ります。
ランニングもできるサンダルです。万一指が潰れて走れなくなった場合、サンダルで走る作戦です。サンダルなら指が潰れる事はありません。
それではまずは走ってみようと走り始めたのは実は今年の3月から。
するとなんと、たった3キロで膝に激痛が走るではありませんか!
実は無理をして膝を怪我したことがあり、今はガラスの膝なのです。
長い距離を走ると、五寸釘が膝にぶっ刺さったような激烈な痛みが走ります。こうなると歩くことさえままなりません。
冬の間走るのをやめて、完治するのを待っていましたが、完治するどころか、全然走れなくなっていました。
これはやばい。心底、あのリタイヤの悪夢が頭をよぎりました。これは何かアイテムに頼るわけにはいかないので、鍛えていくしかありません。
もうエントリーをしてしまったので、腹を括るしかありません。
それからは2日に1度は走るようにしてみました。
膝に痛みが出るまで走ると、次に走れるようになるのに3〜5日かかるので、違和感を感じたらすぐに走るのをやめました。
そうやって、少しずつ距離を伸ばしていくと、10キロを走っても大丈夫なようになってきました。それが6月のこと。
そして次のステップの重いリュックを背負ってのトレーニングに移行です。