(抜粋)
トラック輸送業界に投資家からの荷が集まらずその輸送が低迷している状態を、「株式市場が低迷している= 株が下がっている」状態だと考えてしまえば、一番簡単に話がまとまるのではあるまいか。

絵の中味を説明すると、絵の上側で示されているのが銀行と金利の話で、「(預金)金利が上がった」状態が、鉄道貨車が重防御化されているという形で表現されている。そしてこれを投資家= 荷主の立場から眺めると、この鉄板で重防御された貨車はいわば安全な金庫がわりに使えるため、自分の荷は当面そこに置いておいた方が安心である。そうなれば皆が荷の預け先を鉄道側にシフトさせることになり、それらが一斉に駅に持ち込まれて( 絵のように) それがホームに山積みとなるだろう。

一方絵の下側に示されているのが株式市場の状態で、そこではそのようにして荷を奪われたトラック輸送部門が低迷している有様が描かれており、要するにそれが「株が下がった」状態に相当しているわけである。

そしてこれを全部つなげれば、最終的に例の「金利が上がると株が下がる」という話がこの一枚の絵に表現されることになる。

まず最も重要なのは、経済社会では多くの場合、資金の移動に関して複数の路線( 鉄道と道路など) が並行して走っていて、それらが荷を奪い合う競合関係にあるということである。

そしてもう一つ重要なことは、そこではその荷を自分の路線に誘致するために「金利」というものが大きな役割を果しているということである。要するにこの二点こそが話の真のポイントなのであり、読者はとにかくこれだけを覚えて後半部分に進めば良い。


(コメント)
金利が上がると株式から預金にお金が流れる傾向があるという点で「金利が上がると株が下がる」ということのようだ。荷を奪い合う競合関係にあるところ、銀行にとっては自分の路線に誘致するために「金利」というものが大きな役割を果しているというところを十分把握しておくことにする。
(抜粋)
金融の世界でも単純にこれらをそれぞれ両者に割り振って、
・銀行の側= 鉄道、
・証券・株式の側= 道路輸送
と考えればどうだろうか。実はこの描き分けは、両者の特性を割合に良く表現しており、本来の目的とは別にこれだけを単なるゲーム的興味で眺めても結構面白いのである。それというのも経済学では銀行は「間接金融」、株式・証券は「直接金融」と呼ばれているが、特にこの点に注目すると、イメージの点でこれらは割合良く両者に対応しているのである。

(コメント)
2つの違いは株している人なら真っ先に知っている1つになるもの。
(抜粋)
「積荷の保護」という条件に関しては、そのようにもし経済社会全体がデフレ下の弾薬欠乏で停滞状態にあり、いわば戦場全体が静まり返っているとすれば、恐らくそこではどこを歩き回っても流れ弾の心配はほとんどない。そのため無防備な無蓋貨車でも安全ということになり、こちらは問題なくクリアされる。

一方② の「経済全体への影響」という条件に関しては、現実の経済社会の常識では一般に経済がデフレ状態にあるときには、資金不足で苦境にある企業などを少しでも資金面から助けるため、低金利による「金融緩和」で、なるたけ多くの資金を経済社会に供給することが要求される。

そして鉄道の表現ゲームの場合を考えても、こういう状況下では各地域に少しでも多くの資金を送り届けるため、先ほどとは逆にとにかくなるたけ自重の軽い貨車を用意して、列車一本当たりが積める燃料弾薬を少しでも増やし、鉄道網全体の輸送量を増大させることが要求されるはずである。

そうなればこういうタイプの、屋根が無くて積載量の大きい無蓋貨車を使うのが一番正解であるわけで、その点でも現実と対応がついていると言えるだろう。要するにこのような無蓋貨車が低金利状態を示していると考えると、全体を立体的に「絵」として表現できるわけである。

馬鹿馬鹿しいと思われる読者もあるかもしれないが、もし経済に対して苦手意識があって、今まで「高金利」と「低金利」の話がどうしても頭に定着しないことに悩まされていた読者は、騙されたと思って、ひとまずそれらを貨車がこのような状態になっていることだと考えて、それを絵として覚えておくことをお勧めしたい。

とにかく当面はこの絵だけを先に覚えておいて、概念全体が頭の中に定着するまでの助けとして用いるならば、それなりに役に立つのではないかと思われるのである。

(コメント)
高金利だとインフレで資産が目減りするので屋根つきで頑丈な鉄道を用意していた。
低金利の状態がいち早くたくさんのお金を届けるという意味だと屋根もなく一番効率よい仕組みなわけだ。
高金利でもいいからもっとお金の供給量増やしてくれとはならないのか。やっぱり結果インフレになる可能性が高いと貸したら損になるしなぁ。そこが「金融引き締め」状態なのだろうか。