小説『社会人と姦し三人娘』。 | 趣味部屋

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~オリジナル~

※作中の人物は実在及びモデルは存在しません。



ダイ視点

『社会人と姦し三人娘』…俺達のグループの名前だ。
メインはゲーム実況。
男性の社会人一人と女子高生三人という妙な組み合わせだが、それが逆にうけたのかもしれない。
もしくは…姦しい三人の女子高生の強過ぎる個性があるからなのかもしれないが。

「ねぇねぇ、次このゲームやってみない?」

会社から帰ってきて、ソファーで寛いでいたところに妹が隣に座ってくっ付いてきた。
そして、タブレットの画面を俺の顔の前に。
俺達がプレイしているオンラインゲーム内には過去作のオマージュがある。
妹が提示したのはその過去作だった。

「…却下。」
「えぇ~?」
「やるとしても残っている二つのゲームを終わらせてからだ。」
「は~い。」

と言う妹は残念にも思っていなさそうだった。
却下されることもわかっていただろうから。
そう、妹としてはこの状況を作り出すことが目的だっただろうから。

「ご飯食べたら続きを撮らないとな。二人は?」
「大丈夫だと思うよ。」
「わかった。」

『社会人と姦し三人娘』は妹のレンと妹の幼馴染みの二人…まぁ、俺とも幼馴染みではあるのだが、アルファとネコがいる。

アルファはイケメン担当。
モデル体型の長身で男の俺よりもイケメンだ。
その上、運動神経抜群で頭もいい。
性格も良く、理想的な王子様と言える。
校内のイケメンランキングで男子達を押さえて堂々の一位に君臨しているらしい。

ネコは動画編集やイラスト担当。
ゲームはあまり上手くはないが、彼女の自虐や毒舌が好きな視聴者は少なくないようだ。
尤も、毒舌は俺宛のものだが。
自分を根暗なキャラとして書いているがリアルの彼女はそうでもない。
胸は一番大きい。
…なお、アルファとネコは女同士ではあるが小学生からの恋人同士だったりもする。
その上今は同居しているらしい。
今では偏見が少ないのかリアルでもネットでも不当な扱いを受けたことはないそうだ。
まぁ、恋人があのアルファだからな…。

俺は主に保護者枠。
ありがたいことに俺達は動画によってはお金を頂くことがある。
そのお金は全て俺が管理している。
必要な時に使用するが…それで全て賄えるわけでもない。
機材を整えるのに俺が会社で稼いだお金も使っていたりする。
全員のゲーミングPCやらネコが望む編集ソフトやら。
なので、金銭面を管理していることに関しては文句を言われたことが無い。
なお、『社会人と姦し三人娘』というグループだが実は俺は全動画の一割程度しか出ていない。
七割が女子三人、一割がアルファとネコのバカップル実況動画であり、また一割が変則組み合わせ。
残り一割が四人全員での動画となる。
正直俺はおまけ程度に過ぎないんだろうがそれでも待っていた、というコメントを見かけると嬉しいもんだったりする。

そして、妹…レン。
言い出しっぺであり、リーダー。
兄としての贔屓無しでも美少女に入ると思う。
そして、生まれながらにして天才。
学年トップかつ全国模試で上位に入っているらしい。
本人が勉強嫌いともあってその才能は戦略性があるゲームでは無慈悲な強さを見せ付ける。
…その反面、性格に難あり。
ブラコンかつヤンデレ。
プライベートではほぼずっと俺と一緒におり、朝起きた時も気が付けば隣にいることも。
異性として好きらしく、それで過去にトラブルも多く…もう色々と諦めた。

「…アルファ、これから美味しく頂くところだったって。」
「夕飯か?」
「ううん、ネコを。」
「…そうか…。」

聞き慣れていることでもある。
アルファとネコはどうやら小学生の時に初体験を済ませていたらしい。
最近の子は進んでいるとは聞くけどさ、今もずっと付き合っているのだから本当に仲がいいんだなと。
恋人というよりは夫婦みたいなものだと言っていたな。

「お兄ちゃんもしたいらお相手がここにいるよ?」
「ご飯食べて収録してお風呂入って寝る。」

全力でスルーする。
妹は兄の俺から見ても可愛いとは思うが、一線を越えるつもりは無い。

「あ、そうだ。こういう動画を出そうと思ったんだけど…。」
「ん?」

妹から綺麗に作られた企画書を手渡された。
この活動って仕事だったか…?





夕食後、アルファとネコとネット電話を繋いだ。

「今回はですね、今まで頂いたコメントを返信していこうと思います。更に、動画編集は私で。」

レンが仕切る。
ちなみに収録は既に始まっている為敬語だった。

「レンが動画編集?どうして?」
「ほら、ネコばかり仕事が多いから。収録もするし、イラストも描くし、凝った編集もするし…アルファの夜の相手もしないとだし。」
「いやいや、それは御褒美だから!ネコへの。」
「うへへぇ~。」

流石のバカップル。

「とにかく!ネコの負担も軽減したいなと思いまして。」
「俺も微力ながら協力する…が、最初は多少なりともネコの協力が欲しい。」
「よろしくお願いします。」
「うん、わかった。じゃあ、次の休日にでも。…まず部材を買うことから。僕も欲しい機材があってね…ちらっ。新しい機材で…ちらっ。凄い機能があったりと…ちらっちらっ。」
「わかったわかった。買ってやるから。」
「流石はダイくん!僕達のお財布だね!」
「ネコは逞しい大人になりそうだ。全く…。」

こういう機材はなかなか高い気がする。
貯金はあるが…う~ん…。
まぁ、ネコの為の教材だと思えばいいか。
彼女は将来恐らくその道を行くのだろうから。
この活動が練習となるならそれでいい。

「さて、レン。コメント返信ってどんなんなん?」
「過去の動画で頂いたコメントに関して私が適当にピックアップしたから皆で答えるの。です。」
「です。…生放送でよくない?」
「生放送は禁止、もしくは実況は禁止だ。どこかの姦し三人娘が本名を呼ぶからな。」

リアルの幼馴染みである為、素で本名がしょっちゅう出ている。
彼女達の為にも生放送なんて出来ない。

「それはその…ネコに苦労かけてます。」
「面白いシーンなのにピー音ばかりになったことあったぐらいだもんね。」
「大体アルファのせい。」
「うっさい!ダイ兄が私達の名前知らないだけでしょ?」
「言えるぞ。言おうか?」
「ピー音処理しないとだからやめて!素人にやらせないで!」

面倒そうだしな。
俺が自分でやる羽目になりそうだ。

「レンちゃんレンちゃん、コメントを。」
「あ、そうですね。では、一つ目…。」

コメント返信か…。
視聴者から見るとコメントが拾われるのは嬉しいことなのかもしれない。
逆の立場なら嬉しいと思う。

「最初の動画から。ハーレム動画。」
「あぁ~…。まぁ、普通はそう見えるよな。」

現実なんてそんな二次元のような美味しい展開ではないが。

「あれじゃない?(アルファの)ハーレム動画。」
「お兄ちゃんもヒロイン?」
「ダイくんはペット。」
「ペット…!ダイ兄はペット…!」

大笑いするアルファ。

「否定出来ないのが悲しいところだよな…。」
「アルファはかっこいいんだけど…何か違うんですよね。」
「だってレンはダイ兄一筋じゃん。学校で皆にドン引きされてるぐらいに。」

あぁ、やっぱり学校でもそうなのか…。

「僕はどちらかというとダイくんは嫌いだし。」
「ズバッと言うんだな…。いや、さ…アルファにかなうわけないけど。」

アルファは男性ならアイドルになっていてもおかしくはない。
いや、女性だからいい、というのもあるかもしれない。





と、懐かしいコメントやら変なコメントを広いながら色々と語った。

「次のコメント。キャラ付けっぽい。」
「と思うだろ?この三人は昔からこんなんなんだぞ。悪化はしているが。」
「ダイ兄は特徴無さ過ぎ。」
「ほっとけ。お前達が属性付け過ぎなんだ。」
「ダイくんは財布という役目があるから。」

本当に容赦無いな…。

「逆にレンはこれ、キャラ付けじゃないからやばいんだよね。」
「えっ、何でですか?」
「自覚していないところ。」

うん、納得。





結構長い時間収録した。
コメントも溜まっているもんなんだな。
そして、これを…。

「編集しないといけないんだよな…。」

画像付けて、文字付けて…基本にノーカットにしたいからピー音も入れて…。

「こんなことを毎回ネコにやってもらってたんだよな。感謝しかない。」
「うんうん。」

ちなみに俺は寝支度を終えてベッドの上で横になっている。
…横には何故か妹がいる。

「…何でいるんだ?」
「一緒に寝ようと。」

誤魔化そうともしない。
これ以上相手にするのも面倒だったからそのまま眠りについた。










動画のコメントや再生数から人気がある動画シリーズや視聴者が求めていることを分析し、今後の役に立たせる…これも俺の役目。
とは言え、戦略やクイズ等頭脳系は天才の妹の独壇場。
将棋なんかも妹が初めて触った日に俺はぼろ負けした。
俺も強いわけではないがあそこまで打ち負かされたのはショックだった。

ネコは運が絡む頭脳戦だと強い。
運が良過ぎる。
恋愛ゲームやら一般常識も強い。
最近のドラマやら歌手やらにも詳しい。

アルファはアクション系。
反射神経が良く、FPSゲームなんかも強い。
格ゲーも彼女が強い。

俺は一通り出来るが…突出しているものはないと思う。
そして、若さにも勝てん。
四人でプレイしている、あるMMORPGを一番やり込んでいるぐらいか。

「はい。」

ある日の休日…四人でファミレスに集まっていた。
妹から渡されたのは企画書。
だから仕事ではないというのに。

「息抜きで一発系ゲームをやりたいよね?と思って…これ。」

妹から提案はまさかの自作RPG。
俺達四人が主役のゲームだった。

「先に聞いておく。ラストはどうなる?」
「お兄ちゃんと私が結婚してハッピーエンド。」
「却下。」

本当にこの妹は…。

「そもそも誰がプログラミング組むんだ?」
「あれ?お兄ちゃん、出来るんでしょ?」
「ガチのものは無理だぞ。何より時間が無い。」

仕事で使う知識や技術ならともかく完全に趣味の範疇ではな…。

「ダイ兄、普段役に立たないんだからそれぐらいやってよ。」
「くっ…。」

かなり深く抉られた気がする。

「…わかった。役割分担しよう。」
「そう言うと思ってもう色々と決めてあるよ。」

妹が企画書を捲る。
まるで予め俺から何を言われるか想定されていたかのように作り込まれていた。
立ち絵も既に数枚。
いつもながら仕事が早過ぎる。
上手いし。
…俺、モブっぽい。

「…つまり、やれと。」
「やれ、役立たず。」

酷い言われようである。

「…わかった。やってみよう。」

彼女達の気持ちを折る気にもなれなかった。
ゲームを作る、か…。
昔…子供の頃に憧れたことはある。
確かにいい機会なのかもしれない。





三人娘の企画提案から数ヶ月。
仕事とプログラミングと収録…なかなか大変だった。
しかし、彼女達も学業がある。
相変わらず学年一位の妹はともかく、アルファとネコは大変だろう。
特にアルファ。
成績は並みらしいが、成績が伸びないのがこの活動のせいだったとしたら申し訳無いと思う。

「さて、これで完成か。」

ゲーム作成用のゲームを使用したがそれでもかなり時間がかかった。
テストプレイも何周したか。

「じゃあ、テストプレイを収録するよ。」
「…するのか?」
「声優四人ともいるし。」
「確かにフルボイスだけどさ。」

なかなかのテキスト量だった気がするが…まぁ、いいか。
プレイヤーは妹。
妹の部屋に四人集まり、収録を始める。
ストーリーは王道。
難易度はやや難しくしている為そこそこやりごたえはあると思う。
ただし、全クリ後のハイエンドコンテンツを用意した。
いわば隠しボスで数は五体。
このゲームをやり尽くし、それぞれのパターンを読み解き、覚え、対処しないと勝てない。
中でも妹がギミック設定したボス二体は一体誰が倒せるのだろうか?といった難易度だ。
一体はひたすら頭を使い、一体はがちがちのパターンを敷いている。
どちらも俺は倒せなかった。
クリア動画を上げた視聴者がいればどこかの動画で取り上げてもいいかもしれない。





…ある日、本当に突然思い付いたことだった。

「慰安旅行?」
「そう、温泉なんかどうだ?」

彼女達には非常に頑張ってもらっている。
労いは必要だと思う。

「女子高生三人と旅館で4Pしたいって?ダイくん最低。見損なった。」
「言ってないから。」
「私もお兄ちゃん以外とはちょっと…。」
「僕もアルファ以外とはちょっと…。」
「…レンならいけないことも…痛っ!?」

思いっ切りネコに横腹を突かれたアルファ。
あれは痛そうだ。

「温泉でなくてもいいんだ。」
「海外でも?」
「海外か…。」

選択肢に思い付いていなかったな。

「外国語、喋れなくていいなら。」
「ダイ兄は元々当てにしてないし。」
「そ、そうか…。」

そこまで頼り無いか…。

「行くなら私はお兄ちゃんとラブ…。」
「却下。」

言うと思っていた。

「いや、必要無いならいいんだ。忘れてくれ。」
「…一つある。あのイベント。」

イベント…なる程、あのイベントか。
俺達がプレイしているオンラインゲームのイベントであり、今回の開催は西日本だ。
首都からは遠い。
女子高生三人だけで行かせるには心配がある距離かもしれない。
出張で行ったことがあるが…確かにやや遠い。

「わかった。手配しよう。…しかし、アルファがそう言うなんて珍しい…。イベント好きだったか?」
「ダイ兄が気遣って言ってくれたんだろうし…無碍には出来ないと思っただけ。」

流石はアルファ。
気配りも素晴らしい。
実際、アルファがモテることが納得出来ることは多い。
本当に産まれてきた性別が間違っていると思うことが多々ある。
…しかし、イベントか…。





彼女達は高校生…未成年だ。
身元がバレるのは良くない。
顔がわかるのは俺だけでいい。
と思っていたんだが…。

「あれってもしかして…?」
「さんむす?そんなわけ無いでしょ。」
「でも、大人男性とイケメン女子いるし…。」

…気付かれているかもしれない。
反応しないようには言ってあるが難しいかもしれない。
リアルでは動画内の名前は使っていない。
しかし、暫く投稿出来ない旨を記載したらイベントに参加するのでは?と推測されていた。
その通りである。
なお、さんむすとは俺達の略称だ。
俺が入っていないが、メインは彼女達だから問題は無い。

「イケメンだよな…。」

変装しているわけではないが、やっぱりアルファが目立ち過ぎる。
女性達の視線を集めている。
いつものことだが…。
そして、妹は俺に引っ付いている。
カップルに見えるように頑張ると言っていたが、それは単なる妹の願望だろうな…。
ネコはネコでテンションが高い。

「お兄、お兄!グッズ購入予算は!?」

こんな感じで。
ちなみに一応兄と三人の妹という体だが…いつもながら無理があるとは思う。

「お金は気にしなくていい。最悪、自分の財布から出す。」
「やった!」

それなりに貯えはある。
動画で頂いたものと自分の仕事で稼いだものと。
動画に関しては彼女達の頑張りの賜物だ。
彼女達に還元されるのは当然のことだろう。

「あれがダイくん?」
「なんか…普通だね。」

遠くから聞こえた声。
自分の話はついつい聞いてしまう。
普通なのは仕方が無いだろうし、ネコのイラストでもかっこよく描かれたことは無かったはずなんだがな。

「でも、彼女っぽい子がいる…って、もしかしてレンちゃん?」
「凄い美少女…。」
「ヤンデレブラコンなんだよね?」
「あの子が妹なら、私ならもう妹が彼女でもいいと思う。」

言いたい放題だな、本当に。
実際に下にこの妹を持つとどれだけ苦労することか…。

「彼女だって?」
「はいはい。」
「これはもう事実上夫婦ってことで…。」
「ならないから。」

わけがわからない。

「さて、そろそろ準備するか。」

アルファが呟く。

「何をだ?」
「コスプレ大会。」
「…は?」

唐突過ぎた。





このイベントでは確かにコスプレ大会がある。
ゲーム内のキャラや装備にコスプレする。
その出来を競うイベントであり、素晴らしい出来のものが多い。
…妙に荷物が多いと思ってはいたが、そういうことだったのか。

「流石だな。」

ゲーム内の男性騎士だった。
人気があるキャラだ。
そのキャラのコスプレをしているアルファは完璧だった。

「とても素晴らしい出来ですが、こちらは御自身で作成したのですか?」

司会が彼女に問う。

「いえ、学校の家庭科部の子達に作ってもらいました。」

なる程。
彼女のファンなら喜んで作るのかもしれない。

「この声…アルファ様じゃない?」
「確かに似てるけど…。」

会場がざわつく。

「皆様からアルファ様の声に似ているという声やコメントが流れていますが、似ていると言われたことがありませんか?私もファンでよく見ているんですが似ていると思いましたので。」

この司会者も見ているのか。
さて、アルファ、どうするつも…。

「似ている…と言うより、本人ですので。」

言いやがった…!
会場がどっと沸く。

「えぇ~…改めまして自己紹介を。ゲーム実況をやっている『社会人と姦し三人娘』のアルファです。動画、よろしくお願い致します。」

アルファが一礼すると黄色い歓声があがる。
…案外、アイドルに向いているかもしれない。

「ほ、本物ですか!?」
「他の三人も来ています。呼びますか?」

呼ばんでいい。
しかし、周囲の他の客が一斉にこちらを見た。
気付かれてるか…。
仕方が無い。

「行くか。」
「う、うん!」

俺達三人もアルファがいるステージに。

「もしかして、この三人が…?」
「そうです。彼女が私の恋人の…。」
「ネコです。よろしくお願いします。」

その挨拶は狡い。

「あれがネコちゃん。」
「イラストより可愛くない?」
「本当にアルファ様の恋人なんだ。」

ネコの自分自身のイラストはある意味詐欺だと思う。
根暗なオタク少女として描かれている為、リアルとは結構ギャップがあると思う。

「…ネコ。」
「ん?」

名を呼ばれて見上げたネコにキスをするアルファ。
会場に何とも言えない空気が…。
俺はもう見慣れたが…何やってるんだか。

「あ、私がレンです!」

と妹が言うと、空気が一瞬固まった。
妹は確かに外見は美少女で通るだろう。
しかし、視聴者としてはそれよりも変人やら狂人の印象を持っていると思う。

「お兄ちゃんに色目を使う人は死刑です。」

挨拶にこんなこと言う少女だからな…。
俺に引っ付く妹の顔は笑顔だが目が笑っていない。

「えぇ~…私がさんむすのマネージャー兼保護者のダイです。」

咄嗟に思い付いた言葉だが、笑ってくれた人がいた。
掴みはまぁまぁか?
自虐ネタなんて初めてだが。
マネージャーではなく一応メンバーです、はい。

「こんなタイミングで初顔出しとなってしまいまして申し訳ございません。後日改めて挨拶したいと思います。また、皆様にお願いとなるのですが、彼女達は未成年ですので色々とご配慮をお願い致します。…貴重なお時間を使わせていただき、ありがとうございます。引き続きコスプレ大会をお楽しみください。」

一礼する。
何故か拍手が起こった。
この演説紛いは咄嗟の行動であり、実際かなりテンパっている。
正しい判断など出来るわけがなかった。





後日、ネットではあまり話題になっていなかった。
マスコミも未成年の一般人相手にはなかなか手が出せないのかもしれない。
まぁ、彼女達の学校では話題になったそうだが知っていた人も少なくなかったようだ。
…さて、これからどうなることか…。



『社会人と姦し三人娘』・終わり






後書き

香奈さん、無理です。



ちょっとした裏話

MMORPGのネットゲームのモデルは一応FFⅩⅣです。