今年一年振り返って。その⑥ | 青松慶侑オフィシャルブログ「不屈の青魂」Powered by Ameba

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八月一日。


朝10時頃に起きた。


昨日のデッドボールが当たった背中が赤く腫れていてピリピリしている。






でもそれがまた昨日の記憶を思い起こさせ興奮していた昨日の自分を思い出していた。



いろんな人がメールを送ってくれていたのでそれを読み返し一人一人メールを返信していた。


ほとんどの人が「おめでとう。これからが勝負ですね。頑張って」





まさにその通りこれからが勝負。




僕はまだ一軍でヒットすら打っていないのだから一軍に上がるだけでは意味がない結果を出さなければいけないということをよーくわかっていた。




そんな事を考えていたら家でソワソワしだして予定より早く家を出てマリンに向かった。




11時半にマリンに到着し着くなりすぐに球場でランニングを始めた。



昨日までファームにいたので朝から動かないことがなにか気持ち悪く感じていた。




大好きな音楽(主に洋楽)を爆音で聞きながらフェンスぎわをランニング、これが一番自分のテンションを上げられる。




テンションが上がってきたところで室内に行きマシン打撃をした。



ファームでもずっとやっていた練習があってそれを確認したかったので軽く打ってクラブハウスに戻った。



その頃ポツポツと他の選手も球場に来ていた。



マリンのクラブハウスの雰囲気はまるで浦和とは違って独特の空気が流れているような気がした。




この空気嫌いではない、逆に浦和の雰囲気はあまり好きではない。


その理由はあえて書かないがファンの方は察しがつくと思う。





ファームで一緒にやっていた選手も一軍にいるとまるで顔つきがちがう。



自分もなにか心境の違いを感じていた。






時間が経ち練習が始まった。




練習もアピール、なぜか一軍の試合前の練習がキツい。




一軍に定着している選手はそんなことないのかもしれないがファームから一軍に上がった時の緊張感はものすごく疲れるのだ。





練習が終わりいつもの「つけ麺大盛り」を食べ試合に備えた。




スタメンではなくベンチスタート。




試合が始まった。





ベンチから声をだしながら一軍の選手の動きやしぐさなどを観察していた。



そろそろ準備をしよう。

ベンチ裏に行き素振りを始めた。




この日ものすごくカラダの調子が良くて万全の状態だった。


ベンチ裏で聞こえる歓声!どうやらチャンスのようだ。



その時僕は呼ばれた。



代打行きます!




ランナー1、2塁   ピッチャーは石井。




名前がコールされ今日こそは絶対打つ!!


緊張など一切なかった。


というよりも4-2で負けていてこのチャンスをつかまないとチームも痛い。


この時俺がホームランを打てば逆転、よっしゃ打ったるわ!と打つ気満々だった。





石井さんはファームでも対戦があったのでなんとなくイメージはできていた。





初球見送りストライク、アウトローにいいボールが決まり手が出なかった。



ボールが続きカウント3-1。




ストレートが真ん中に来た!





それを思い切り振り切った!!!
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打った瞬間ヒットと確信し走りだした。



二塁に到達したとき自然と拳を握りガッツポーズをしていた。
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「気持ちいい。なんて気持ちいいんや。一軍でのヒットはこんなにも気持ちいいもんなんか」



ガッツポーズなんていつぶりにしたかな。



この時母親に言われたある一言を思いだした。


「敬鎔が一軍で思いっきりガッツポーズしてる姿見るのが夢や」





やっと見せることができた、九年かかって悪かったな。





そんなことを考えながら2塁ベース上にいた。





初ヒットのボールがベンチに戻され自分はそのボールを受けとって大事にポケットに入れた。





それをクラブハウスに戻りカバンにしまった。





その時グラウンドでは青松コールが起こっていた。





それに気づかず応えられなかったことが心残りか...






これでやっとプロ野球選手になれた気がした。




その日いままで支えてくれた人や自分にとって大切な人たちに祝福された。



そんな僕を支えてくれたすべての人、ファームにいる時から応援してくれたすべての人に感謝したいです。






プロ野球選手の第一歩を踏み出したが満足はしていられない。



戦いはまだ続くのです。





続く...
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