梅○くんより、インターンの最終報告書を受領しましたので、アップします。


(1)インターン活動を通して得たこと及び今後の大学生活における目標

私はこのインターンの2か月の間、「生の政治を知る」「ものごとに対して様々な見方を持つ」の2つを目標にしてきました。インターンを終えようとしている今、その2点については、たくさん経験できたと思います。

まず、「生の政治を知る」については、山本議員の普段の活動や府議会・委員会傍聴を通じて経験することが出来ました。インターンに参加する前は、議員の仕事というと華々しいものであるというイメージでした。しかし、実際、山本議員のもとで活動していくと、議員活動は地道で辛抱強く行っていくものが中心であるということが分かってきました。連日の朝立ち、街頭演説、ビラ配り、ポスティング、宛名書き、あいさつ回り、とどれも中途半端な思いでできるものではありませんでした。私はインターン活動の一環としてこれらの活動を体験した程度でしたが、非常に大変だと思いました。これらを継続して行っていくのが議員の活動であり、今まで私が持っていた議員に対するイメージが、どれだけずれていたのかとしみじみ感じております。また、府議会や委員会では、テレビで見るようなその場での議論が繰り広げられるものだと思っていました。しかし、それらの場で行われていたのは、あらかじめ決まっている内容についてひたすら読み上げていくだけのものでした。決まりきったものを読み上げていくだけでは時間の無駄ではないか、と思いました。ただ、決まったことを府民むけに広報するといった意味で、全くの無駄ではないのだと思います。しかし、ここで私が注目したいのは、議会自体ではなく、議会より前に行われる打ち合わせです。議会で読み上げられる内容はその打ち合わせで決定されます。そこでは、その場での議論が繰り広げられており、非常に興味深かったです。議会の実情という生を知ることがと思います。

次に、「ものごとに対して様々な見方を持つ」については、朝立ちでのビラ配り、電話かけ、府職員との意見交換から経験しました。今まで、ビラ配りや電話かけは、受ける側の立場は日常の中で経験してきました。しかし、配ったりかけたりする立場になったことはありませんでした。今回のインターンシップを通してこれらを経験したことにより、双方の立場になって考えることが可能になりました。府職員との意見交換では、環境農林水産部の理系出身の職員から大学時代の話を中心に聞くことができました。その中で、府職員の中にも理系院卒の方がたくさんいたことが分かりました。理系学生の院進学者は研究職に就くしかないと思い込んでいましたが、そういった道もあるというのは大きな発見でした。いずれの活動からも、違う見方が存在することが分かりました。今後の人生での諸活動では、今回学んだことを基に、常に違う見方の存在を疑って行動していきます。

他にも、得られたことはありました。具体的には、指示を受けたらすぐにメモを取る、相手に自分の意図を伝えるにはどのすれば良いのかと考えて話す、相談・連絡・報告を行う、自分の考えを意見する、ということができるようになりました。まだ完ぺきという訳にはいきませんが、インターンに参加する前には考えもしなかったことについて、意識して行動していることは大きな変化であると感じています。

さて、私は理系という、政治の世界には遠い世界で生きてきました。今回、偶然ともいうべき機会を得たことによって、自分の知らなかった政治の世界を多少なりとも知ることが出来ました。その中で感じたことは、無関係だと思い込んでいる世界でも、そこに飛び込んでみることは有益であるということです。今回の場合に限れば、政治は決して自分に無関係なものではなく、身近であるということです。今後は、何事に対しても無駄だと決め込まずに、積極的に参加していこうと思います。

最後に、このような貴重な機会を与えてくださった方々には大変感謝しております。ありがとうございました。


(2)インターン先の地域・国政において自分が興味を持った課題とそれにたいする提言

私は、山本議員のもとで2か月の間、交野市における要望を中心に取り組んでまいりました。そして、山本議員は、非常にさまざまな案件について取り組んでおられました。数ある案件の中で、私が今回取り上げたいのは「ため池の防災」についてです。この案件を取り上げた理由は3つあります。1つ目は、山本議員が取り組まれている案件の中で、大きな案件の1つである、ということです。2つ目は、活動中に実際に府の職員に話を聞く機会があり、他の案件に比べて詳しく関わった、ということ。3つ目は、私自身が理系の学生であり、分野的に興味を持ちやすい内容だった、ということです。ため池とは、一般に降水量の少ない地域において、農業用水として用いられる水をためておくための場所です。なぜ、ため池に防災対策を施す必要があるかといえば、ため池は使用される用途上比較的高い海抜に位置するものが多いために、地震などにより決壊が起こってしまうと、そのため池よりも低い位置にある街は、ため池に溜められていた水によって被害を受けてしまうからです。

防災対策として考えられることを、大きく次の2つに分けて考えました。「ため池の廃止」「ため池を存続した上での対策」です。

1つ目の「ため池の廃止」について。これは、そもそも危険因子を取り除いてしまえばよいという考え方です。これは、府の職員と話をした際にも、1つの意見としてお伝えしました。しかしその際には、ため池により得られる水の権利が複数人にわたっている場合があり、また、費用も掛かってしまうために難しいとの回答をいただきました。

2つ目の「ため池を存続した上での対策」について。存続する以上は、廃止するよりも価値のある選択であるといえるようにしなくてはなりません。すなわち、ため池を以下に魅力的で、有用なものにするかがポイントになります。当然のことながら、地震などの有事の際に決壊しないような強固なものにしていくというのは言うまでもありません。その上で私が行うべきと考えるのは、ため池の名所化です。街の名所ともいえる存在になれば、それは廃止するよりも良いはずです。では、具体的には、次の2点です。1つ目は、ため池を生き物の棲むオアシスにすることで、2つ目は、クリーンエネルギーの創出を行うことです。1つ目については、開発が進み減ってしまった緑や生き物に触れられる場所を作ろうというものです。今となっては少なくなった自然を日常的に目にすることのできる場所となります。小学校と連携することで理科の実習や、生き物を育てる体験に用いることも可能です。2つ目については、水面に太陽光発電パネルを取り付けることや、ウォーキングコースを設定し、そのコース内に踏まれると発電する装置を取り付けることを考えました。太陽光パネル自身をウォーキングできるようにするのも面白いかも知れません。これらの設置により、クリーンエネルギー創出の現場に身近に接することが可能になります。エコが重要視される昨今の流れにあったものだと思います。

ただ、問題点も存在します。1つ目については、維持管理の問題。野放しにしておけば、オアシスと呼べる環境を維持していくのは難しいでしょう。誰がその管理を行うのか。それを地域全体で行うことで地域振興に役立てるといったことも考えられます。2つ目については、技術面・費用面をよく考える必要があります。上を歩けるほど強固な太陽光パネルの設置は可能か、ウォーキングコースを通行する人だけで設備に見合った発電が期待できるか、といったことです。

このように問題はあります。しかし、魅力的な街づくりに問題はつきものです。実地調査・ニーズ確認・PR活動実施により、実施の価値があるのかを慎重に検討したうえで、実行に移していく必要があります。