鹿の一族/「清く、正しく」リリース九州ツアー | 若宮桂のブログ・空と海がぶつかる場所

1月17日は、鹿の一族のライブを初めて観に出かけました。

2017年に、偶然見ていたNHKの番組「ドキュメント72時間」。
番組はおもしろく、その時エンディングで流れた松崎ナオさんの「川べりの家」という曲も気になり、七月にCDを購入。
ライブも観にいきたいと思い、それから時おりホームページをチェックしていました。
鹿の一族は、その松崎ナオさんと、鹿島達也さん、鹿野隆広さんから成るユニット。
現在のメンバーに固定されたのは2018年からのようです。
正月に九州ツアーがあると知り、すぐ予約。

九州ツアーの福岡公演会場は、博多区中洲のDeja-vu(デジャ・ヴ)。
金曜なのでいつものように入浴介助を18時半に終えて、その足で自転車で向かう筈でした。
それが、このちょうど1週間前に20代の若さで利用者さんが急逝。長年介助してきたのでショックと、モヤモヤした気持ちで介助開始時間に家を出、雨のなかバスで向かいました。
髭をたくわえて三角帽子を被った円筒形の人形のイメージがパッと浮かび、いつの間にか寝てしまってたバスの中で目が覚めました。あれはなんだったのか。

 

20時開場。入口のところで偶然お会いしたファンの方と一緒に入りました。
その方によると、4年前?だったかな。このお店でソロでライブを行ったことがあるそうで、福岡はその時以来と話してました。無論、鹿の一族としての九州は初。

カウンター席とテーブル席がいくつかある、ちいさなハコは満員。
20時半をだいぶまわった頃、まずはBela Esperancaのステージが始まりました。
ボーカルの島塚美智子さんと、アコースティックギターの篠原真司さん、パーカスの野田雅仁さんから成るユニット。
島塚さんはこのお店のオーナーさんらしく、ナオさんとは旧知の仲のようです。
(ナオさんの)セカンドアルバム「虹盤」の頃に初めて会ったと話し、このアルバムが検索してみると2001年発売なのでおよそ19年も前でしょうか。
ポルトガル語でうたう、サンバのスタンダードカバー曲のほか、「朝になったら」「花びら」「遠い記憶」など、オリジナル曲もあわせ6曲が演奏されました。


※鹿の一族のセットリスト
カラー
先人の教え
秘密の名前
PAAMAN
夏休み
川べりの家
回転レシーブ
ヤイヤイ
犬のおまわり
だけのもの
清く、ただしく

※アンコール
各々鹿々

エフェクターのペダルが4つくらいずらりと並べられました。続いてはいよいよ鹿の一族。
ステージ左手にベースの鹿島達也さん。中央がエレキギターの松崎ナオさん。右奥がドラムスの鹿野隆広さん。
このうち鹿島さんは、2016年に、このページでたびたび紹介しているタイナカ彩智さんのライブを観に大分県の臼杵氏へ遠征した時、彼女のサポートで演奏されているのを拝見したことがあります。
彩智さんのアルバム「tomori」や、同じ頃買った遊佐未森さんの「休暇小屋」のプロデュースも担当されており、この2枚の完成度の高さから注目していました。
鹿の一族に参加と知り、あまりの偶然におどろいたのを憶えてます。

そして実は鹿野隆広さんも、このページで度々紹介している立花綾香さんのバンドメンバーとして2度ステージを拝見してます。世界は思ったより狹い。

最初の曲は「カラー」。今回のツアーのタイトルにもなっている最新アルバム「清く、ただしく」の1曲目。
次いで、「先人の教え」、「秘密の名前」。
動画サイトで視聴していましたが、思った以上にロック色が強い。
tomoriと休暇小屋、そしてなにより川べりの家もかなりアコースティック調ですし、なので、同じ鹿島さんとは思えない。
3人ともベテラン。かなりの演奏力で爆音が心地よいです。出かける前のモヤモヤは振り払われました。

「PAAMAN」はナオさんがしばしば書いている社会派の曲。
一聴して歌詞が印象に残りました。
MCでは、先ほど島塚さんが話していた虹盤に収録の「パピコ」について、最初は人にあげるつもりで自分でうたう予定はなかった。そして確かこの曲に鹿島さんがベースで参加したけど、別録りで当時顔を合わすことはなかったと話してました。

冬に、夏休みを思って作ったという「夏休み」。
鹿の一族を初めて観に来た人は?と訊こうとして、このメンツで九州に来たの初めてと思い出し、全員初めてで、大丈夫ですかね、と??なMC。初めてお会いする松崎さんはちょっとテンネンっぽいところが楽しい。

そして次はロングヒット曲「川べりの家」。
川べりの家について、鹿の一族結成当時は松崎ナオソロ名義の曲を演奏するのを避けていたけど、この曲で私のことを知ってくれた人が多いことから演奏することに決め、その際バンド版にアレンジしたそうです。
やはりこれは名曲ですね。このアレンジもよかったです。

続いて新アルバムから3曲更に演奏されました。
「犬のおまわり」ではラスト部分のワンワンをコール&レスポンスしようとするも、うまく観客ノってこず。自分も初めて聴く曲なのでうまく仕掛けられなかった。
アルバムについて、映画「ブルーアワーにぶっ飛ばす」の曲を担当したけど、サントラ出しても売れん!などと云われ(ひどいな)、それならと映画用に書いた曲からイメージを膨らませて再構成し出したと(だいぶグダッとした感じで)話してました。アルバムジャケットにはinspiredとあります。

MCでは2020年皆さんどんな年にしたいですか、といった抱負の話を少ししてから、マジメな話はツカレルと打ち切って、「だけのもの」そしてツアータイトルの「清く、ただしく」を演奏。
ライブは終わりましたが、やはりすぐにアンコール!
最後の曲は「各々鹿々」。
♪アンコールくだっさい!と、冒頭の歌詞のインパクトがすごい。
もうエフェクター、踏んづけまくってところどころコードが外れたりしてました。


終演後、CD「清く、ただしく」と、「P」の2枚を購入。3人にサインを入れてもらいました。
会場限定の川べりの家(鹿の一族バージョン)が収められたCDRもおまけで附いてきました。