谷山浩子ライブレポート | 若宮桂のブログ・空と海がぶつかる場所

11月6日。
実に5年ぶりに、谷山浩子さんのライブを観に出かけました。
16時半開場。会場は、前回と同じ中央区大名にあるホール、ROOMS。

 

懐かしいなぁ。5年前は今住んでいるこの家に転居する直前で、仕事と手続きで忙しく、ライブチケット忘れて慌てたのを思い出します。

 


(※前半セットリスト)
MAY
きみのそばにいる
クリスマスツリー
誕生
ガラスの天球儀
無限マトリョーシカ
裸足のきみを僕は知っている
こんな素敵な夜なのに
ブルーブルーブルー

 

ステージが明るくなり、ヒロコさんが小走りで舞台袖から出てきました。
整理番号は121番。福岡公演の2日目なのでオールリクエストライブです。前回はリクエストできませんでしたが今回はどうでしょうか。

 

チケットの半券が入っている籠から1枚目を選ぶヒロコさん。
最初のリクエスト曲は、懐かしい、86年に発売されたシングル「MAY」。
もともとは斉藤由貴さんに詞を提供した作品をセルフカバーとして発表されたものです。
この曲の作曲者は堀川まゆみさん。このページでたびたび紹介している音楽家、麗美さんのお姉さんです。
グランドピアノで弾き語る、5年ぶり、今年還暦を迎えられたヒロコさん。
久しぶりのライブは、変わらないなぁという印象。懐かしい場所に還ってきたんだなという印象です。

 

「クリスマスツリー」のリクエストが挙がると、軽い笑い声が会場から起き、どうして~と、自身も失笑気味に、10歳、と話してたかな、子どもの頃作った曲だと話します。
クリスマスにひとりぼっちといった内容で、子どもが書くような詞じゃない。天才少女と呼ばれていた子ども時代。大人びてますね。

 

「ガラスの天球儀」はMAYと同じく斉藤由貴さんへの提供曲。
今回のリクエストは、こんな他者への提供曲も多く演奏されました。

 

機関銃のように早口で言葉を繰り出す「無限のマトリョーシカ」は声優の、誰だったかな?(今こっそり検索、上坂すみれさんでした)への提供曲。
事前の練習もナシに、マネージャーさんから渡された歌詞とコード譜が書いてある紙を見ただけで、自分の作品はどれでも弾き語りできてしまう、相変わらずすごいひと。

 

「こんな素敵な夜なのに」は、彼女が15歳の時に発売されたファーストアルバム「静かでいいな~谷山浩子15の世界~」収録曲。
自分もこのアナログ盤(LPレコード)を持っていますが、久しく聴いておらず、演奏後紹介されるまで分かりませんでした。

最近の作品は持っていませんが、これでもCD11タイトルのほか、アナログ盤でのみ持っている作品もあるのに、今回のライブで演奏された曲のうち持っている(知っている)のは4曲のみでした。


前半ラストはその知っている3曲目の「ブルーブルーブルー」。85年に発売されたMAYのふたつ前のシングル曲です。
当時シングルのアレンジをスタッフに任せていたら、ボーカルと演奏が合っていないすごいアレンジになっていてショックだったと話します。
あ~それで、アルバム(空飛ぶ日曜日)収録版はアコースティックなアレンジに変貌し、シングルバージョンは「HIROKO TANIYAMA '80S」にも収録されず未だ未CD化曲なんですね。
でもシングル版のアレンジも、当時浩子さんの新境地のような感じで、自分はけっこう気に入ってました。持っているアナログ盤大事にしなくては。

 

前半が終わり、休憩タイム。といっても、ひとりぼっちで来たので話す人もおらず、ワンドリンクのスミノフをチビチビと。

 


(※後半セットリスト)
キャンディーヌ
FANTASY
あそびにいこうよ
洗濯かご
扉をたたいて
パタパタ

(※アンコール)
さかなの言葉
朝ごはんの歌

 

後半が始まりました。最初の曲は「キャンディーヌ」。
ちょっとライブから日数が経ってしまい、記憶がはっきりしませんが、走る電車の中で書きあげ、ヘンな曲ができたなと思ったとか、確か話してましたが、これじゃなくて別な曲だったかも。

 

「あそびにいこうよ」は声優の岩男潤子さんへ詞を提供した作品。
1曲1曲叮嚀に、収録されているCDがヒロコさんから紹介されますが、タマに思い出せず、前列のファンの方に訊いたり、ネットで検索して…などと話して沸かせます。

 

私の2列くらい前の方がすごい嬉しそうにリクエストした「洗濯かご」。
暗黒な歌詞のようで(ものすごいダークな曲でした)、なにかあったんですか?みたいなことをヒロコさんに尋ねられ、今しあわせですと話したのが印象に残ってます。

 

「扉をたたいて」はラジオ番組のオープニング向けに制作された曲だそうで、こんなマニアックな曲も平然と演奏されました。

後半最後の曲は「パタパタ」。
作詞は岩男潤子さんで、彼女に曲を提供した作品。確か、岩男さんが書いた散文詩が元になっている、と話してたかな。
扉を開けるパタパタという音を、搖れ動く心模様に見立てている、これも初めて聴く曲ですが、この日の演奏でブルーブルーブルーに次いで印象に残る楽曲でした。


アンコールです!
嬉しそうに飛び出してきたヒロコさん。
リクエストは87年に発売されたアルバム「透明なサーカス」より「さかなの言葉」。

「サーカス」「人形の家」「キャロットスープの唄」「鳥は鳥に」「銀河通信」「ニャコとニャンピ」「冷たい水の中をきみと歩いていく」「トライアングル」…いろいろな曲を思い浮かべましたが、それにしても今回もリクエストできそうにないな。

 

2回目のアンコール。
最後の曲ですからね!と、ライブのラストにふさわしい曲をと遠回しにリクエスト者にプレッシャーをかけるヒロコさん。
スタジオジブリ製作の映画「コクリコ坂」より、「朝ごはんの歌」で締めくゝられました。

 


リクエストできませんでしたが、5年ぶりのライブ、堪能できました。
5年前、浩子さんのステージをこの場所で観た3ヶ月後、突然勤めていた職場を解雇され、1年半の就職活動の果てに職業訓練校に入学。
介護の仕事に変わると、今度は全く休みが無くなり、体をこわして仕事を半減させた。
これが自分のこの5年間。
今もいろいろな問題を抱えているけど、気持ちが今とても静か。
そんなことを感じられたライブでした。

 

 

 

残秋のライブラッシュ。
3連続かえる王国、谷山浩子ときて、次は19日の遊佐未森さん。初めてライブを観に行きます。
そしてその翌日は相曽晴日さんが控えていますが、その日は移動支援の仕事があるので最初から観られるか微妙なところ。