仲間の数人が脳に転移した。


その時も本人を前に、私は慰められるような事を言えなかった。

同じ立場になった事が無ければ、どんな言葉も無意味だと思ったから。


あまりにもセンシティブな内容すぎて、言葉によってはむしろ怒りすら与えてしまうかもしれない。



そういう思いから怖くて何も言えなくなってしまう。



たまたま立て続けに脳転移の仲間がいたことで、

私を含め皆不安になり脳検査を志願する人が増えた。



仲間内では色々な話があり、どこそこの病院は3ミリスライスだとか調べて教えてくれる人もいた。



当時、仲間とは


"脳MRIが流行った頃"


と言っていた。




たまたま私は頭痛と新たに眩暈が現れたので、飛び込みで自宅近くの脳外科を受診し、その日のうちにCT検査をしてもらった。



その結果、小さなポッチがみつかった。



その画像を主治医に見せて症状を説明したところ、


「脳転移かもしれません」


という衝撃のお話だった。



もし本当に脳転移で、数えられる程度ならきっとガンマナイフ。


そしたら地元でガンマをやってくれる病院を探さなければ。



ガンマナイフの手術については仲間から聞いていた。



ゴムのようなものを顔にグーッと押し付けられて型を取るらしい。


大病院では流れ作業のように照射をして、あっという間に終わると。



病院によってやり方は違うらしいから、出来れば頭にピンを打ってガードを装置するところは避けたい。


なのでなるべく体に傷をつけたり、痛くない方法の病院をネットで探した。



そうして都内のガンマができる病院で、MRI検査を受けることができた。



結果


「脳腫瘍の赤ちゃん」


という診断だった。



脳外の先生は


「この大きさの腫瘍なら、今の年齢からして何もせず放置しておいてよい」


というようなことを言っていた。



転移ではないというのは安心したが、腫瘍があるのに放置というのは少し気になる。



きっとこの脳外科の先生は、この赤ちゃんが育って問題が起きる前に乳がんで死ぬとでも思っていたのだろう。



当時の私は


「何ほざいてるん?

  治るし、治すし!」


と自分に言い聞かせるように仲間達に言っていた。



その赤ちゃんはまだ私の脳の中にいる。



どうしてるかな〜?