2026/ 4


11年前に左胸に入れたインプラントの縁のあたりに違和感というか、痛みがあった。


元主治医にも診てもらったが異変はないということで、確かに見た目には何もなってないけど、時々ズキッとする。


インプラントの寿命は10年くらいとか聞いたことあるし、これから始まる治療に向けて取ってしまおうかと考えた。



主治医に、いつ取ればいいかと聞いてみたら、


「やるなら今すぐに」


とのことだった。


そしてそのインプラントを入れたクリニックで取った方がいい。少なくてもここではできない。

とのことで、それはちょっと急すぎで、心の準備ができないという気持ちもあったが、次の日になってとりあえず予約が取れるかどうかクリニックに電話してみた。


もうすぐ抗がん剤の治療が始まる旨を伝えたら、


「いつでもいいですよ。明日でも明後日でも」


との軽いお返事で、でも今すぐじゃあ明日、とは言えず、日時についてはまた改めて連絡すると言って電話を切った。



でも、ここで躊躇して先延ばしにしても、抗がん剤治療が始まったら傷口の治りが遅くなるだけだし。


だけど、アンダーにある傷跡からメスを入れて、胸の皮膚にピッタリ張り付いているインプラントを剥がすなんて、絶対痛いに決まってる!

想像しただけで恐ろしい。


違和感があっても、もしかしたらずっとそのままで大丈夫かも知れない。


でも取ってしまえば身も心もスッキリするだろう。



電話を切った瞬間に色んなことが脳裏をめぐった。



やっぱりこの機会に取ってしまおう!


電話を切った数分後に掛け直し、インプラント抜去へ急速に話が進んだ。



そこのクリニックでは挿入も抜去も日帰りなので、麻酔が覚めて歩けたらすぐ帰宅、というやり方で、一般の病院で手術した友人からはびっくりされる。



手術の前に先生から術式について説明を受ける。


なんと、医院長とその弟子では料金が違うという、何とも自由診療らしい設定だった。



今回は整容性は関係なく、ただ抜くだけなので弟子さんでお願いした。



病室のベッド脇で服を着替え、手術台に登ったらおでこに麻酔の効きを確認する為、という謎のチクチクしたテープみたいなものを貼られた。


ポートがあることを看護師さんに伝え、そこから採血して麻酔を入れてもらい、ゴーグルにマスク姿で顔もわからない医師っぽい人が見えた途端、気がついたら服を着替えた病室のベッドにいた。


支えてもらいながら歩いて移動したらしいが、全く覚えていない。



麻酔が効いていて痛みは無く、痛み止めを4日分もらって胸に白いバンドを巻いて電車で帰った。



11時に着いて14時にお会計という、超スピード抜去手術だった。