時代も人も移ろいやすく、
変わっていく。ボブディランの
「時代は変わる」
弾き語りの最高傑作。
顔つきが違う。ファーストLPの
ホンワカとした顔が、一年半後の
第三作で、シビアになった。
写真の撮り方にもよると思うが、
ディランは演じたのだと思う。
プロテストソングとしての
まとめ方で、第三作の方が勝って
いるが、ギター、ハーモニカでの
アコースティックな曲作りは
ファーストLPと同じ。
という本名では格好がつかないと
考え、自らボブディランという
名前を作った。
経歴もドラマ性のあるストーリー
を、時と場合で使い分けた。
生馬の目を抜く世界のこと、
それが、良い、悪いではなく
「演じる」ことで自らを鼓舞し、
常にリセットし、精進していく、
ということだろう。
長嶋元巨人軍監督が監督退任後、
ホテルに宿泊する時、職業欄に
「長嶋茂雄」と書いたらしい。
「演じる」とは、そういうこと
だと思いたい。
人は経験から学習し、思い込み、
先入観で物事を判断するように
なっていく。
自分のことさえ良く分からない
のに、他人への理解など、
ひょっとしたら、誤解の理解かも
しれない……
「演じる」ことで、皆の
アイデンティティが生まれ、
皆の理解が得られる。
「演じる」ことは命がけ!
芸能人が問題を起こした時、
事の是非よりもアイデンティティ
が崩れることへの恐怖が、皆を
バッシングへと向かわせる。
否応なしに変わりゆく時代と人。
途上では、誰もが役割を演じて
いるのかもしれない。
ボブディランも、
「捕らえどころがない」という
ことを演じている。
相変わらず、声音を変えたり、
ピアノを弾いたりして驚かせる。
ビートルズツアーに参加して、
一般客に混じりジョンレノンの
実家に行ったり…
自分のコンサートで、一般客に
混じり入場しようとして、
警備員に止められたり…
ボブディランは職業欄には
何と書くのだろう…?…

