修理若御子神社

(すりわかみこじんじゃ)



尾張国中嶋郡

愛知県稲沢市松下2-32-3

(「平和堂 稲沢店」より西へ30m)

(P無し)


■延喜式神名帳

大御霊神社の論社


■旧社格

村社


■祭神

修理若御子命



かつてすぐ近くに尾張国府があったという、尾張大國霊神社の西方700~800mに鎮座する社。

◎社頭案内を刻んだ石碑には、「御祭神の修理若御子命は尾張大国霊神の国内修理をお助けになった神で、天香山命の御子、天村雲命であると伝えられる」とあります。

「修理」とは上手くゆかない部分に手を加え整えるといった意味合いでしょうか。平安時代には「修理職(すりしき、をさめつくるつかさ)」という官名があり、主として内裏の修理造営を掌っていました。

◎ご祭神である修理若御子命は、天香山命の御子、天村雲命と社頭案内にあります。尾張氏は天火明命を始祖とし、2代目が天香山命、3代目が天村雲命。

尾張大國霊神社は尾張氏(海部氏と同族)との関連が考えられる、尾張中嶋海部直の裔が代々神主を務めた社。尾張中嶋海部直は天背男命を祖としています。

◎「尾張名所図会」には、「田村にあつて今墨染天神と●●本國帳に従三位修理若御子天神とある古社なり」(●は草書のため解読できず、平仮名二字の助詞と思われる)とあります。

一方で「尾張國地名考」(大正五年)という書には、「正生考」集説という書を引き、「大御霊の神社は戦國以來それと群にしれず按に松下村(当地のこと)墨染天神といふ松森の小社是なるべし」とある箆を掲げています。つまり「式内社 大御霊神社」は当社であると。

当書以外にざっと一通りあらゆる文献を管見したものの、当書以外に当社を「式内社 大御霊神社」に宛てているものは見当たりません。






氏子あっての神社という歴史を今もなお神社本庁は続けようとしていますが、愛知県は全体的にその意向が強いように思います。神社庁がそうであるとするなら、少なくとも市街地の社はそうあり続けてほしいと願います。


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