「若桜郷土文化の里」 *画像はWikiより





【古事記神話】本文
 (~その63 八上比賣の元へ)





前回の記事でスサノオ神の系譜が示され
大国主命が登場しました。

今回より
いよいよ大国主命の神話が始まります。


ところで近頃は学校で日本神話を教えないそうですね。
宗教の自由を奪うとかやらで。

「神道」は「宗教」ではなく
「道」、「信仰」なのですが。
神社は「宗教法人」にされてしまっていますし。

学校で教えなくなって
もう20年以上は経つのでしょうか。

今の30歳代の日本人は
神話をまったく知らない。

大国主命?誰?
スサノオ?聞いたことない?
もうそんな時代になりつつあります。


このテーマ記事は
そんな世の中に抗ってやろうという
ひねくれ者の思いもちょっぴり込めています。


故に此の大國主神の兄弟八十神坐き 然れども皆國は大國主神於ひて避りき 避りし所以は其の八十神各 稻羽の八上比賣と婚むと欲する心有りて 共に稻羽に行きし時 大穴牟遲神に於ひて袋を負はせ從者と爲し率ひて往きき


【大意】
大国主神の兄弟(はらから)はたくさん(八十、やそ)いました。しかし国は皆大国主神に譲り、去っていきました。去ったわけは八十神各々が因幡の八上比賣と結婚しようとしたからです。因幡へと向かった時、大穴牟遲神を荷物持ちの従者として連れて行きました。


【補足】
◎「兄弟」の訓みはググると、「はらから」というのが出てたので採用しておきました。

◎「婚む」は「よばはむ」と訓むのでしょうか。

◎八上比賣が登場しました。
因幡国八上郡(現在の八頭郡)が根拠地。「千代川(せんだいがわ)」の中流域にあたります。河口は「白兎海岸」や「鳥取砂丘」で知られる地。八上比賣を祀る賣沼神社(未参拝)などが鎮座します。

因幡国一でもあり生産力の要でもある「千代川」を治めた、八上の首長一族が奉戴した祖神であるとも考えられます。

ところで同じく大国主神の妻である高志の沼河比賣は、「翡翠(ヒスイ)」の産地で知られる新潟県「糸魚川」ですが、「千代川」の最上流「八頭郡若桜町」でも発見されています。しかも「糸魚川」と同じ高価な「硬玉」。八十神が狙いを着けたのも納得できるところ。

ただしこれは出雲の玉造(参照 → 玉作湯神社)の工房との交流・契約を背景としてこの神話が生まれたという説もあるようです。

◎「大國主神」と記しているのに途中から「大穴牟遲神」になっています。特に何らかの意図があるようにも思えないのですが…。




今回はここまで。

短く刻みましたが
これは大人の事情でして。

次回はいよいよ「因幡の白兎」。

ここまで入れてしまうと長くなり過ぎるし、
途中で切るわけにもいかないし…といったところです。


(出雲大社の大国主命像) *画像はWikiより


*誤字・脱字・誤記等無きよう努めますが、もし発見されました際はご指摘頂けますとさいわいです。