金光稲荷神社・弁慶の力石 (新宮市三輪崎)
紀伊国牟婁郡
和歌山県新宮市三輪崎
(アクセス・駐車は下部写真参照)
(駐車場からの登拝時間は25分程度)
■祭神
(不明)
熊野参詣道「高野坂(こやのざか)」の道中、樹叢内に埋もれるように鎮座する社。
◎当社に関しての資料は乏しく詳細は不明。豊漁祈願や、航海の安全祈願のために建てられたのでしょうか。安芸国安芸郡に同名社が鎮座(未参拝)、そちらからの勧請かもしれません。
◎新宮市「新宮」の南端から「三輪崎」にかけて広がる丘陵地。江戸時代には「おな神の森」とも称されていたとも。謂われは不明ながら、当地は神武東征神話に登場する丹敷戸畔ゆかりの地と伝わることから、「女神(おんながみ)」からの転訛ではないかと考えます。
◎「三輪崎」はかつて「太地(たいぢ)」や「勝浦」に匹敵するほどの捕鯨が盛んであった地。「三輪崎」内の八幡神社では現在でも「鯨踊り」が奉納され、日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財の一。
◎当社ご本殿の左脇(向かって右端)の石祠に「○○○組羽指中」と刻まれた跡が残ります。「羽指(はざし)」とは勇猛果敢に海に飛び込んで追い込まれた鯨に乗り上がり、モリで鯨の急所にとどめを刺す古式捕鯨の花形。この石祠は「三輪崎」の鯨方の「羽指」たちが建立したものと考えられています。こちらも日本遺産「鯨とともに生きる」の構成文化財の一。また海際には「鯨山見跡」があり、鯨を発見したり捕鯨の指揮をしたりした跡(現地未確認)。こちらもまた日本遺産。
◎当社から200mほど南方、「高野坂」の道中には、「弁慶の力石」と称される丸い岩が座しています(下部に写真あり)。