葛懸神社
(かつらがけじんじゃ)


美濃国厚見郡
岐阜市池ノ上町3-47
(北側より進入し境内に駐車可)

■祭神
葛懸明神(カヅラアガタミョウジン)
[相殿] 県明神  水除神(ミズヨケノカミ)


「長良川」北岸畔、住宅等が密集する岐阜市「池ノ上町」に鎮座する社。
◎創建年代は不詳。平安後期に編まれた「美濃国神名記」に「正六位上 葛縣明神」と記載される比定社。現社名の読みは「かつらがけ」ですが、本来は「かづらあがた」であったものと思われます。昭和十三年に現社地に遷される前は、「長良川」堤防上に鎮座していたとのこと。大池が社前にあったということが、地名「池ノ上町」に残されています。かつては「池上宮」とも。
◎当社が知られるのは「みそぎ祭」。厄歳の裸男たちが寒中に「長良川」に入り禊を行う祭。この祭の内容から当社の由緒が垣間見えます。
応永の大飢饉(応永二十七~二十八、1420~1421年)から重要な祭儀となったと伝わっています。これは神職のみで行われていた祭儀が、村を上げてのものになったのではないかと考えます。岐阜県神社庁は以下を示しています。
━━毎年12月10日の夕方より裸の大群厄男しんおとこ)を中心として祭元より雄結び揉み進み長良川の激流に飛入りて身滌ぐこと真夜中に至るまで三度厳修し暁前に直日神を迎え奉り年中に過失犯せる罪科を残る所なく祓ひ清め清々しい直日の魂が輝き渡る神事━━
◎直日神とは、伊邪那岐命が黄泉国から脱出した際に中の瀬で濯いだ時に成った、穢れにより生まれた二神(八十禍津日神・大禍津日神)に続いて、その「禍」を直そうとして成った神のこと。この時、神直日神・大直日神・伊豆能売神の三神が生まれています。
◎この内容から主祭神「葛懸明神」は直日神のことであると解してよいものかと思われます。
相殿の県明神は地主神、水除神とは洪水等の水難除けの神ということでしょうか。


南向きの社殿。

駐車場は反対の北側より。


ご本殿


藤樹の御神木。

こちらは御神木跡ということでしょうか。